2022年3月6日の戸建てINFOリノベの表題の記事を紹介します。
「今回は、残念ながらマンション購入を断念してしまったケースのご紹介です。
SelFinでのマンション診断結果
今回ご相談いたたいた物件は、都内にある築20年ほどの中規模マンションでした。ご相談者の方はSelFinを利用してマンションの診断もされており、販売価格としても妥当、立地としての資産価値も問題なし、という判断だったので、ご購入について前向きに検討されている状況でした。
ただ気になるのが、「管理費が割高」「修繕積立金が割安」という判定が出ていた点です。そのためエージェント側で、管理組合からマンションの重要事項調査報告書を取り寄せ、内容をチェックしてみることにしました。
不自然な管理費の内訳と不安な長期修繕計画
取り寄せた資料をチェックしてみると、管理費の内訳として、理事長や理事に対して役員報酬が支払われており、各住戸の負担額は毎月数千円の負担となっていました。役員報酬を設定すること自体は、総会の承認決議を経れば任意で設定が可能ですが、それでも一般的な報酬額と比較すると高めの設定になっています。各住戸の負担額からしても、少し納得のいかない金額です。
一方で、長期修繕計画を確認すると、将来の大規模修繕の際には予算が不足しそうな見通しです。
このことを詳しく確認したこところ、次の総会で理事の役員報酬が下げられ、修繕積立金を上げる議案が提出されている、とのことでした。その点が無事に解消されれば、管理状態も改善され、将来的にも安心ですねというお話しでした。
総会でまさかの決議
ところが、その直後の総会で、役員報酬の減額案は否決され、修繕積立金も据え置きとなってしまったのです。これには、我々もご相談者の方も驚きです。
管理費の引き下げと修繕積立金の増額が否決されるということは、マンション居住者の皆様が、理事に対して役員報酬を負担し続けることを望んでいる一方で、将来の大規模修繕についてはあまり積極的ではない、という判断をしたということになります。一般的な管理の方針からすると、180度正反対の判断になります。
さらにやや穿った見方をしてしまうと、きちんとマンション居住者の意向が反映されていない、もしくは、一部の役員の意向が押し通されてしまっているのでは、といった総会の運営が適正に行われていない可能性を考えてしまいます。
このような経緯をご相談者様にご報告して検討した結果、将来の管理状況が不安だということで、残念ながらこの物件の購入は見送るという判断となりました。
マンションの管理状態の重要性
お住まい探しにおける賃貸と購入の大きな違いの一つは、資産性について考える必要性がある、という点です。賃貸の場合には、住みやすさと家賃のバランスを考えるだけでも良いと思いますが、購入の場合には、将来の資産性や管理・修繕についても気をつける必要があります。
管理状況の良くない物件を購入してしまうと、将来の資産価値に影響してしまい、結果的に大きな損失となってしまう可能性があります。
もちろん、購入の場合にも住みやすさや購入価格も重要な要素ですが、管理状況や長期修繕計画などもきちんとチェックして判断するようにしましょう。」
このブログの内容からは、管理組合の大切な管理費が一部の理事によって、食いものにされている実態が解ります。このようなマンションの購入を諦めたのは賢明な判断だったと思います。一部の理事の暴走を許すのは無関心な住民にも原因があります。管理費や修繕積立金は大切なお金なのですから、自分のお金だと思って、使い道を良く考えるようにしたいものです。
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