アルコープとは、玄関前の共用廊下から少し凹んだ部分をいいます。もともとは「くぼみ」を意味する言葉でアルコーブとも呼ばれる場合もあります。玄関ドアを開けた場合でも、玄関ドアが廊下の通行人に当たるおそれがなく、また玄関先にちょっとした花等も飾ることが出来ます。少し玄関前にスペースがあるだけですが、高級感が増します。
分譲マンションには設置されるケースが多いですが、部屋が狭くなるためか、賃貸マンションにはほとんど設置されていません。奥行き寸法を1.5m程度とり、門扉を付けた場合はポーチと呼ばれます。ポーチを設置したマンションはより高級感がアップします。
このアルコープですが、よく配慮されたマンションでは、玄関ドアの位置を大梁下ではなく、大梁よりも部屋内側に設置されています。型枠等の工事が大変ですが、これは、地震時に玄関ドアが、大梁によって圧し潰されて開かなくなることを避けるための処置です。また、トイレや浴室の排気も、大梁と玄関ドアの間のアルコープ天井に設置することで、大梁に穴を開けないように配慮されています。大梁に穴を開けると、どうしても構造的に弱くなってしまいます。このことに配慮しているのです。
アルコープの納まり一つを見ても、マンションの設計への配慮の仕方で、マンションの良し悪しが解ります。
Comments