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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

マンションの修繕工事、「管理会社の言いなり」はこんなに危険!

更新日:2023年10月20日



 2022年8月29日のダイヤモンドオンラインの表題の記事を紹介します。


マンションの管理組合には、管理会社から修繕工事に関するさまざまな見積もりが提出されるが、「マンションの工事はすべて管理会社に頼むべきだ」と考えている理事も少なくない。そこで今回は、「何でも管理会社の言うとおりにしなければならない」という思い込みをなくし、管理組合の主導で修繕工事を行うためのポイントを解説する。(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)


管理委託と修繕工事はセットの契約?理事会はおかしな思い込みに要注意

 マンション管理組合では、マンションの維持管理のために、組合員(区分所有者)から選出された代表者で「理事会」を組織し、理事長をはじめとする理事(役員)が、日常的な維持管理に関する業務を行う。

 理事会が担当する業務は、それこそマンションの維持管理に関するすべてのことに及ぶが、たいていのマンションでは管理会社にマンションの管理業務を委託しているので、実際には管理会社とのやりとりが仕事の中心になると言っていいだろう。

 理事会は月に一度の定例理事会で、管理会社から、管理費や修繕積立金の納入状況、清掃や管理業務の実施状況、また居住者からのクレームや相談事といったマンション内で起こっている問題についての報告を受け、内容の確認や対処方法などについて話し合う。

 その定例理事会の席で、管理会社のフロント担当者から修繕工事の見積もりが提出されることも少なくない。「どこそこの看板が傷んできた」「植栽が枯れてきた」「鉄部がさびてきた」「消防設備点検で指摘事項があった」「機械式駐車場の部品交換が必要」などと不具合箇所を指摘しては、小修繕工事を提案してくるのだ。

 それを受けて、「確かに管理会社が指摘するように、マンションのためにはどれも必要な修繕だ。劣化を放置しておくのはよくないし、工事を検討してもいいだろう」という判断が理事会でなされることもあるだろう。修繕の内容によっては、不具合が小さなうちに対処しておくことで、結果として大規模修繕工事の周期の延長につながることもある。

 修繕工事の必要性をきちんと判断できる理事会なら問題ないのだが、一方で「マンションの修繕工事は、管理を委託している管理会社に依頼しなければいけない」「管理会社から工事を提案されたら、その工事は必ず実施しなければならない」と思い込んでいる理事会もある。管理委託と修繕工事はセットになっていると勘違いしている理事もいるくらいだ。

 そこまで極端ではなくても、「管理会社の見積もりを見ると、一つ一つの発注金額は予算の範囲内に収まっているから」「ほかに多少安い業者がいるとしても、管理会社に頼まないとなると、見積もりの依頼から発注、納品、工事完了確認まで、必要な事務処理をすべて理事会がやらなければならないから面倒だ」などという理由で、結局は管理会社の見積もり通りに工事を行っているという管理組合もよく目にする。


管理会社のフロント担当者にとって意識の低い理事会は「上得意さま」?

 しかし、ちょっと待ってほしい。それが一戸建ての持ち家だったなら、たとえば家を建ててくれた工務店に家の補修全般まで丸投げするだろうか? 「面倒だから」と相見積もりも取らずに、工務店が出してきた見積もり通りに工事を発注するだろうか?

 マンションの場合、どうしても自分の居室以外の部分まで、組合員全員の財産であるという意識は薄くなりがちだ。また、さほどマンション管理に興味もなく、輪番制で回ってきたからしぶしぶ理事になったという組合員も少なくない中で、「この修繕工事は必要です」というセリフとともに出してきた、大きな金額でもない修繕工事なら、見積もり通りにやってしまったほうが面倒がなくていい、と考えるのも無理はない。

 だが、そうした当事者意識の薄い理事会こそ要注意である。管理会社のフロント担当者は理事会の性格をよく見ているもので、見積もりの項目一つ一つをチェックして、工事の根拠や工事内容の説明を求めてくるような意識の高い理事会の場合には、どうしても必要な工事以外には、積極的な提案はしてこない。

