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「放置すれば崩壊」築半世紀マンション

最終更新: 3月30日



 2020年8月23日の朝日新聞デジタルに管理不全マンションの記事がありましたので紹介します。


「滋賀県野洲市が1億1800万円かけて行政代執行で解体した老朽マンションの隣で、新たなマンションの老朽化が問題となっている。市は、再び解体費用を背負わされるのは困るとして、県に早期の対応を要請。一方、解体となると大きな費用負担が見込まれるため、高齢の所有者は困惑している。

 問題のマンションは、「美和コーポA棟」。1972年築の鉄骨3階建て、延べ床面積約490平方メートル。住居8室、店舗2室、事務所1室がある。

 同時期に建てられ、無人のまま荒廃していた隣の「美和コーポB棟」は6月末、市の解体工事が終了した。費用は、所有者9人に各約1300万円ずつ請求しているが、所在不明や収入の少ない人もおり、全額の回収は困難とみられている。

A棟については2010年1月、改装工事で使われた吹きつけ材から、県などの調べでアスベストが見つかった。県は、建築基準法に基づき「アスベストの飛散防止」などを所有者に勧告したが、昨年3月に立ち入り調査するまでの間は対応していなかった。

 市の調べで、建物は廊下の天井ボードが落下し、アスベストがむき出しになっていた。外付けの階段の鉄骨は腐食し、廊下の階段に大きなひびがある。近くに住む男性(74)は「台風で屋上の構造物が飛んできて、うちのアンテナが壊れた。早く解体してほしい」と話す。

 市によると、所有者は、個人5人(8室)と2法人(3室)。1法人が、不定期に店舗や事務室として使っているほか、不定期に出入りする個人所有者がいる。空き家なら、「空き家対策特別措置法」により市が対応せざるを得ないが、現状では建築基準法の対象で県所管になる。

 市は今年2月、三日月知事に、文書で「行政代執行を視野に、知事の権限で手続きを進める」よう要請した。3月の市の部長会議で、山仲善彰市長は「A棟は老朽化が著しく、放置すれば崩壊が始まる。このままいけば空き家になり、B棟と同等の(解体)費用が市に発生するため、(県には)かなり強硬に言わないといけないから、文書を発出した」と説明している。

 さらに7月末、県庁で三日月知事に面会し、「県は、A棟が(市対応となる)空き家になるのを待っているのか」「県の覚悟の問題だ。万一空き家になっても県がやっていただきたい」と迫った。

 西村利寿・県建築指導室長は「所有者には、今後どのように使うのか用途を決めてもらい、建築基準法で不適合なところを直すよう指導したい」という。


 一方、所有者の70代男性が取材に応じた。

1978年、約400万円で購入。2010年のアスベスト判明を機に退去した。多くの住民が、同じ理由で退去したという。その後も、所有者たちで1軒十数万円ずつ負担し、雨漏り防止やコンクリートの補修工事をしてきたという。

 男性は「県から最近、補修してほしいとの要請があり、8月上旬、約6万円でアスベスト飛散防止対策をした。しかし近所に迷惑をかけられないので解体しかないと思う。でも1千万円は年金生活者には無理。子どもに迷惑かけないためにも、生きている間に何とかしたい」と話している。


〈野洲市空家等対策協議会委員として美和コーポ問題にかかわった、1級建築士の川端真(かわばたしん)氏の話〉

 建物の劣化が進むと、B棟のように解体に大きな費用がかかる。今がタイムリミット。現状なら通常の解体方法が可能で、コストはB棟の解体費よりかなり安いだろう。県は所有者にそういう選択肢も示し、早く解体した方が良い。空き地にすれば、土地も売れる。」


 400万円で買ったマンションが、解体で1300万円の自己負担が必要。この記事を読むと、マンションはこんなにリスクが高いのかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、解体費が高額になっているのは、アスベストの撤去費用が含まれているからです。建設当時は、無害だと思われていたアスベスト撤去費用もすべてを、住民負担とするのは、あまりに住民がかわいそうです。県や市に、金銭的な補助を考えてもらいたいと思います。

 一戸建てに限らず、マンションでも古いマンションでは空き家問題が発生しています。「平成30年住宅・土地統計調査」では香川県の平均空き家率は18.1%。築年数の古いマンションでは3割近くが空き家という分譲マンションもあります。先日、香川県の住宅課の担当の方と話した折にも、県としてはマンションの空き家問題を把握しておらず、管理不全マンションの認識はあまり持っていませんでした。

 改正マンション管理適正化法の運用により、管理不全になりそうなマンションを事前に把握することで、上記のようなマンションが少なくなることを切に願います。

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