2022年4月1日より、国が開始した「マンション管理計画認定制度」と同時に、マンション管理業協会も「マンション管理適正評価制度」の運用を始めました。
制度の名前自体が似ていることもあり、一般の方には両者の違いがわかりにくいとは思いますが、簡単に言うと「マンション管理計画認定制度」は管理組合が行うべき管理の最低条件を示すものであり、「マンション管理適正評価制度」は、プラスアルファの管理レベルをS・A・B・C・Dの5段階の★の数で評価するものです。
マンションの管理状態や管理組合運営の状態を6段階で評価し、インターネットを通じて情報を公開します。評価は毎年更新されます。
そうは言いながらも、認定主体が別々であるため評価項目も違っており、「マンション管理適正評価制度」では★★★★を取得できるマンションでも「マンション管理計画認定制度」では不合格となるケースもあるようです。
今回は「マンション管理計画認定制度」に基づいて、私の住んでいるマンションで評価してみたいと思います。
「マンション管理計画認定制度」は大きくわけて5つの分野で評価されており、それぞれの評点の合計で★の数が決まるようになっています。マンションの管理状態を5つのカテゴリーに分類し、ソフト面(現在の権利組合運営など)とハード面(建物/設備の維持管理)の両面から、約30項目について現状を評価していきます。
1.管理体制(20点)
・管理者の設置 ・総会の開催、議事録の作成 ・規約の整備状況
管理体制は管理者の設置や総会の開催、管理規約の更新状況等で評価されます。標準管理規約の改正に併せてマンションの管理規約を改正しているマンションでは20点の満点を取ることが可能です。
私のマンションでは、管理規約が民泊規定以降4年ほど改定できておらず18点となりました。
2.建物・設備(20点)
・管理費会計の収支 ・修繕積立金会計の収支 ・滞納管理費等への対策 ・修繕に関する資金計画の状況
各種法定点検の実施や長期修繕計画の有無、過去5年間の修繕履歴・図書の保管等で評価されます。しっかりとした管理会社に管理を依頼していれば満点が取れる項目です。
私のマンションでは満点の20点でした。
3.管理組合収支(40点)
・法定点検の実施 ・長期修繕計画書の有無 ・修繕履歴の保管
管理費と修繕積立金の区分経理、管理費や修繕積立金の滞納状況、修繕積立金の額等で評価されます。
私のマンションでは、修繕積立金は十分あるものの、均等積立方式ではなく段階増額方式であったため38点となりました。
4.耐震診断関係(10点)
・耐震診断の実施の有無 ・耐震団の結果、回収計画の予定の有無
旧耐震マンションでなければ、満点の10点になります。
5.生活関連(10点)
・設備などの異常時の緊急対応 ・消防訓練の実施 ・防災マニュアル等の整備状況
消防訓練の実施や名簿の整備・防災対策等が評価されます。
私のマンションでは、緊急対応が有人ではなく電話であった点と防災マニュアルや防災用名簿の未作成等があり7点になりました。
評価結果
1~5までの分野の合計点は93点となりました。90~100点は★★★★★となり、最高評価のSランクとなりました。内容については普通にやっていれば取れる項目も多くあります。
「マンション管理適正評価制度」はプラスアルファの評価制度なので、もう少し先進的な取り組みの評価項目を増やして、厳しく評価しても良いように思いました。
また、この評価を取得してのインセンティブがないと、評価制度自体が定着していくのは難しいと思います。
取得するメリット
1年ごとの管理状態のチェックで、お住まいのマンションの改善点を把握できるため、下記のようなメリットがあります。
・管理組合の目標設定や運営がしやすくなります。 ・1つ1つの議題に取り組み、改善していくことで、管理の行き届いた状態を長期的に維持することが出来ます。 ・管理状態の最新の情報をネットで発信することで、市場での評価が期待できます。 ・適正な管理を維持することで、リセールバリューの向上も見込めます。
登録・申請するには?
総会にて決議を取り、まずはマンション管理組合からマンション管理会社へ登録申請を依頼します。マンション管理業協会指定の講習を修了した管理業務主任者、マンション管理士が管理状態をチェックし、評価結果の登録を行います。その後、マンション管理業協会のサイトに結果が公開されます。それほど高額でもありませんので、是非一度評価を受けてみればいかがでしょうか?
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