2024年3月9日の朝日新聞デジタルの表題の記事を紹介します。
「分譲マンションに住んでいた人が亡くなり、管理組合には相続する人がいるかどうかもわからず、放置されたまま、管理費なども滞納が続く――。建物が老朽化し、住民も高齢化する「二つの老い」が進むマンションで、そんな事例が顕在化している。国土交通省は、対策として、マンション管理規約のガイドラインの改正案に、住民に緊急連絡先の届け出を求めることなどを盛り込んだ。来年度の改正をめざす。
各マンションがつくる管理規約のガイドラインとして、国交省は「標準管理規約」を示している。これまで、理事長が区分所有者の名簿をつくるように定めていたが、緊急連絡先の把握については明記していなかった。
国交省のマンション総合調査(2018年度)によると、所有者の所在がわからなかったり、連絡がとれなかったりする部屋が「ある」と答えた管理組合は3・9%。1979年以前に完成したマンションに限ると13・7%にのぼり、そうした部屋が2割を超えるところも5・3%あった。
所有者がわからないままでは、管理費や修繕積立金の滞納が続き、一定数の住民の合意が必要な総会での決議も難しくなる。室内の設備の点検や修繕ができなければ、建物全体の管理にも影響しかねない。
2022年末時点で、築40年以上の高経年マンションは約126万戸。32年末には2・1倍の約261万戸となる見通しで、管理不全の空き部屋がさらに増える恐れがある。
標準管理規約の改正案では、区分所有権を得たときに管理組合に届け出る書類のひな型に、緊急時の連絡先や電話番号を記載する欄を新設。その内容に変更がある場合も届け出義務があるとした。相続で新たに部屋を所有する人にも届け出るよう明記。理事長には、届け出があった場合は名簿を更新し、名簿の内容を年1回以上確認することも求める。
これまで、所有者の所在がわからなくなって弁護士などに捜索を頼むと、費用は管理組合の負担となるケースもあった。改正案では原因となった所有者に請求できると明示した。
すでに緊急連絡先の届け出を求めている管理組合もあるが、国交省は標準管理規約に盛り込むことで、対応を促したい考えだ。標準管理規約に法的拘束力はないものの、国交省の調査では、約9割の管理組合が何らかの形で準拠している。
国交省の担当者は「単身の高齢者が増えているなか、緊急連絡先の把握は、亡くなった場合の相続や、所有者が認知症になった場合などに対応するためにも重要だ」と話す。」
居住者リスト・組合員リストの定期的な更新に加えて、緊急時の連絡先の把握は、管理組合として重要な業務です。国が定めた「マンション管理計画認定制度」でも、認定の条件として居住者リスト・組合員リストの毎年更新が義務付けられています。
最近は各人が携帯電話を持つようになってきました。各個人の名前の横に、個人携帯電話の番号やメールアドレスの記入欄も作成したほうが良いと思います。
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