2020年10月16日付けの朝日新聞朝刊に以下のような記事が載っていました。
「コロナ禍で自宅にいる時間が長くなる中、分譲マンションに住む人から管理会社の変更の相談が増えているそうです。ただ、変更にはリスクも伴うと専門家は助言します。
「管理会社を変えたいという問い合わせが4月以降、増えています」。不動産コンサルティング会社「さくら事務所」(東京)の土屋輝之さんはそう話す。「在宅勤務が増えて、今まで気にならなかったことが気になる人が増えたのではないか」と分析する。
管理会社を変える理由として多いのが「コストダウン」。管理組合は区分所有者から管理費を毎月徴収し、そこから委託費を管理会社に払う。委託費を下げれば、浮いた分を大規模修繕に使う修繕積立金に回すこともできる。
管理会社の変更自体は、管理組合の総会で過半数の賛成を得られれば可能だ。ただ、変更を考える際のポイントは「サービスレベルを維持、あるいは向上させながら、コストを抑えることができるかどうかです」と土屋さん。その前提に立ち、「管理会社の変更を安易に検討するのはリスクが高い」と警鐘を鳴らす。
まず、管理会社の変更を強く勧めてくるコンサル会社には注意が必要な会社もある。報酬を削減できた年間管理費の「50~100%」とする「成功報酬型」の場合、コンサル会社は管理費を可能な限り下げようとする。結果として管理会社のサービスが悪化するということになりかねない。
また、マンションの老朽化や居住者の高齢化の影響も見過ごせない、と土屋さんは指摘する。老朽化が進めば維持管理の費用や手間がかかるが、高齢化した居住者にとって更なる支出増は厳しく、管理費や修繕積立金の増額は容易ではない。新たな管理会社が見つからないだけではなく、今委託している管理会社から契約解除を申し入れられるケースもあるという。
マンション管理員の人手不足も、新たな交渉先を見つけづらくする要因だ。マンション管理員は定年後の職業として選ばれるのが一般的。ただ、定年延長や再雇用が進み、管理会社が管理員を確保するのは簡単ではない。
こうしたことから、「まずは今契約している管理会社で改善できる道を考えた方がいい」とアドバイスする。」
まとめ
管理会社の人と話をしていても、以前と比べて強気の発言をする人は増えています。今までは、管理組合の多少の無理は聞いていたが、利益率が低い物件や住人の中にクレーマーがいる物件は、管理会社から契約解除するケースも増えているそうです。また記事にもありましたが、管理費を削ると、サービスが落ちることも当然考えられます。管理員さんの勤務時間が短くなったり、定期清掃の頻度が少なくなったり、管理組合がどこで折あいをつけるかの問題もあります。管理員の成り手不足から、管理物件を増やしたくても、管理物件を増やせない管理会社もあります。
今までは強気で管理会社と交渉できていた管理組合ですが、今後は、逆に管理会社から管理を断られるマンションもあることを理解して、管理会社と付き合う必要があるようです。リプレースありきではなく、今の管理会社と折り合いをつけてうまく付き合うのが、これからは大切なのかもしれません。
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