2022年2月21日の「くらしのマーケットマガジン」の表題の記事を紹介します。
「1)失敗例と失敗しないためにすること
アクセントクロスは、部屋に奥行きを持たせたり、見どころを加えたりする効果があります。けれども取り入れ方を間違えると逆効果になってしまうことがあります。ここでは、アクセントクロスを使って失敗した例を元に、どうしたら失敗しないのかをお伝えしてきます。
1-1)飽きてしまった
アクセントクロスの失敗例で多いのが、飽きてしまうことです。インテリアの好みが決まっていない場合や、よく模様替えをするならば、メリハリの強い色や印象的な柄のクロスは避けておくといいですね。
【失敗しないためのコツ】
長く過ごす部屋には、印象に残りやすい色や柄を使わない
常に見える面には流行に左右されない色や柄のクロスを使う
1-2)思ったより薄い色だった
サンプルでは他の壁紙や床材とも相性がよさそうだったのに、「張ってみたら思ったより薄い色だった」という失敗もよくあります。
一般的に小さい面積で見たときの色より、大きい面積で見た色のほうが、色の属性はより強く感じます。たとえば、明るい色はより明るく見えるので、サンプルで見たときよりも薄く感じることがあります。また、光源によっても見え方が違うので、照明や太陽光、時間帯による違いなども確認するのがおすすめです。
【失敗しないためのコツ】
候補をいくつか絞れたら、A4サイズ以上の大き目のサンプルを取り寄せる
光によって見え方が変わるので、サンプルで自然光とライトの光でどのくらい違うかなどを確認する
1-3)張ってみたらイメージと違う
サンプルで見たら素敵だった色や柄でも、いざ部屋の壁に張ってみたらイメージと違いがっかりすることもあります。
色見本帳に貼られたサンプルは小さいので、仕上がりをイメージするのは難しいものです。できるだけ大きいサンプルでイメージすれば失敗が少ないでしょう。壁紙メーカーではショールームを設けていることがあり、実際の壁紙を見ることができるので、下調べに訪れてみるのもいいですね。
【失敗しないためのコツ】
1mなど少しだけ販売していれば試しに購入して、家具や他の壁紙との相性を考える
ショールームで広い面積に張られているものを確認する
1-4)安っぽい感じがする
柄ものなどを広い面積で張った場合など、安っぽい印象を受ける場合があります。中でもフェイク柄と言われるレンガや木目などのクロスは少し気をつけて選びましょう。
本物そっくりに見えるものでも近くで見ると立体感がないので、毎日見ているとどうしても安っぽく感じてしまうのです。使う時は質の高いプリントのものを選んだり、キッチンや洗面台などの狭い面に取り入れたりすると効果的に使えます。
【失敗しないためのコツ】
フェイク柄のクロスはプリントの質が良いものを選び、狭い面に使う
柄ものは使い方が難しいので、専門家に相談して選ぶ
2)部屋別|失敗しない色選びと張る場所
次に、部屋ごとにどんなアクセントクロスを選べば失敗しないのかをお伝えしていきます。
どこに張ったら効果的なのか、どんな色が向いているかも簡単にご紹介します。
2-1)リビングのアクセントクロス
部屋の面積が広いので、アクセントクロスが印象に残りやすい部屋です。
人気のあるグレーやグリーンを選ぶときは、あまり薄い色だとメリハリが付きづらいので少し濃いと感じるくらいの色を選ぶと効果的です。
【張る位置のおすすめ】 テレビの裏に面した壁、奥行きを出したい壁
【向いている色】 グレー、グリーン、オレンジ、イエロー、木目
2-2)ダイニング・キッチンのアクセントクロス
ダイニングは食事をする場所なので、食欲を抑える寒色を避けるのが無難です。
また、ダイニングからキッチンが見えるなら、食器棚や冷蔵庫のある背面の壁にアクセントクロスを張ると引き締まります。
【張る位置のおすすめ】 ダイニングとキッチンの境になる壁、キッチンの奥の壁
【向いている色】 暖かみのある色、木目やタイル
2-3)子ども部屋のアクセントクロス
パステルカラーなど明るい色や星柄などのクロスを張ると楽しそうな印象の部屋になります。
成長して好みが変わることが気になる場合には、薄めの色や細かい柄のクロスを使い、カーペットなどで模様替えするのもいいですね。
【張る位置のおすすめ】 天井や壁面などど、の位置でもOK
【向いている色】 パステルカラー、明るい色、柄
2-4)寝室のアクセントクロス
寝室は一日の疲れを癒すための空間です。気持ちを高ぶらせる色は避け、落ち着いた色や高級感のある色がおすすめです。
また、寝具やベッド等の色が決まっていれば同じ系統の色で合わせると統一感が出ます。
【張る位置のおすすめ】 ベッドの頭側の壁
【向いている色】 木目やダークブラウンなど落ち着いて高級感のある色、寝具や家具に合う色
2-5)トイレのアクセントクロス
トイレは空間が狭いため、圧迫感のでる色は向きません。落ち着いた色ならば高級感が出て、淡く明るい色ならば穏やかな雰囲気になります。
狭い面積に柄のあるクロスを使うのがおすすめです。
【張る位置のおすすめ】 印象付けたいなら扉を開けた正面・便座の背面の壁など
【向いている色】 清潔感のあるブルー、リラックスできるグリーン、植物や幾何学模様などの柄
アクセントクロスにはどんな効果がある?色ごとにおすすめの部屋を紹介
1)アクセントクロスにはどんな効果がある?
