独立行政法人住宅金融支援機構(旧:住宅金融公庫)のホームページに表題のソフトが公開されています。この長期修繕ナビのページ上部には、管理組合の皆様は、大規模修繕工事の実施にあたり「施工業者から受け取った見積書の工事費が妥当かどうかわからない」「今後、修繕積立金をどのくらい増額すればいいのか」といった疑問や課題解決の一助として活用くださいと記載されています。
この長期修繕ナビでは、建物規模、築年数などに応じたマンションの「平均的な大規模修繕工事費用」や今後40年間の「修繕積立金の負担額」「修繕積立金会計の収支」などが試算できます。そして、この試算は、大規模修繕工事の見積額が妥当かどうかを判断する材料や修繕積立金の収支計画の確認のための材料として、長期的視点で積立金徴収計画の検討資料として活用できると記されています。
このシステムは、管理組合が簡単に無料で、将来の資金計画ができるようと考えられたものです。具体的には、自分たちのマンションの規模、築年数、工事内容に応じた「平均的な大規模修繕工事費用」や、今後40年間の「修繕積立金の負担額」、「修繕積立金会計の収支」などを試算することができます。
修繕積立金会計の収支が赤字となる場合は、修繕積立金の増額や借入金により収支を改善させた後の資金計画が併せて表示されます。住宅金融支援機構が作成したものですから、資金計画に重きを置いたシミュレーションができるようになっています。
このシミュレーションの基となっているデータは、支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」を2013~2018年に利用したマンションの大規模修繕工事費データ(約1,500件)です。修繕工事に必要な額は、形状、共用施設の充実度、建物の劣化状況などによって違ってきます。それによって必要な額も違ってきますので、このシミュレーションの試算結果については、参考資料として用いることを想定しているとされています。
サンプル数が多く、物価変動の補正もされているので、かなり、信頼できる数字が出てくるのではないと推測します。
実際に私が住んでいるマンションの情報を入力してみました。
入力する項目は
戸数、面積、外壁の仕様など
工事実施時期、予定している工事の項目など
修繕積立金徴収額、残高などです。
そのために準備する必要があるのは
マンション管理規約(別表)
長期修繕計画
修繕積立金会計に関する資料(収支予算書など)が必要です。
入力自体は5分程度で終わりました。
全て入力をした後、作成されたデータはPDFファイルで表示されます。
出力したデータのタイトルは、以下の3つです。 ① 現状シミュレーション(キャッシュフロー表) ② 現状シミュレーション(収支計画グラフ) ③ 直近の大規模修繕工事費の計算結果
想定している「30階以下、平均専有面積100平米以下、戸数100戸以下の単棟」というのは、対象マンションのボリュームが多いゾーンですから、利用できるマンションはかなり多いと思います。
わざわざ費用をかけて、長期修繕計画の作成を管理会社や設計事務所に依頼しなくても、まずは、このソフトを活用して、将来の収支見通しを判定すればいかがでしょうか?40年と言う長期を見通せるのも、これまでになかった試みだと思います。
無料で利用できるので、是非試してみてください。
マンションライフサイクルシミュレーション~長期修繕ナビ~ https://www.jhf.go.jp/simulation_loan/m-simulation/index.html
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