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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

「修繕積立金を値上げしないと廃墟になる」…!暴走するマンション理事長に年金生活者の住民が感じる「強烈な違和感」【マンション管理クライシス】



 2024年5月20日の週刊現代の表題の記事を紹介します。


物価高などを理由に、近年、修繕積立金の値上げを余儀なくされているマンションが増えている。しかも最近では、管理会社ではなく住民側であるマンション管理組合の理事会が値上げに積極的になってきているという。(*記事内容は編集部が保証するものではありません。実際のマンションの状況に合わせて情報を参考にしてください)


根拠のない恐怖心が値上げに繋がる

 関東の築35年のマンション管理組合の理事役員を務める高齢男性が、ため息交じりに話す。

「我々のマンションはギリギリの都心部といった立地で、比較的ゆとりのある層と、私のような生活がやや大変な年金生活者が混在しているマンションです。そして今、理事会を牛耳っている理事長がとにかく心配性の人で、『万が一のことがあったら大変だ』と、管理会社が提案する工事を高かろうが、全てやってしまうのです。

 この方はマンション管理士が主催するセミナーにも通っていて熱心なのは理解できるのですが、『修繕積立金を値上げしないと廃墟になる!』と何かに触発されたように提案されて総会議案となり、先日の総会では僅差ながら可決され、値上げが決定していしまいました。値上げ幅は現行の1.5倍、私の住戸で月2万円を超え、生活はかなり厳しくなります。本当に迷惑しています」


住宅ジャーナリストが解説する。

 「修繕積立金の値上げについては、近年、『大規模修繕の工事費が上がって積立金が足りない!廃墟になる!』などの報道が増えたことが大きいと思います。やはり『お金が足りなくなる』という恐怖心と、一般の人は建物の保全行為の価値を測る尺度が金額しかないので仕方ない面はあります。

 しかし、この考え方は危険です。そもそも、計画されている工事がマンションにとって本当に必要なのか、工事会社や管理会社の営業的な提案ではないのか、吟味する必要があります。また、物価高を口実に、それを優に超える見積もりを出す管理会社も散見されます(既報)。仮に値上げ分が修繕事業者のキックバックや中間マージンに消えてしまおうが、そういった側面を考慮せず、修繕積立金の値上げ自体を、マンションを良くする為の善行だと感覚的に考えているフシもあるのです。

しかもこうした住民は、募る不安感を解消するために、総会や理事会などで積極的に意見表明をする。そして値上げに反対する人をマンションの将来性を考えない不真面目な住民だと決めつけるのでタチが悪い」


一部住民の値上げ案が通る「悪魔のステップ」

 マンションの修繕積立金や管理費などの維持費の値上げは生活者にとっては定額の増税のようなもので、容赦なく全住民(組合員)の可処分所得が削り取られ、生活にダイレクトに響いてしまう。

 特に物価高に苦しむ昨今では、年金生活者も少なくない住民の負担感は強いはずだが、

「こうした値上げ提案にも、管理会社は出費の節約を提案してくれることなどなく、将来の売上に繋がるため、積極的に修繕積立金の値上げ案を“援護射撃”します。

 値上げ提案が全体から見て少数意見だとしても、収益に繋がる管理会社が、自社利益を盛り込んだ長期修繕計画を持ち出して、“必要性”を強調し、理事会の提案という形にまとめ上げられれば、そのお墨付きで計画が承認されてしまう。まさに『悪魔のステップ』です。気が付けば、全組合員が場合によっては過剰で割高な大規模修繕とその負担増に付き合わされるはめにもなってしまうのです。

 そもそも、大規模修繕や日常の小さな修繕工事であっても、どの程度のお金をかけてどの程度の水準を求めるかは、人によって価値観が違う問題です。例えばサッシの交換や共用廊下のシートの貼り替えなど、多少使用感があっても高額な費用がかかるならそのまま使い続けても構わないと考える住民も多いでしょう。『適正な修繕』と一口で言っても、実際には人によって“適正”の水準はかなり違うものです」(前出の住宅ジャーナリスト)


値上げを回避する方法

 「また、たまたま見聞きしたトラブルや不具合でも、その発生率を考えずに『自分たちのマンションでも起こるかも』と、安直に一般化してしまいます。そして『万が一のことが起これば、もっとお金がかかるから』など、高額な出費を容認してしまうのです」(住宅ジャーナリスト)

