2022年4月15日の廣田信子さんの表題のマンションブログを紹介します。
「売買価格が200万円を切ったというマンションの方からの相談です。
独身の高齢者の新入居が続いて困っている。彼らは、200万円のマンションなら家賃を払うより買った方がいい。借りるのは、高齢者だと大変だけど、買って住むのには、誰も文句をいわない。
家賃を払うよりずっと得だ。管理費、修繕積立金も安い方がいい。相続する人もいないから、自分が生きている間もってくれればいい。…そんな風に考えている。
マンションの市場価格が200万円を切ったら、どう考えても、長期修繕計画を頑張って市場価値を上げよう…なんて思わない。200万円の高経年マンションはどうしたらいいのか…と聞かれました。
それは、決して珍しいことではありません。頑張って自分たちで維持管理したマンションでも起こります。
350万円を切ると大変だと聞いたことがありますが、それをそのまま放置すると、200万円を切ることにも…。頑張っていた方々が亡くなり、人が入れ替わります。
それなりに管理がされていて、価格が安ければ購入者もいるのです。
その時に、家賃よりましだと考えて入居する人が増えると、管理組合運営は難しくなると思います。その高齢の購入者が亡くなったあとはどうするかです。お子さんがいなかれば、誰かが相続しないとたいへんなことになります。でも、そこまで考えて購入している方は少ないと思います。
そして、そのマンションを何とか維持管理したいと考えていた以前から居住の高齢区分所有者の方もこの状況で、将来に意欲がなくなります。そういう状況になると、そのマンションも終わりを考える時が来ます。でも、その話は、なかなか進みません。誰も言い出したくないので、そのまま時が進みます。
私は、先日お会いした地方のマンションの理事長を思い出しました。
その地域では、マンションの資産価値は、それなりに管理されていていても、もう上がることはない…と言います。高経年マンションで200万円はごく普通なのです。それ以下のマンションもあります。
そこで、管理組合のために頑張っている理事長が、築25年だが、いざというときに解体できるように、解体積立金を徴収することにした…と言います。今は問題なくそこにある築25年のマンションで…です。
その地域では、建替えが無理なことは誰もが分かっていて、マンションが古くなったら、土地の売却費用でも、とてもマンションの解体ができない。それを不安に思わないように、そのときのために、今から解体積立金を積み立てて、いざと言うときは、個人の負担なく更地にできる…という安心をつくっていると言います。
私は、見事な考え方だと思いました。200万円を切ったマンションでも、建替えが難しいなら、解体積立金を積み立てることも必要だと思います。
相談があったマンションは、もうかなり深刻になっている状況ですから解体積立金を積み立てるとすると、それなりに高い金額になってしますが、そこを乗り越えなければならないのです。それがなければ、安く入居できる賃貸マンションよりもお得な住まいになってしまいます。しかも、自分が亡くなったあとのことは考えません。
マンションの最後の迎え方の話も今後はしていかなければならないと思いました。人もマンションも最後は必ず来ます。人は、最後は、あとに残る人のために何かできることをしたい…と考えるはずだと思いたいです。マンションに思い出があれば、マンションの今後にも思いが至るはずです。
だんだん住む人がいなくなって、マンションが荒れ、スラム化して、それでもそれを何ともできない…そんなマンションになってほしくはないはずです。
今後、一人暮らしの高齢者が増えます。その人たちの生き方がどういうものになるかが、マンションにとっても大事なことになると思いました。その思いをつくっていくことも、高経年マンションの管理運営なのかな…と。」
高松でも郊外の古いマンションでは1戸300万円程度で売買されているマンションはあります。この記事にもあるように、賃貸マンションに住むよりも、安いのかもしれません。
高経年マンションでは、このマンションを後何年もたすのかの議論は重要だと思います。
人にも終活があるように、マンションにも終活が必要です。そして後に残った人に迷惑をかけないように葬式代やお墓の費用を前もって準備するように、マンションの解体費用を積み立てておくのも重要だと思います。
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