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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

マンション敷地の死亡事故で賠償金1億…責任は誰にある?



 2023年7月13日の楽待不動産投資新聞の表題の記事を紹介します。


「2020年2月、神奈川県逗子市にあるマンション敷地内の斜面が崩落し、下敷きとなった女子高校生(当時18歳)が死亡した事故の裁判で、今年6月末、マンション住民側が1億円を遺族に支払うことで和解が成立した。

 この事故では、女子高校生の遺族が、マンションの区分所有者である住民や管理組合、マンションの管理会社を相手取り、賠償を求めて提訴していた。住民・管理組合とは和解に至ったが、管理会社に対しては、事故を起こした責任があるとして訴訟を継続するという。

 こうした事故が発生した場合、オーナーはどのような責任を問われるのか。本記事では、逗子マンションの斜面崩落事故から、オーナーが注意すべき点を確認する


オーナーの法的責任は?

 今回の事故に関して、当時このマンションを担当していた管理会社の30歳代の男性社員が、業務上過失致死の疑いで横浜地検に書類送検された。男性社員は事故の前日、斜面の亀裂を知るなど崩落の危険性を把握しながら、事故防止対策を怠った疑いが持たれている。

 被害者の遺族はマンションの管理会社に加えて、マンションの区分所有者である住民や管理組合に1億円あまりの賠償を求める訴えを起こしていた。

 今回のような事故で、マンションのオーナーはどのような責任を問われるのだろうか。不動産問題に詳しい関口郷思弁護士に話を聞いた。



―今回の件では、責任の所在はどこになるのでしょうか

 前提として、民法717条に「土地工作物責任」が定められています。これによると、土地の占有者または所有者は、土地や土地の工作物(建物や塀、擁壁など)が危険な状態にあり、それによって誰かに損害を与えてしまった場合は、損害賠償責任を負うことになっています。



 占有者は過失があった場合にのみ責任を負うとされているのですが、所有者の場合はたとえ過失がなかったとしても損害賠償責任を免れることはできません。

 今回の斜面崩落は、斜面が風化して危険な状態にあったことが原因とのことですので、このような事故が起きた場合に土地の所有者が責任を負うという結論になること自体は、法律の解釈から言っても当然だと言えるでしょう。


―今回の場合、占有者と所有者とは誰になるのでしょうか

 今回の件で言えば、「占有者=所有者=住民」です。住民とは別に訴えられている管理会社の方は、土地工作物責任ではなく、通常の不法行為責任としての損害賠償責任(民法709条)を追及されているようです。

 通常の不法行為責任の考え方では、管理などに過失があって第三者に損害を与えてしまった場合には、今回の管理会社のように損害賠償責任を負います。一方、土地工作物責任に関しては、所有者は過失がなくても責任を負うことになります。


―マンションの所有者は、土地工作物に関して民法上非常に重い責任を負っているのですね

 そうですね。今回は遺族からの請求額の9割近い金額でマンション住民と和解が成立したとのことでしたが、おそらく住民の方々も賠償責任を負うことは避けられないという判断に至ったのではないかと思います。

 今回は分譲マンションで所有者が複数人いたため、賠償金も住民であわせて1億円払うことになります。仮に1人のオーナーが経営する賃貸マンションで同じような事故が起きた場合は、オーナー1人が損害賠償責任を負うことになります。

 マンションはもちろん、土地や建物などの所有者は、民法上非常に重い責任があるという認識を常に持っておくべきですね。


―それを踏まえて、オーナーはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか

 やはり日常の管理が非常に重要になります。プロである管理会社に管理を任せているという場合、オーナーにできることは少ないかもしれませんが、実際に事故が起きた場合に全責任を負うのはオーナーです。管理会社に対する監督を徹底する、事故に備えて賠償責任保険に加入するなどの対策が必要だと思います。

 投資家に限らずこれから区分マンションを買うという方は、マンションやその敷地に関する管理責任を問われる立場になると認識することが大事です。どんな会社がどんな風に管理しているのか、マンション全体として賠償責任保険に入っているかなど、今の管理状況を必ずチェックしておきましょう。


 マンションなどの物件オーナーが負う土地工作物責任は、非常に重いものとなっている。擁壁がある物件を購入する場合、リスクを考えて賠償責任保険に加入するなど、事前の対策が必要になるだろう。管理会社に任せきりにせず、法的な責任を負っている自覚を持って管理に臨んでもらいたい。」


 この記事にもある通り、マンションが原因で第三者が事故にあった場合には、管理組合が土地工作物責任を問われます。管理組合とは、マンションの区分所有者全員のことです。台風や地震で、外壁タイルが剥落したり、老朽化した塀が倒壊して、通行人がケガを負った場合も同様です。このような事故を防ぐ意味でも、定期的な点検や、修繕の実施は、管理組合としても重要な役割になります。


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