 このように十分な根拠なしに、感覚的に高額な出費を決められて修繕積立金の値上げとなれば、一般の住民はたまったものではないだろう。しかし、値上げの回避は実は難しくない。

 例えば、管理会社などが作成する長期修繕計画の修繕周期が12年であった場合、予算に余裕がなければ15年に延ばす措置をとれば、その間に貯まる積立金で値上げを回避できる可能性もあるからだ。一般的なマンションでは延ばした3年の間に2000万円程度の積立金が貯まる計算になる。18年に延ばせばさらに資金は豊富になる。一方で当然、トラブルの発生リスクは増すが、問題はそれが、どの程度に想定されるかだ。

 トラブルが起きた際の2次被害は金額が大きいもので漏水トラブルやタイルの落下による人的被害などが考えられる。しかし、タイルの落下による人的被害は極端に確率が低く、屋上防水の更新工事の周期を延ばした場合の漏水トラブルも同様に発生率は低い(続報)。仮に起きたとしても、心理的インパクトに比べて、被害者住戸の原状回復費用は壁紙の交換費用程度。高くても一件あたり数十万円程度で済んでしまう。マンションの修繕はそこまで大した問題ではないことを、大げさに心配して、大金をはたいてしまうという面もあるのだ。

 しかし、感情的な不安感から、大きな節約になる修繕周期の延長をためらう理事会も少なくないようだ。前出の住宅ジャーナリストが続ける。

「お金がかかるゼロリスクをどこまで目指すかは、本来、個人の価値観によるが、こうした事情も残念ながら無視されてしまう。ほどほどの修繕で構わないと考える住民は、マンション管理について元々、危機感を感じていないなので関心自体が薄く、積極的に管理組合の活動に関与したり意思表明すらしたりしない。一般的なマンション定期総会の低い出席率を見ても、そうした人がマジョリティーなのは間違いない。

 ですが、こうしたサイレントマジョリティーの声は合理性があっても、残念ながら声を上げないので修繕計画や方針に反映されにくいジレンマがあるのがマンション管理の実情です。」


管理組合運営が難しいワケ

 「本来、修繕計画を主導する理事会は『自分たちがどうしたいか』ではなく、『多くの組合員がどう思っているか』の意思をアンケートなどで確認して、計画に反映すべきです。しかし残念ながら、理事会が独善的に前のめりになっているケースの方がむしろ多いのではないでしょうか」(住宅ジャーナリスト)

 そして、無関心な多数の潜在的な意思より、声を上げた少数の意見が、管理会社のアシストで理事会議案として総会に上程されてしまう。その結果、無関心が故に「理事会提案だから正しい」と信じ込んで賛成にマルをし、「多数意見」として承認されてしまい、気が付けばどんどんお金のかかるマンションになってしまう。ここに管理組合運営の難しさがある。


都内のマンション管理組合の理事役員の男性が言う。

「ある時、理事会の議事録を見ると、共用廊下の壁や天井など3箇所のひび割れの補修に37万円をかけるというのです。今なら『暮らしのマーケット』など、事業者とのマッチングサイトを利用すると、数万円程度で補修ができる事業者が見つかります。

 口コミ情報も豊富で、ハズレをひく可能性も低く、長期保証が付く業者もある。塗装や軽い修繕なら、こういうサイトを業者選定に活用したらどうかと、管理人を通じて意見をしてみたのです。しかし、その後の理事会議事録を見ても、私の案が検討されている様子はありません」


管理会社は自社利益に都合の悪い情報を排除する

 理事役員の男性が続ける。

「仕方なく、管理会社に直接連絡して検討するように伝えると、次の議事録では『ネット上の事業者は信頼性の観点から利用しないことにした』と短く書かれただけでした。

 たまたま、その翌年に輪番で私が理事になったので、前年から留任した理事に当時のことを聞きました。すると、管理会社からは『住民からネットで見つかる安い業者の利用を検討すべきとの意見がありますが、どうしましょうか』というだけの説明だったようです。こういうふうに捻じ曲がって住民の意見を伝えられるのかと思いましたね」

 確かに管理会社がこれだけの説明しかしていないなら、マンション管理の運営を担う理事会は却下したくなるだろう。おそらく、管理会社はキックバックが得られない外部の業者は使いたくないという事情があったのかもしれない。


