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マンション屋内駐車場で酸欠事故

執筆者の写真: 快適マンションパートナーズ 石田快適マンションパートナーズ 石田


「2021年4月15日の夕方、東京・新宿区のマンションの地下1階駐車場で、消火設備が誤作動し、男性作業員6人が閉じ込められた。1人は自力で脱出したものの、5人が取り残され4人が死亡。1人は意識不明の重体だという。この日は、午前中から天井の石膏ボードの張替え作業が行われており、その最中に1人が誤って消火設備を作動させてしまい、シャッターが閉じられ二酸化炭素が噴出したためとみられている。」


 マンションの駐車場で痛ましい死亡事故が発生しました。車の火災は油が燃えることによる火災のため、水では消火できず、一般的に立体駐車場など人がいない所には「不活性ガス(二酸化炭素・窒素)設備」または「ハロゲン化消火設備」が設置されます。現在はオゾン層破壊の問題もあり「ハロゲン化消火設備」は基本的に認められていません。

 二酸化炭素または窒素を放出して、空気中の酸素濃度を下げ、消火する方式の「不活性ガス設備」のみが認められています。この消火装置は作動すると「火災が発生しました。消火剤を噴出します。」等の音声が流れ、停止スイッチを押さないと、20秒後にドアが閉鎖され、ガスが噴出されるようになっています。


 東京都内では、同様の消火装置誤作動の事故は過去5年間に7件発生し、うち2件で死亡事故が発生しています。実際の火災事故発生による死亡事故よりも、誤作動による死亡事故の方が大きいのではないか?と個人的には思います。作業員の作業ミスという面もありますが、国の怠慢という面もあるのではないでしょうか。


 マンションの高層階室内のスプリンクラー設置や、今回の駐車場の消火装置設置の義務付け等、日本の消防行政は世界的にみても厳しい項目が多いです。いざという時に必要なのはわかりますが、一生に1回も使わないような設備に大金をかけて、それが入居者の購入金額に上乗せされることを考えると、過去の火災例等を詳細に分析して、費用対効果にみあった消防法に改めて欲しいと強く思います。


 
 
 

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