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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

マンションのハト問題 



 マンションでバルコニーや全面にネットが架けられたマンションを見ることがあります。その多くはハト対策として設けられたものです。

 会社員時代にも、「バルコニーがハトの糞で汚れる」とか、隣のバルコニーからハトの鳴き声が聞こえる等のクレームがありました。

 ハトは群れで移動するため、調べてみると、子供がバルコニーに来るハトに餌をやっていたり、隣が空き部屋で、バルコニーに巣を作り卵を産んでいた等のケースもありました。


 ハトが住み着くには下記のような順番があるようです。

①バルコニーが休憩所になっている

 鳩が短時間休めるバルコニーを見つけ、一時的に止まっている段階です。鳩は昼行性のため、昼間に飛来することが多いといわれています。この段階では、鳴き声による騒音被害やフンによるフン害も比較的軽く済むでしょう。

②バルコニーが鳩の待機所になっている

 バルコニーに休みに来ていた鳩が安全な場所と認識しはじめます。そうなると、エサを待っている間や仲間を待つ場所として頻繁に現れるようになるのです。①でみられていた被害が増え始め、フンの増加に伴い洗濯物を汚される被害も出はじめます。

③バルコニーに鳩が定住する

 頻繁に現れていた鳩が定住を始めます。鳩はバルコニーのなかでも、囲まれた場所を好むため、室外機の裏や物置の裏などに現れ始めるでしょう。また、昼間にしか見かけなかった鳩が、夕方から夜間にかけてもバルコニーで見かけるようになります。長時間鳩が滞在するので、騒音被害やフン害がさらに悪化するでしょう。

④バルコニーで巣作りを始める

 バルコニーに定住した鳩が巣を作り、繁殖を始めます。鳩には帰巣本能と縄張り意識があり、一度安全な場所だと認識すると簡単に出ていくことはありません。そのため、一度追い払っただけでは戻ってきてしまいます。

 巣が作られてしまうと、鳩の数があっという間に増えていきます。ずっとバルコニーに住み着き、騒音被害やフン害だけでなく、健康被害も現れるおそれもあります。


 鳩がバルコニーに来るのは、バルコニーが鳩にとって安全な場所という認識をしてしまっていることが原因です。鳩は天敵を警戒するため、壁などに囲まれた場所を好みます。また、雨にかからない場所に巣を作るので、水に流されてしまうような場所には巣作りしません。そのため、周りを壁に囲まれて、雨がかからないバルコニーは鳩にとって安全な場所となってしまうのです。

 また、家の周りに公園や神社がある場合も鳩がバルコニーに来る原因です。公園や神社では鳩にエサやりする人がいる可能性があります。公園などの家の近くに餌場があると、バルコニーは鳩にとって「安全で、過ごしやすく、エサもとりやすい好物件」になり、鳩がバルコニーに来やすくなるのです。安全だとわかると鳩は何度も来るので、一刻も早いバルコニーの鳩対策が大切となってきます。


 ネットで調べてみると、ハト対策として剣山状の突起物を手摺に取り付けたり、CDやカラスの模型を吊り下げる等もあるようですが、それほど効果はなさそうです。一番確実なのは、物理的にバルコニーに入ってこれないように防鳥ネットをバルコニー全面に設置することですが、美観が悪くなります。

 私の住んでいるマンションでは、駆除業者に依頼して、屋上にハト小屋を設置し、そこに入ったハトを定期的に、遠くの山の中まで持っていき放すという対策を取っています。

 鳥獣保護法では「鳥獣および鳥類の卵は、捕獲等または採取等をしてはならない」と規定されているため、ハトと取って殺すことは出来ないため、上記のような対策を取っていますが、実際駆除業者がどうしているのかは判りません。伝書バトという言葉もある通り、遠く離れた山の中に放しても、マンションに戻ってきてしまうのでは?と思ってしまいます。

 被害が大きくならないうちに、ハトの糞の清掃して、ハトが住みつかない環境をつくるのが一番だと思います。


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