今回は新築マンションの販売価格の決定方法のお話です。
マンションの販売価格の付け方には以下の4つのルールがあります。
ルール1:階数
階数が高いほど価格は高く、低い方が価格は安くなる。1階に専用庭がある場合は、2階よりも販売価格が高くなる。
ルール2:位置
中住戸に比べて、窓の多い妻住戸は、価格が高くなる。もっとも価格が高くなるのは東南の角住戸。
ルール3:方位
南向き住戸が最も高額、次に東向き、西向き、北向きの順番に価格が安くなる。ただし、東向きであっても、富士山が見えるとか、海が見える等の眺望が良い場合は、逆に割高の価格設定になる。
ルール4:特殊事情
低層階で、目の前に建物があり眺望が悪い場合や、1階でプライバシーが悪い場合、半地下住戸等は価格が安くなる。逆にルーフバルコニーがある場合等は、他の住戸よりも高額になる。
マンションを販売する時は、事業費総額(土地代+建築費+販売経費等+利益)を全専有面積で割り、マンションの販売坪単価を決定します。
マンションが5階建てだとすると、3階の中住戸の金額がこのマンションの平均坪単価になります。パンフレットを見て、例えば3階中住戸の金額が22坪、2200万円だとすると2200÷22=100万円/㎡がこのマンションの平均坪単価になります。この価格に階数であれば、1フロアー高くなる毎に、例えば100万円高くなり、4階であれば2300万円、2階であれば2100万円という価格が設定されます。
南向き住棟と東向き住棟のL字型マンションであれば、南向き住棟は例えば平均坪単価の1.2倍に、東向き住棟は平均坪単価の0.8倍に設定された金額になります。また、同じ3階でも、妻住戸は1.2倍に坪単価になったり、エレベーターの横や、階段の前の部屋は0.8倍の坪単価になったりします。パンフレットの販売価格表を基に、坪単価を算出すれば、そのマンションでのお買い得住戸が算出できます。
どの部屋を購入するかは、購入希望者の価値観次第です。ルーフバルコニーや最上階等、そのマンションでの稀少性が高い、最も高額のお部屋を購入される方もいらっしゃいますし、最も割安の、例えば東向きの2階のお部屋を購入し、駅から近い等の立地の利便性と、中古販売時の価格ダウンを極力少なくしようと考える方もいらっしゃいます。将来、転売を考えているのであれば、値下がりのしにくい低層階・中住戸の方がお勧めです。
また、価格が高い最上階は、夏場の屋上からの熱で部屋が熱くなることも多く、また逆に、中住戸のお部屋は、四周を住戸に囲まれているため、冬場も暖かく過ごせます。マンションでトラブルの多い、上階からの騒音トラブルを防ぐ意味では、最上階の住戸がお勧めです。
マンションを購入する際には、このような視点で考えてみるのもお勧めです。
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