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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

タイル直張り用タイル浮き注入工法

更新日:2021年3月4日



 タイルの浮き面積0.25㎡以下と少ない場合には、改修指針(建築改修工事監理指針)ではタイル張替えでなく、接着剤の注入でも可としています。(アンカーピンニング工法)

 しかしこの工法は、タイルの下地にモルタル層があることが前提になっており、最近のマンションで多い直張りタイル工法には適した工法とはなっていませんでした。

 最近、コニシ株式会社からタイル直張り専用のピンニング工法が開発されました。この工法の特徴は、45二丁掛けタイルの場合、タイル4枚を、1本の注入口と接着剤で確実に、コンクリート躯体と接着することです。(㎡あたり50穴)

 そのための専用の接着剤も開発し、施工後のタイル引張り試験でも、0.4N/mm2以上の強度(タイルの張り付け強度基準)があることが確認されています。また、この工法を採用することで、張替え面積を少なくすることもでき、コスト的にも安価になり、また張替えによる美観の劣化にも効果的です。


 私のコンサル物件では、仕様書に、この工法を指定して使っています。従来の注入工法では、規定量の接着剤を注入すると、注入量が多すぎ、直張りタイルの場合には、却ってタイルを剥離させることになってしまいます。

 メーカー担当者に直張りタイルの改修指針はないのか?と確認したところ、公共建築物には直張りタイルの施工は存在しないため、国の定める改修指針でも、直張りタイル用の改修指針は存在しないし、今後も作成する予定はないとのことでした。


 上記のようなことから、現状で一番直張りタイル工法の改修にベターだと思われる、上記工法を、標準施工方法として定めています。しかし、多くの大規模修繕コンサルタントが、この問題をどれほど認識しているのか、はなはだ疑問です。すべて改修指針の通りは、確かに楽ですが、本当に入居者のためになっているとは思えません。タイルを張り替えたために、元のタイルと色が合わず、却って美観が悪くなったマンションを多く見ます。


 メーカー担当者に聞くと、採用も徐々に増えてきているとのことですので、今後は一般的になっていくのではないでしょうか?

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