管理会社が高額工事を通すテクニック

 マンションコンサルタントの須藤桂一氏が言う。

「管理会社や工事会社は管理組合が、自社の収益に悪影響を及ぼすような知恵を付けてしまうことを、ことさら恐れます。理事会や組合員が情報共有し、割高で不必要な出費が、多数の人に気付かれるような状態になると、自社の収益に響くことになり、これは非常にまずい。

 できれば、管理会社や工事会社に『おまかせ方式』で、少し高めの見積書を提出し、少しだけネゴされて発注してもらうというシナリオが一番の理想です。仮に相見積もりを依頼されても、繋がりのある業者にしっかりと高めの見積書を作ってもらい、納得して決定してくれる管理組合が『いいお客様』となるのです。特に大きな修繕工事などの費用がかかる場合も、輪番でおとなしいイエスマンが集合している理事会の時を見計らって、計画を進めようとするものです」


少数の理事を囲い込み高額工事をやり放題

 つまり、一般の多数の組合員がどれだけ不満を持とうが、管理会社目線では、理事長など少数の理事を囲い込んで、信用を勝ち取れば、意のままに顧客管理組合の予算を使えるようになるという性質がある。

「例えば、エレベーターの液晶モニターなど、故障してからの交換でも問題ないという考え方を伝えずに、5年程度の耐用年数を持ち出して交換を勧めてきたりする。出費を促すための理屈や情報を選別して伝えることで、自社の収益に繋げることを狙うのです」(住宅ジャーナリスト)

 理事会は自ら決めているように錯覚しているだけで、実際には管理会社の情報の出し方やプレゼンによって、簡単にコントロールされてしまっている可能性があるのだ。そのため、管理会社にとって、管理組合内の“情報統制”は生命線といっていい。管理会社が管理組合内の意思決定に至る“動線”を抑えるには、一般組合員や理事会は繋がりが弱い方が都合がいい。

 まるで江戸時代の側用人や大臣秘書官が権力者へ伝える情報を選別することで意思決定をコントロールするように、管理会社は自分たちに都合のよい発表を行ってもらえるように理事会をうまく誘導する。

 その一方で、理事や一般組合員が勝手に情報交換をすることには神経をとがらせているのだ。合理的な管理手法の知見を持つ理事らが情報共有をして、管理会社の収益にとって都合が悪い“有益な情報”が広まってしまうのは具合が悪い。


管理会社は情報を「検閲」「選別」している?

住宅ジャーナリストが続ける。

「マンションの理事役員経験者なら思い返して欲しいのですが、住民の声として『不具合があるから、工事をしてほしい』などと管理会社からよく取り次がれると思います。しかし、議事録などを読んで、○○の工事は無駄で高額だから、止めるように、という住民の意見が理事会に取り次がれた経験はほとんどないのではないでしょうか。

 また、外部の業者からの案内やDMなどを受け取った経験のある理事長はいないでしょう。氏名が不明でも、『理事長』など役職宛で郵便物は配達されるはずです。独立系の管理会社や工事業者、その他の外部業者だって、理事会に営業してマンションの仕事が受注できれば大きな売上が見込めるから、本来は営業をかけたいはずでなのです。

 しかし、理事会宛の書類や管理組合宛のポストも管理会社が管理していて、自社に不都合な書類であれば、理事長などには取り次がないものです。管理会社が“検閲”していることを知っているので、業者も最初から送らないのです。


議事録作成業務を「既成事実化」の手段に

 また、住民であっても、理事会に意見やクレームを言いたい時、マンション内で悪目立ちしたくないから、匿名で理事会宛に手紙などを送りたい場合もあるでしょう。そうした場合も、匿名で信憑性がないという言い訳で管理会社は取り次がず、その事実は理事会も把握できないので“検閲”がバレない。試しに『〇〇マンション 理事長』と書いて郵便物を送ってみてください。おそらく、手元には届かないはずです。これは大きな機会損失を意味しています。

 また、理事会や総会の議事録の作成は非常に厄介な業務であり、管理会社が代行してくれるのが常ですが、その真の目的は、工事の実施についても明確な結論が出ず『なんとなく』な雰囲気でも、管理会社の収益に繋がるような都合のいい内容に “既成事実化”し、理事もなんとなく管理会社が作った議事録を承認してしまうものです。

 なお、のちに議事録の不適切な記載が問題になるようなことがあれば、区分所有法違反に問われるのは管理会社ではなく、管理組合の理事長です(20万円以下の過料)」


管理会社ビジネスのキモは..

