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タワーマンションと一般のマンションの大規模修繕工事の違い

執筆者の写真: 快適マンションパートナーズ 石田快適マンションパートナーズ 石田

更新日:2024年7月11日



 先日、高知のタワーマンションにお伺いし、マンション管理適正化診断を実施いたしました。築30年のマンションで2回目の大規模修繕工事の実施を検討中とのことでしたが、地元の工事会社ではタワーマンションの大規模修繕工事の施工経験がなく、工事を請けてくれるところがないと理事長さんがおっしゃってました。なんとか元施工の大手ゼネコンにお願いしようとしているとのことでした。

 タワーマンションの大規模修繕工事は、仮設足場にゴンドラを使用する必要があり、一般のマンションの大規模修繕工事とは施工方法が異なります。ゴンドラは上下方向には移動可能ですが、横移動をする場合は屋上の吊り金物から移動の必要があります。また、強風時にはゴンドラが使えないため、一般の鋼製足場に比べて施工性が悪くなり、工期が長くなる傾向にあります。


 このため、タワーマンションでは手摺外部と手摺内部の工事を分け、住戸間の隔て板を撤去することで、バルコニー内の工事を実施することになります。また、鋼製の外部足場がない部分では、外部への塗料飛散を防ぐ設備の設置も別途必要になります。

 仮設計画においても、オールゴンドラで施工するのか?低層階は、鋼製足場で施工するのか?また、大型の足場が上下に稼働するリフトクライマー等移動昇降式足場で施工するのか等、施工する建設会社によって、施工計画も様々です。仮設計画によって工期や、施工金額が大きく変わるため、業者の選定にあたっては、仮設計画の良し悪しを判断する必要があります。下層階は鋼製足場としたほうが施工性が良くなり工期も短くなりますが、下層階のみ足場を設置して工事中暗くなるのを危惧して、オールゴンドラで施工することを求める管理組合もあります。


 「エルザタワー55」では、1階~6階・7階~50階・51階~55階で、外観の形状が異なっていたため工区に分けられ、1階~6階は「枠組み足場」、7階~50階は「移動昇降足場(リフトクライマー)」、51階~55階は「ゴンドラ」というように仮設計画が異なっていたそうです。

 工事に手間暇がかかるため、工事費も割高になります。修繕積立金を少しでも割安にしようと、修繕期間を18年低度まで伸ばし、またそれが可能なように、フッ素等の耐久性の高い塗料を採用したり、長寿命化したシール材を採用したりします。

 首都圏等では多いタワーマンションですが、四国では数棟しかないため、実施にあたっては色々苦労しているようです。


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