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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

ハザードマップを確認しよう

更新日:2020年12月7日



 地球温暖化の進行に伴い、台風の大型化やゲリラ豪雨による水害が増えています。瀬戸内海では、過去にも高潮被害による水害が発生していますし、今後30年間で80%以上の確率で起こると言われている南海大地震による津波の被害も想定されます。過去には、水害でピット式地下駐車場の車が水没したという事例も聞いたことがあります。

 それらの防災対策を考える基礎資料として、ハザードマップがあります。水防法の改正でハザードマップも改正されました。お住まいのマンションのハザードマップを確認することをお勧めします。

 ハザードマップとは、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものです。ハザードマップには「洪水ハザードマップ」「内水ハザードマップ」「高潮ハザードマップ」「津波ハザードマップ」「土砂災害ハザードマップ」「火山ハザードマップ」「宅地ハザードマップ」「地震危険度ハザードマップ」の計8種類のハザードマップがあります。

 一般的なマンションでは、これらの内「洪水ハザードマップ」「内水ハザードマップ」に気を付ける必要があります。

 海に近いマンションでは上記に追加して「高潮ハザードマップ」「津波ハザードマップ」について気を付ける必要があります。

 山に近いマンションでは「土砂災害ハザードマップ」に、盛り土で造成された宅地に建設されたマンションでは「宅地ハザードマップ」に気を付ける必要があります。

 それでは全てのマンションで参考になる「洪水ハザードマップ」と「内水ハザードマップ」について見てみましょう。


 「洪水ハザードマップ」は、2015年に水防法が改正され、降雨の想定規模を「100年~150年に一度程度」から「千年に一度程度の想定しうる最大規模の降雨」に変更されました。その結果を受けて、従来のハザードマップから改正が行われ、高松市においても平成31年3月に新しいハザードマップに変更されています。また、令和2年7月には宅地建物取引法が改正され、重要事項の説明項目に「洪水ハザードマップ」の説明が加えられるようになりました。

 「内水ハザードマップ」とは、下水道の雨水排水能力を超える降雨により、雨水を河川等に排水できないことから起こる浸水被害状況です。最近のゲリラ豪雨多発の状況下で、想定以上の雨が降り、最近頻繁に被害が発生しています。

近隣状況の確認

 近隣の建物の状況から、過去の水害の有無がわかるケースがあります。

 マンションの周囲の古くからある住宅の敷地と道路の状況を見てみましょう。道路よりも高い位置に敷地があり階段のある住宅や、建物の基礎が高くなっている場合は、過去に浸水被害にあったおそれが高いです。

 また実際にこれらのハザードマップで、各災害でどれぐらいの水位になるのかを、市役所等の危機管理課等にヒアリングすることをお勧めします。

対策の検討

 浸水被害が程度がわかれば、具体的な対策を検討します。一番簡易な方法は、エントランス等の出入り口に防潮板や止水板を設置することです。建物に組み込まず、後置きで設置できる止水板も市販されています。また、防災用品として水でふくらむ土嚢等もあります。どのような状況になれば、誰が止水板を設置するかも、詳細に決めておく必要があります。


 その他、地下ピット駐車場はパレットごと上げることや、駐車場の車の移動先等も、事前に決めておく必要があります。

 また、想定水位が高くて対策が出来ない場合には、1階住戸の方は、上階や避難所への避難が必要になります。


 ハザードマップを元に、「洪水」「内水」「高潮」「津波」に分けて、それぞれ想定される水位を、マンションの塀等に明示しておくことも、マンション住民の防災意識を高める意味で有効だと思います。

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