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エントランスの止水対策について

執筆者の写真: 快適マンションパートナーズ 石田快適マンションパートナーズ 石田

更新日:2020年12月16日



 地球温暖化の影響もあり、大雨が降り道路が浸水し、建物内に水が入ってくるケースも増えています。2019年に発生した台風19号の大雨の影響で、武蔵小杉のタワーマンションでも、エレベーターが使えない等の被害が発生しました。

 マンションのエントランスが浸水するとエレベーターの停止や、電気配線の漏電等が発生するおそれもあり、大雨時の止水対策が必要です。今回はそんな止水対策のお話です。


対策1:ハザードマップの確認

 まずはハザードマップを確認しましょう。浸水に関するハザードマップには「洪水」「内水」「津波」「高潮」の4種類のハザードマップが存在します。それぞれのハザードマップでお住まいのマンションにどれぐらいの浸水被害があるかの確認をします。確認の結果、対策が可能であれば対策を検討しますが、対策できないくらいの高い水位が発生する場合は、下層階の住民については、避難方法の検討を行います。


対策2:土嚢・止水板の用意

 ハザードマップを確認した結果、対策が可能であれば、想定水位を考慮した高さの土嚢や止水板を用意します。普通の土嚢は土嚢袋に砂等を入れて制作するために、作るのが大変です。そのような手間暇のかからない、水に触れると膨らむタイプの土嚢が便利です。水を含まない状態だと紙のように薄く、場所を取らないために保管にも便利です。ブルーシート等で立上りを作り、その上に土嚢を設置すれば50cm程度の浸水までの対策が可能です。

 想定する水深が50cmを超えるようであれば、止水板の設置を検討しましょう。止水板であれば高さ2m程度までの止水が可能です。アルミパネルの組み立て式の物や、普段はプランターボックスとして利用できるもの等、種類は様々。普段使わない時の保管場所も考慮する必要があります。


対策3:防災マニュアル(運用マニュアル)の制定

 止水のための道具が用意されても、誰が、どのタイミングで設置するかの検討が重要です。エントランス出入口に土嚢や止水板が設置されると、入居者の出入りは出来なくなるため、設置基準を定めておかないと、あまり早い段階で設置すると、入居者から不満が出るおそれもあります。また、逆に、設置のタイミングを逃すと、止水設備を用意した意味がありません。


 マンション内に防災対策班を設置し、また防災マニュアルを策定し、年に1回程度は、防災訓練等を実施することが重要です。防災訓練では、事前に止水板等を実際に組み立ててみましょう。

 大雨や洪水以外にも、地震等、災害の発生は他にも考えらえます。いろいろな災害を想定し、対策していくことが、マンションの防災対策として重要だと思います。


 
 
 

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