 このように管理会社は管理組合予算と執行権を持つ理事会を自社だけで囲い込み、理事長など数人の理事を手なずけるだけで、収益を独占できるようになる。この環境維持こそが、マンション管理ビジネスのキモと言える。


管理会社による「理事会支配」を容易にする輪番制の罠

 それを可能にする理事の選出方法が、部屋番号で1~2期ごとに順繰りで選出される「輪番制」だ。住宅ジャーナリストが言う。

「マンション管理組合の自治を司る理事会の役員選出方式は、7割のマンションで輪番制が採用されています。表向きには公平性の担保や悪徳理事の続投を防ぎやすくすることです。しかし、輪番制は理事会の知見の蓄積や、専門性を有していてやる気や問題意識のある人の排除にも繋がる。最悪なのは、無関心でやる気のない人にも無理強いしてしまう制度ともいえ、これがチェックの甘い放漫経営の体制になりやすい。結果、管理会社に言われるがまま、不必要で割高な工事をしてしまい、管理組合にとっては莫大な経済的損失となります。そして積立金の値上げにも繋がってしまうのです。

 特にタワマンなど大規模マンションでは、理事の経験が一巡するまでに20年以上かかる場合もあり、理事は常時、輪番制で選ばれたマンション管理に無関心な『イエスマン理事』ばかりという事態になりかねない。工事がやたら高額であることに気付いて調べ出した時には任期切れ、というわけです」


キックバックの実態

住宅ジャーナリストが続ける

「一般的に立候補制では、特定の理事の長期政権を招き、知り合いの業者に発注してキックバックを得るなど、不正の温床になるとされますが、実は管理会社も同様の手数料名目で、事実上のキックバック的な取引を合法的に行うことが可能です。というより、それが管理会社の基本的なビジネス手法でもあるのです」

 つまり、人間が管理する以上、キックバックをもらう対象が恒常的に管理会社になるか、悪徳理事が就任した時かという違いでしかないのだ。

 ただ、理事による不正は他の理事や管理会社を巻き込む必要もあって、不正行為自体は、実はそう簡単でもない。5年程度の任期を設定したり、メンバーの固定化を防ぐために半数は輪番制にして、立候補者は理事長に就任できないようにしたり、希望するオブザーバーの理事会参加を認めるなど、不正が働きにくくする方法はある。そもそも立候補制でも真面目な理事の方が大多数だろう。


管理会社が住民同士の情報共有を嫌うワケ

 その意味で、やはり「輪番制」は管理会社の営業活動にとって都合がよく、それはひとえに理事会のコントロールのしやすさからくる。

 シーアイピー代表でマンションコンサルタントの須藤桂一氏が言う。

「理事会でマンション管理会社のフロント社員の行動をよく観察してみてください。できる社員は理事会や総会ではいつも誰よりも早く来て、遅く帰る。理事同士の小話にも、積極的に口をはさむ。管理会社にとって都合の悪い話でも、その輪の中にフロント社員がいさえすれば、専門家の立場で容易に弁明できるからです。逆に管理会社の預かり知らぬところで、住民同士で工事費や管理の不満を話題に勝手に盛り上がってしまう事態は何としても避けたいのです。

 国交省の調べでは、直近で既存マンションの約70%が、分譲時の管理会社との契約を更新し続けています。不満の種が醸成されないように、管理会社の統制が効いている結果という見方もできます。他の管理会社への変更など、比較検討する機会を設けさせず、理事会では管理会社の提案ばかりを議題とし、管理会社自身の評価をする機会を作られないようにしているのです」


管理会社を変えないと“ステルス値上げ”も

 特定の管理会社への委託が長期に続く状態では、その管理会社は顧客サービス向上の動機もなくなり、逆に管理会社の受託業務のコストカットが利益に繋がるため、管理の質はどんどん低下していく。だからこそ分譲時をピークに、多くのマンションでは物価高などを口実に、共用施設のサービスが廃止されたり、清掃の頻度が減ったりする“ステルス値上げ”の憂き目に遭うケースも多い。