 反対に、定例理事会に理事たちがいやいや出席するような、「管理会社にすべてお任せでいい」という意識の低い理事会と見れば、会社側に都合のよい見積もりを積極的に持ってくる。そして、なんの議論もなく理事会に承認され、工事の発注に至る。管理会社にしてみれば、そういう理事会は何でも言うことを聞いてくれる「上得意さま」というわけだ。

 何も管理会社と対立し、戦うべきだと言っているわけではない。管理会社も適当に修繕工事を提案してくるわけではなく、必要と思うからこそ見積もりを持ってくるわけで、そこで大切なのは、その見積もりをそのまま承認してしまわないことである。小さな修繕工事も、積もり積もればそれなりの金額になってくる。支払う工事費は、当然ながら自分たちの修繕積立金から出ていくものだ。自分たちの財産を守るために、理事会としては「面倒だ」という意識を捨てて、当事者意識を持って対応することが重要なのである。

 ならば、必要な修繕工事を適切に行うにはどうしたらいいだろうか。


修繕工事を適切に行うための仕組みを作るべきだ

 前述のように、輪番制の理事会の場合、理事のメンバー次第で、どうしても理事会の意識の差が生まれてしまう。そこで、どんなメンバーが理事になったとしても、理事会としての姿勢がぶれないようにすればいい。

 具体的には、修繕工事について一定のルールを作るという方法が考えられる。数千~数万円程度の修繕工事ならそこまで神経質になることはないが、数十万円、あるいは数百万円の費用がかかるような規模の修繕工事で、緊急性を伴わないものについては、ルールに基づいて対応するのだ。

 できれば、修繕委員会などの専門委員会の下部組織として諮問委員会を常設し、一定レベル以上の修繕工事については、諮問委員会にはかる形で、相見積もりを取ることを徹底することが望ましい。もし、そのような委員会を組織できない管理組合の場合は、相見積もりの取り方をマニュアル化しておく。とにかく、それぞれのマンションに合う形で、修繕工事の実施に関する仕組み作りをすることが大切だ。

 この仕組み作りにあたっては、管理会社にも協力してもらうといいだろう。「仕組みができれば、管理会社の見積もりを採用しない可能性が高くなるのに、そんなことを管理会社に頼めるのだろうか」と思われるかもしれないが、実は、管理会社は管理組合から頼まれたらイヤとはいえないのだ。

 マンションの資産価値を守り、快適な住環境が確保できることを目的に定められた「マンション管理適正化法」には、管理事務を次のように定義している。


(マンション管理適正化法第2条6から) 管理事務 マンションの管理に関する事務であって、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整を言う。)を含むものをいう。


 つまり、管理会社が受託する基幹業務のうち、「会計」「出納」業務に並ぶ三つ目の業務として「マンションの維持と修繕」に関するもののお世話をすることを、法律が明確に規定しているのだ。したがって、管理会社には遠慮することなく、修繕工事の相見積もりを取る際にもしっかり働いてもらえばよい。

 ただし、管理会社に「この修繕工事について、3社から見積もりを取ってください」と単純に頼むだけではまったく意味はない。そういう依頼の仕方では、管理会社にとって都合のよい業者から、高値で見積もった見積書しか出てこない可能性があるからだ。

 最も重要なのは、管理組合が独自に調べて、管理会社とは関係のない独立した業者から見積もりを取ることである。業者を探す方法は、理事や区分所有者からの紹介があればベターだが、ネットで検索してよさそうと思った業者を選ぶというレベルで十分だ。大手である必要はなく、マンションの近所で営業している小さな会社でも問題はない。

 ポイントは、見積もりを取る業者選定を管理会社任せにせず、理事や諮問委員会の委員などが自分たちで探すことだ。もし、先に管理会社が提案してきた見積もりがあれば、それを業者に見せてもいいだろう。同じ工事内容で見積もってもらえれば、比較しやすくなる。