アクセントという言葉には「強調」の意味があります。その名のとおり、壁の一部分を色や柄で強調することで、部屋の印象を変えるのがアクセントクロスです。
では、アクセントクロスを張ることで他にどのような効果があるのか、具体的にご紹介していきましょう。
1-1)簡単に模様替えができる
部屋の雰囲気に飽きてしまい、雰囲気を変えたいと思っても、家具を揃え直すのは大変です。そんなときに壁を部分的にアクセントクロスに変えるだけで、一気に雰囲気を変えられます。張る面積も少なく壁紙の上から張れる商品もあるため、DIYで張り替えを楽しむ人もいます。
1-2)広く見せられる
白い壁に囲まれた部屋は明るく見えますが、メリハリがなくぼんやりした印象を与えがちです。青などの寒色は後退色と言われ後ろにあるように感じるため、4つの壁面のうち1つを寒色にすることで奥行きが加わり、部屋を広く見せる効果があります。
1-3)温度感を変えられる
赤やオレンジなどの暖色は暖かみを、青などの寒色は寒さを感じさせます。日当たりの悪い北側の部屋には暖かみのある色のアクセントクロスを使うなど、色の与える効果を利用すれば、部屋の温度感を整えられます。
1-4)家具を引き立たせる
お気に入りの家具がある場合には、背面にアクセントクロスを張ることで目立たせることができます。たとえば白いキッチンに白い食器棚や冷蔵庫はあまり印象に残りません。そこで、冷蔵庫や食器棚の背面の壁にアクセントクロスを張れば、白さを印象づけることができるのです。
2)色を効果的に使うポイント
アクセントクロスを上手に選ぶには、色の要素の「明度」と「彩度」、「色相」の3つを知ると、色を効果的に使えます。
2-1)明度
明度とは明るさのことです。明度が高いと「明るい」「白っぽい」色になり、明度が低いと「暗い」「黒っぽい」色になります。
部屋を軽快で明るい印象にするなら明度を高く、落ち着いた印象にしたいなら明度を低くした色にアクセントクロスを選ぶと効果的です。
2-2)彩度
彩度は色の鮮やかさを表します。なかなかピンと来ない方は、上の画像を見てみましょう。右にいけばいくほど彩度が高くなります。
彩度の高い色は「ビビッド」「派手」と言われ、よりポップで元気な印象になります。反対に、彩度の低い色は「くすんでいる」「地味」と表現されることが多く、大人っぽい印象になります。
2-3)色相
色相は、赤や青というような色味を指します。暖色、寒色、中性色に分けられており、色から感じる温度などに影響します。
暖色:赤・オレンジ・黄色
寒色:青緑・青
中性色:緑・紫
3)色の効果とおすすめの部屋を紹介
色が与える効果を上手に利用すれば、過ごしやすい部屋にすることできます。色の効果とどんな部屋に向いているのかをご紹介します。
3-1)ブルー系のアクセントクロス
清潔さや冷静さを感じさせるブルー系は、仕事や勉強などじっくり取り組む部屋に向いています。明度が高いブルーなら、爽快感が出るので子供部屋やリビングなどにも合います。
3-2)グレー系のアクセントクロス
落ち着いた印象を与えるグレーは、黒に近いものは高級感や優雅さを演出します。明度の高い白っぽいグレーなら他の色との相性も良いので、家具やカーペットとの色ともなじみます。青みがかった薄いグレーなども人気のある色です。
3-3)グリーン系のアクセントクロス
植物を連想するグリーンは、安定や安心といったイメージを持たせるためリビングなど穏やかに過ごしたい部屋に合います。
3-4)ブラウン系のアクセントクロス
ブラウンも大地など自然を連想する色なので、穏やかさや高級感を演出します。1日の疲れを癒したい寝室やゆっくりと本を読みたい書斎などに合います。
3-5)ピンク系のアクセントクロス
可憐な印象をもたらすピンクは、子ども部屋にぴったりです。明度の高いピンクはポップで楽しい印象、明度の低いグレーがかったピンクは家具になじみやすい色です。
3-6)赤系のアクセントクロス
赤は活動的な色で主張が強いので、寝室など落ち着きたい部屋には不向きです。明度や彩度を下げた小豆色やワインレッドのような色ならば落ち着いた印象になり取り入れやすくなります。
3-7)黄・オレンジ系のアクセントクロス
陽気で暖かいイメージを持つ黄やオレンジなどの暖色は、食欲を増進させる効果があるのでダイニングにピッタリです。からし色のような黄色ならブラウン系の家具や植物の緑にもよく合います。」
以前は部屋の壁は全面白一色でしたが、最近は壁の一面にアクセントクロスが貼られるケースが増えてきています。あえて色違いや大柄のクロスを壁の一面に貼ることで、空間にメリハリが生まれ部屋の印象が一気に変わります。またこった壁紙でなければ、価格も一般のクロスとほぼ同額なため、手軽にインテリアをアップする手法として最近アクセントクロスの採用が増えています。
間取り変更や住設交換に比べて費用もそれほど高くないので、壁紙の張替えはもっと手軽に行って欲しいリフォーム工事です。
どんなアクセントクロスを貼った方が良いか、素人には中々難しい問題ですが、インテリア雑誌の写真を参考に、自分が好きなインテリアのスタイルを真似るのが、一番簡単で失敗の少ない方法です。予算的に余裕があるのであればインテリアコーディネーターに提案してもらうのも検討してみてはいかがでしょうか?
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