そのうえで須藤氏がいう。

「管理会社の方針ではなく、別角度からの意見や情報、合理的な知見を共有する機会が全く用意されていないことは、やはり問題です。私は理事会では、管理会社の社員に退席してもらって、理事だけで議論する時間を設けるように推奨しています。そこでフロント社員の前では言いにくい管理会社自体の評価や、出してきた見積もり価格の妥当性などを検証する機会を作ることが必要なのです。」


工事営業を独占するための手法

 そもそも“素人”の集まりである管理組合や理事会は、管理会社の営業ベースの提案に支配されやすい偏った環境なのだが、当事者たちは、その環境に気付いていないものだ。

「知識量で圧倒的優位に立つ管理会社の社員が理事会で独占的に営業活動をできる状態もおかしい。提案業務と発注業務を同じ会社が務めること自体が、あっ旋利得的な行為なのです。この状態を避けるために発注業務は、面倒でも管理組合独自で行なっている組合もあります。

 管理会社の提案ありきの理事会運営を避けるためにも、管理会社が介在しない形で、理事会や組合員同士がコミュニケーションできる機会と情報共有ルートを確保しておくことが重要です」(須藤氏)


ガバナンスを機能させるために必要なIT化

須藤氏が続ける。

「その上で、ガバナンスをしっかり機能させるためには、何より情報公開や透明性の確保が大切です。管理会社の影響を極力排除して、特に理事同士は直接連絡が取れるようにし、多くの組合員が知見を高められるようなコミュニケーションを取れる環境を構築することが極めて重要なのです。そうなれば、理屈に合わない、割高な管理会社の提案も、合理的に断ることができるようになるでしょう。」

 管理会社の影響力を排除するのはなんといってもITの活用が有効だ。


前出の住宅ジャーナリストが言う。

「管理会社社員の入らないLINEグループを作って理事会や意見のある有志の組合員とある程度の知見を共有できれば、不必要な工事や割高な事業の提案は防げます。特にタワマンなら、戸数の多さから様々な専門性を有した所有者がいる場合もあり、有益な意見も集まりやすい。

 LINEが面倒なら、理事会宛てのフリーメールアドレスを作って、そのアドレスは毎月の議事録や掲示板に掲示し、意見箱として活用できるようにする。その管理は面倒でも、理事や管理組合など『住民側』の誰かが『直接』やることです。特定の人物が情報を独占するのは好ましくないので、転送設定などを利用し、できれば複数の人が共有できる状態が望ましいでしょう。

 また、理事会の決め事やルールなどもクラウド上にアップしておき、QRコードなどで住民が閲覧できるようにしておけば、理事会メンバーが変わってもある程度、運営の継続性を担保できます」


管理会社を「経由」させない情報共有の重要性

 とにかく、理事役員と組合員が管理会社を介さず、『直接』意見や情報を共有できる仕組みを作っておくことが重要だ。

「そうしないと、たとえ良い意見が上がっても管理会社が取り次がなければ、理事会は知ることができません。ITなどを使った管理組合主体での直接の情報交換の仕組みは、管理会社にとっては工事などの営業活動に横槍が入る可能性があって不都合なので本当に嫌がります。個人情報や管理体制の問題を持ち出して必死に抵抗するでしょうが、情報共有の重要性を認識していれば、どちらを優先すべきか明らかです。

 また、理事会もzoomなどオンライン会議を導入すれば、投資目的が多いマンションの外部居住者でも簡単に出席できる。録画機能もあるので、音声データだけでもリアルなやり取りを無料のクラウドサービスなどに残すこともでき、透明性も確保できます」(住宅ジャーナリスト)


無駄遣いを避けるには…?

 ネットを通じて住民からより多くの情報や意見を集めることで、不要な工事はしなくていいというもう片方の情報も理事会に伝わりやすくなる。それが無駄遣いを避ける手段にもなるのだ。」


 相談会にくるマンションでも理事長が管理会社のいいなりで高い工事費用で発注するという組合員の相談もあります。この記事にもあるように、とりあえず管理組合の言いなりにはならないことが重要です。自分達で施工会社を見つけて、見積もりを取り施行する。それだけで10~20%は安く工事ができると思います。その結果、修繕積立金を無駄にせずに、修繕積立金の値上げもいくらかは緩和されると思います。

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