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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

ベテラン三銃士から学ぶ。施工管理は「十人十色で個性的」

更新日:2022年12月21日



 2022年7月19日の「施工の神様」の表題のブログを紹介します。


“施工管理の仕事の面白さ”とは?

 施工管理の方々に、「仕事の面白さはどういうところか」と問えば、きっとそれぞれ個性的な答えが返ってくるだろう。熟練の人には熟練の人なりの奥深い答えだったり、駆け出しの人でもそれなりに情熱に溢れた答えだったり。

 今回は、施工管理の先輩3人を例に挙げ、施工管理にも色々なタイプがいるということを紹介したい。施工管理を始めたばかりの方や、施工管理という仕事に少しでも興味を持ってくれている方にとって、この記事が何かしらの参考になれれば嬉しい。


工程管理大好きベテランJさん

 1人目のベテラン施工管理Jさんは、工程を組むことに長けている。「プロジェクト開始と同時に、もうすでに頭の中ではプロジェクトが完了している」とカッコよすぎる名言まで持っている(笑)。

 Jさんのスゴさは、プロジェクト受注の段階で、竣工から時間を遡り、一気に暫定の工程を組み上げることができるところだ。長い工期だと当然、天候に恵まれなかったり、業者の諸事情により工程がずれたりと様々な障害がある。だが、Jさんは季節感までも頭に入れていて、1業種のかかる時間を把握しているので、時間軸のブレがほとんどない。

 最後バタバタやれば誰でも工期は間に合ってしまうものだが、バタバタする時期をも予測し、1ヶ月前くらいからPDCA(計画・実行・評価・改善)のサイクルをうまく回し、最後はプロジェクト開始時に決めた工期に自然と帳尻を合わせてしまう。職人を待たせたり急かしたり、工程を他業種とラップさせたりすることもなく、予定した竣工に誤差なく合わせてくる。まさにプロだ。

 なぜそれができるかというと答えは簡単。名言の通り、プロジェクト開始と同時に工程が終わりまで見えているからだ。Jさんは、業者手配をする時期までカッチリ決め、遅くとも2ヶ月前くらいには業者に発注する。そのため、依頼日まで余裕があり、ほぼ確実に業者を確保できる。あとは、そこに合わせてPDCAを回していけば、ズレがなくなるという仕組みだ。

 「自分で決めた工程が最後まで正しい」と責任感をもって、確実に業務に取り組んでるJさんは、施工管理がやらなくてはならない工程管理の業務において、突出した才能を自ら見出して、楽しみながら施工管理の仕事と向き合っている。


図面チェックのミスターパーフェクトMさん

 2人目は、図面チェックに長けているMさん。「図面の正しさを追求することが施工管理の美学」と考えるMさんは、基礎図チェック、躯体図チェック、意匠平面図等の整合性チェックは設計よりも細かく、検査員よりも確実な目を持つミスターパーフェクト。

 図面チェックは、基礎、構造、平面、配置など、いくつかの別々のレイヤーを重ね合わせて、それらがちゃんと辻褄が合うかどうかの整合性をチェックする作業だが、Mさんのチェックは怖いくらいに厳正だ。設計から上がってきた図面でも、初めから疑ってかかる。時間をかけて細かく、くまなくチェックするのだが、その姿勢は「間違いを見逃してたまるか!」と、ある意味、設計に対しての闘争心すら感じる(笑)。

 そして、無事にチェックの済んだ図面には、図面上ではわかりづらい納まりや、うっかり見逃してしまいそうな職人さんが欲しそうな情報を、丁寧にわかりやすくコメントを追記して、最終的にそれが製本され、職人の手に渡っていく。

 チェックに抜かりなく丁寧な図面は、職人からの評価も高い。「Mさんからいただいた図面はいつも安心感がある」と、厳正なチェックが信頼につながっている。

 「図面は命」とよく言われるが、職人さんは図面を疑うことなく信用して施工しているので、図面チェックで手を抜いて、あとで”違っていた”と気づいた時にはもう手遅れだ。職人さんや社内での信頼を失うと共に、実行予算割れなどの損失リスクも避けられない。