修繕工事の主役は管理組合、管理会社を上手に利用しよう

 以下に、管理組合が直接工事を発注する場合、管理会社に依頼したい対応を列記する。


1)管理組合が指定する業者に、見積もり依頼の連絡をする。 2)現地(マンション)を訪問した業者に、図面を閲覧させたり、現場を案内したり、修繕依頼箇所の不具合状況や過去の修繕履歴などのヒアリングに応じる。 3)管理組合から指示があれば見積書を代理受領し、複数社に見積もりを依頼した場合には、見積金額や内容を比較した資料を作成し、理事会に提出する。 4)理事会が決定した業者と管理組合が契約する場合、管理組合から要請があれば、管理会社が事務代行者として契約を締結する。 5)工事日を確認して住民に掲示し、注意事項を周知する。 6)工事が終わったことを確認する。 7)残材の持ち帰り、片付け清掃の完了を確認し(完了確認)、注意事項(養生期間、操作方法、取り扱い説明など)や保証書、取扱説明書などを受領し、管理組合に報告して引き継ぐ。 8)業者からの管理組合宛て請求書を受領し、管理組合所定の手続きを経て支払いを代行する。 9)組合員や理事会から、不具合やクレームの申告があった場合には、業者に連絡して善処を要請し、改善のための窓口業務を行う。


 なお、上記の4)については、たとえば電気、水道、保険などはこのスタイルで、管理会社が代理契約しているケースがほとんどである。一方、理事長が管理会社と直接契約しても問題はない。

 また、6)については、高所の作業や汚水槽の内部といった危険箇所までは、管理会社の担当者では対応できないため、担当者が目視で簡単に確認できる範囲に限るべきである。また、この確認については、業者が履行確認書面への署名や押印を求めてきた場合、そこまで管理会社に依頼するのか、あるいは理事会の理事が直接対応するのかなど、あらかじめ取り決めておく必要がある。なお、このことは7)の完了確認にも該当する。

 こうしたことを、修繕工事を実施するにあたっての仕組みとして作っておけば、輪番制で就任したての新しい理事でも、管理会社が出してくる見積もりに左右されることはなくなり、本当に必要な修繕工事を、適切な金額で行うことができるようになるだろう。

 管理会社には、次の重要事項説明がなされるタイミングで、ぜひ上記の内容を示し、「当管理組合の管理業務の一環で、これらのことを御社に期待していいですね」と迫ってみよう。フロント担当者は顔を引きつらせながらも、「当然やります」と言わざるを得ないだろう。そして、やると約束させたことは、詳細に契約内容に盛り込むという姿勢を貫けばよい。

 マンションを維持・管理する当事者は、あくまでも管理組合である。管理会社とは良きパートナーとして上手に付き合うことは当然だが、管理会社に遠慮することなく、こうした仕組み作りを行うことが最重要課題といえる。理事の皆さまの健闘を祈りたい。」


 特に独立系の管理会社は、管理費の不足を補う目的で、管理組合の行う修繕工事をグループ会社で行ったり、協力会社に行わさせて業者から紹介料を徴収することで、会社利益にしているケースが多いです。この記事にもあるように、高額工事について3社見積もりを依頼しても、管理会社が息のかかった3社に依頼して、結局高い見積もりしか出てこないケースが一般的です。手間暇はかかりますが、この記事にあるように、理事会が直接見積もりを取得し、業者と交渉し、また場合によっては工事の立会いも実施することで、安価な価格で工事を実施することが出来ます。住民の中に建築に詳しい人がいるのであれば、手当を払ってでも、そのような人を修繕委員に任命し、上記1)~9)を行ってもらえばいかがでしょうか?そういう人がいないのであれば、管理会社が上記1)~9)を行う手間賃として5%程度の紹介料を受け取るのも、致し方ないと思います。

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