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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

マンションの大規模修繕の必要性とは? 知っておくべき予備知識も紹介

更新日:2022年6月16日



 2022年3月17日の「マンションと暮らす。」に掲載された表題の記事を紹介します。


「長く安全に、マンションで暮らすために欠かすことができない大規模修繕。建物の安全性や快適な暮らしを保つだけでなく、将来のマンションの資産価値にも大きく影響を与えるため、管理組合にとって非常に重要なイベントです。この記事では、大規模修繕が必要となる理由や、事前に知っておきたい予備知識について解説していきます。

 マンションの区分所有者であれば、いつかは関わる必要が出る大規模修繕。費用も手間も大きくかかるため、できればやりたくないという人も多いかもしれません。しかし、長く安全にマンションで暮らすためには、大規模修繕の実施が必要不可欠です。

 なぜ、大規模修繕が重要となるのか、その理由について理解を深めましょう。


【理由1】資産価値の低下を防ぐ



 マンションは直射日光や雨風に常に晒されるため、建設後時間が経過するにつれて建物の劣化が進行していきます。劣化が進むと、建物の美観が損なわれるため、資産としての価値が低下してしまいます。劣化は放置すればどんどん悪化していき、資産価値が低下していくごとに新規入居者の獲得が困難となっていくでしょう。

 そのような状況に陥らないためには、大規模修繕で劣化箇所の補修を行うのが効果的です。マンションの資産価値を維持するためには、大規模修繕を適切に行って劣化に対処していく必要があります。


【理由2】マンションの安全性を保つ

 建物に使用されている資材の劣化によって、生活するうえでの安全性が低下する点にも注意が必要です。 資材は経年による時間的要因や、日々繰り返し利用されることによる消耗で劣化が進行していきます。

 日々の暮らしでは気がつかなくても、長期間かけて進行した劣化が時に重大な事故の原因となる場合も。過去には長期間修繕が行われなかったためにバルコニーが崩落した事例や、経年劣化によって剥落した外壁タイルで通行人が重症を負ったという重大な事故が起きた事例が存在します。

マンションは多くの住民が暮らす場所です。劣化を放置すれば、危険な状況を招く場合があるので、安全面に細心の注意を払って修繕を行いましょう。


【理由3】時代のニーズに対応する

 建設から数十年が経過したマンションは、最新のトレンドと比較すると、いささか時代遅れだと言わざるを得なくなるでしょう。居住空間としてのマンションに求められる設備や性能は、時代ごとに変化していくもの。バリアフリー化や、良質なネット環境、宅配ボックスの設置など、時代ごとに求められるニーズに対応していかなければ、新規入居者の獲得で苦労するかもしれません。

 これからの日本では、高齢化社会への対応が課題となるため、バリアフリー化が進んだマンションは注目が高まっていくと予測されます。このように、時代の先を読んで適応していくマンションづくりを大規模修繕で実現できれば、築年数が長いマンションであっても新規入居者を獲得しやすくなるでしょう。


適したタイミングはマンションによって異なる

 国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでは、12年周期での大規模修繕の実施が推奨されています。これは、あくまで目安の数値であり、近年では建築資材の質の向上によって「18年収期でも問題ない」といった意見も多く聞かれるようになりました。

 積雪や雨の多い地域であったり、高温多湿な地域など、適切な修繕のタイミングは、土地ごとの気候の特性によって異なります。また、建築方式や使用されている資材も修繕のタイミングに深く関わる要素です。

 一概にはいえない以上、適切な時期を知るのは困難ですが、建物診断を実施すればある程度まで正確な状況を把握できるでしょう。


大規模修繕に必要な費用は一戸辺り約100万円! 積み立て金不足は要注意

 大規模修繕工事にかかる費用は1戸あたり100万円前後が相場とされています。マンションの規模によっては、総額で数千万~億単位になる場合も。非常に高額な費用がかかるため、修繕積立金の不足によるトラブルは多く発生しています。

適切なタイミングで必要な修繕を行うためには、実際に必要となる費用を見据えた資金計画を立てて、普段から漏れがないように回収していく必要があります。


大規模マンションなら1年以上かかる場合も! 工事期間は規模によって異なる

 大規模修繕の工事にかかる期間は、マンションの規模によって異なります。戸数が50戸未満であれば3ヵ月~4ヶ月、50戸以上100戸未満の中規模マンションなら4ヶ月~6ヶ月、それ以上の大規模なマンションは1年以上かかる場合も考えられるでしょう。

 また、建物の形状も工期に大きく影響を与える要素です。特殊な形状をしている建物は、通常よりも工事に長い期間が必要となる場合も考えられるので、事前に施工会社と確認しておきましょう。

マンションで暮らすのであれば、いつかは必ず向き合う必要が出る「劣化」という大問題。管理組合にできる劣化への最良の対抗策は、適切な大規模修繕の実施です。

 今後、大規模修繕を行う際には、この記事で紹介した大規模修繕の必要性を考慮して、資産価値の向上につながる修繕を意識して計画を立てていきましょう。」


 マンションの大規模修繕工事は、頻繁に実施される工事ではないために、一般の人にはなかなか馴染みがありません。一般的な工事の進め方としては、長期修繕計画に基づき、工事適齢期がくれば建物診断を実施し、管理会社やコンサルタントに依頼し、理事会や修繕委員会が中心となって、実施内容を決定し、数社の建設会社から見積もりを取得し、建設会社を決定し、工事を実施することになります。

 この記事にもありますが、実施時期は12~18年であり、平均で15年です。工事費は値上がり傾向にあり、最近では戸当たり120万円程度が必要です。 また、理由3にあるように、建物の付加価値を上げるバリューアップ工事を実施すると、工事後に入居者の満足度がアップする結果となります。タイル貼りのマンションは劣化が分かりにくく、大規模修繕工事を先送りしがちですが、シーリングの劣化やタイルの浮き等の問題もあります。劣化診断を実施して適切な時期に施工することをお勧めします。


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