 ミスターパーフェクトMさんのように、損失リスクを考え、しっかりとリスクヘッジすることで、施工管理としての力を最大限に発揮できるタイプもいる。


コミュニケーションの達人Tさん

 3人目は、現場に来るとずっと喋り倒しているTさん。仕事の話が20%、残り80%は世間話なので、職人さんにとってはたまに面倒なこともあるらしい(笑)。それでも気さくに声をかけながら現場を回る。当然、一服や昼ご飯なども一緒にするし、何やらいつも楽しそうな雰囲気だ。

 「施工管理はどんな人が向いているのか?」という質問に対して、「コミュニケーションが取れる人」という回答をよく聞くが、これを体現したような人がTさんだ。

 これは施工管理なのか?と思うこともあるが、確かに施工管理の実務とは少し違う。お喋りの目的は、「情報収集」だったり「信頼関係づくり」だったりするわけで、実はこのお喋りがピンチな時に役に立つものだ。

 そもそも、職人の世界と施工管理の世界とでは流れる時間も違うし、現場で見ている視点も違う。同じ現場にいながら全然違う。例えば、最近で言えば、物価が高騰している状況だが、職人さんは材料費や資材、副資材費の高騰に嘆く。それでも職人は材料を買わなければ仕事ができない。施工管理はそういう状況でも、本来なら1円でも発注金額を抑えたい。似ているようで対極にある二者。そこで必要になるのは、お互いに歩み寄っての交渉だ。それを円滑に進めるためには、日頃から「信頼関係づくり」のためのコミュニケーションが欠かせない。

 また、物価高騰と言っても、「正しい情報収集」は一般ニュース、ネットニュースだけではない。結局、真実を掴むには不十分なので、ニュースを見た時は「へぇ。。。そうなんだぁ。。。」とアクビをしながら聞いているくらいで充分だろう(笑)。

 私たちが一番知りたい真実は、自分たちの取引先に打撃が及んでいるか?ではないだろうか。取引業者にヒヤリングして、今どんな状態に陥っているのか?本当に影響を受けているのか?影響を受けているなら回復に向かっているのか?まだまだ天井が見えないのか?などリアルな声を生で聞いていくと、良くも悪くも世間のニュースと違っているところが見えてくる。

 現場から情報収集するのが最も早く、しかも有益な情報であることは言うまでもない。Tさんは施工管理でありながら、”情報屋”として80%世間話、20%仕事話で大事な情報を収集し、会社の行く末を左右する情報提供と対策を常に社内に提示している。

 施工管理がコミュニケーションを取るべき理由は他にも様々あるが、こういった視点も非常に重要だ。


自分の得意を伸ばし、個性ある施工管理者に

 代表例として先輩3人を挙げたが、他にも、「労災事故ほどもったいないものはない」とKY運動に力を入れている施工管理者や、IT化で現場の効率化を図っている施工管理者など、施工管理の人たちは十人十色で、実に個性的だ。

 もちろん得意不得意もある。ただ、やはりプロなわけで、施工管理の四大管理を疎かにしてはならない。不得意は克服して、基本的なことはしっかり身に付けたうえで、自分の強みを伸ばして特化していくことは施工管理として非常に大事だ。

 全てパーフェクトを目指す必要はない。「あの人はここが少し弱いけど、あれはピカイチだよね!」と言われれば良いのだ。自分の得意なことがわからないという人もいるかもしれないが、施工管理は業務が幅広いので、きっと自分の強みを発揮して突出できる業務が見つかる。

 自分が施工管理としてどんな風になっていきたいか、という目標を膨らまして日々の業務に勤めることで、施工管理の楽しさも変わってくるのだと私は信じている。」


 この記事にもあるように、現場監督のタイプは様々です。工事原価に厳しい人や、仮設計画ですべてが決まると、仮設工事に力を入れる人等。本来はすべてに精通した人がバランス良く工事管理をやればいいのですが、そういう人はいないと思います。工事現場は、多くの職人を束ねて行う仕事なので、理屈抜きに、「この人の言うことは間違いない。この人の言う通りに仕事をしよう。」と思うような器の大きな、人間力が高い人が最高の現場監督だと思います。


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