【フラット50】とは、長期優良住宅を対象とした最長50年の全期間固定金利の住宅ローンです。いままでの住宅ローンは最長35年でしたが、「長期優良住宅」に限り、このフラット50が利用できます。最近の新築住宅の価格高騰もあり、フラット50の問い合わせも増えているようです。
フラット35との違いは、フラット35が申込時の年齢が70歳未満に対して、フラット50は申込時の年齢が44歳未満になります。借入期間は50年か、または80歳までの短い期間になります。従って30歳までに家を買えば50年の返済が可能ですが、31歳以上であれば80歳までの期間が返済期間になります。ただし親子リレー返済であれば子の年齢にあわせて返済期間を設定できるため、申込者が44歳以上でも借りられます。
フラット35同様、全期間固定金利となるので、これから金利上昇が見込まれる中では、利用を検討すべき商品のように思います。
借入金額は8000万円以下ですが、【フラット35】は一定の諸費用を含めた建設・購入費と同額まで借りられるのに対し、【フラット50】は建設費や購入費の9割が上限となっています。
2022年6月の金利は、住宅価格に対する借入額が9割以下の場合で、【フラット35】は1.49%、【フラット50】は2.010%と【フラット50】の方が高くなっています。返済期間が長くなる分、月々の返済額は少なくなりますが、金利がかさむために、返済総額は高くなります。
また、【フラット50】は【フラット35】、【フラット20】と併用できます。たとえば住宅の取得価格が3,000万円の場合【フラット50】で2,000万円(9割以内)、【フラット35】で1,000万円の借入ができます。一定の諸費用を含めた長期優良住宅の建設費用3,000万円を全額借り入れ、返済額は、69歳までは毎月88,164円、70歳から79歳までは毎月56,307円です。【フラット35】だけで借りると、69歳完済になりますが、毎月の返済額は95,573円と7,409円多くなります。教育費などのお金がかかる時期に返済額を減らしたいという希望があれば、【フラット50】も選択肢となるでしょう。
万が一返済計画やライフプランの変更で、自宅を売却しなくてはならなくなったとき、【フラット50】は買主に住宅ローンを引き継いで売却ができます。住宅ローンを完済しなくても売却できるのは、【フラット50】の大きな特徴です。
一般にはあまりなじみのない【フラット50】ですが、長期優良住宅を取得するのであれば、金利上昇のリスクなく長く返済期間を取れるので、安心して少しずつ返せるメリットがあります。返済期間が長く取れる若い人や、親子リレー返済で親子協力して優良な家を取得したい人は検討してもよいかもしれません。人生100年時代と言われる今、返済期間を延ばすことで手元にお金を残し、そのお金で自己投資をして、長く働けるスキームを身につけるのも【フラット50】の利用法かもしれません。
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