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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

マンション管理員が足りない

更新日:2020年12月10日



 前回、前々回に続き、管理員さんのお話です。すこし古いですが、2019年8月1日付けの朝日新聞に管理員不足の記事があったので、紹介させていただきます。

「 比較的高齢の人が多いマンションの管理人が、最近いっそう高齢化しているといわれています。人手も足りないようです。マンション管理のキーパーソンに、何が起こっているのでしょうか。

 清掃、警備、そしてマンション管理人(法律に準拠した呼び方は「管理員」)。定年後の仕事の定番、と長らく言われてきた。「それが徐々に変わってきた」。管理会社「東急コミュニティー」(本社・東京)の担当者は話す。これまでは60歳代前半で採用し、約10年働いてもらうのが一般的だったが、60歳代前半の採用が難しくなってきたという。

 担当者によると、シニアの求人に意欲的ではなかった飲食店や小売店などもシニア世代の採用を増やし始め、競合するようになったのが一因だという。

 そこで、同社は社内の規定を変更。社員として働ける年齢を72歳まで引き上げた。また新規に採用する年齢の上限を65歳から68歳に段階的に引き上げた。担当者は「限度年齢を引き上げないと人材を確保できなくなってきている」と話す。

 背景にあるのは、2013年に施行された改正高年齢者雇用安定法だ。希望者全員を65歳まで雇うことが企業の義務に。企業は60歳以降も雇用を続けるようになった。

 加えて、新築マンションの増加が不足に拍車をかける。ここ数年は毎年8万戸前後が新たに供給されている。不動産コンサルティング会社「さくら事務所」の土屋輝之さんは「マンションの数は増えているが、管理員の担い手確保は厳しくなっている。管理会社各社は採用年齢を引き上げるなどして確保せざるを得なくなっている」と分析する。


 別の管理会社の幹部は高齢者を雇うメリットとして、様々なトラブル対応などに人生経験が生きることと、給料の水準を挙げる。この仕事の給料は月18万円前後が一般的。若い世代を雇うには給料を上げる必要が出てくるが、給料アップは各居住者が出す管理費のアップにもつながる。「そう簡単に理解を得られるものではない」

マンション管理業協会が管理会社を対象に実施した調査(17年)によると、回答した会社の8割が「(直近)3年以内で採用が難しくなってきた」とした。その理由として「給与や時給単価が低い」「売り手市場」「定年の引き上げ」が、いずれも6割を超えた。また、「採用が難しくなってきた」と答えた会社の5割が「定年、契約期間を延長している」という。

 全国マンション管理組合連合会の川上湛永会長は「管理員は管理会社と管理組合の契約に基づく、受付や点検、清掃といった業務のほか、住民の苦情対応、認知症の住民への対応など、さらなる業務も求められる大変な仕事。住民だけではできないことをやってくれている」と指摘。「管理員に対して横柄な態度をとる住民も少なからずいる。住民側がともに管理していく姿勢を持たなければ、ますますなり手がいなくなるのではないか」と話す。

第二の人生「体力いるが充実感」

 佐藤達成(たつや)さん(70)は60歳で定年を迎えるまで、別の企業で営業やマーケティングを担当していた。第二の人生も「多くの人と接することができる仕事を」と思い、東急コミュニティーに再就職した。

 今は週4日、午前9時半から午後5時まで、約130世帯が住む都内のマンションで管理員として勤務する。

 午前8時前、佐藤さんは都内の自宅から1時間ほどかけて、勤務先へ向かう。午前9時ごろに到着すると、「おはようございます」「いってらっしゃい」と外出する人たちを見送る。

 その後はマンションの点検作業。11階建ての全フロアの共用部分を目視で確認。傷んでいる箇所があれば、管理会社や管理組合に報告する。

 午後は主にフロント業務。住民からの駐車場の申し込みや住民への客の対応を行いつつ、帰宅する子どもたちを迎える。夕方近くになると共用部分に異常がないかを再度確かめて、一日が終わる。

 災害時の対応も重要な仕事だ。大きな地震が起きると、エレベーターは自動的に止まる。その際は階段で11階まで上がり、各階のドアに「使えません」と書かれた注意書きを貼る。「体力がないと点検すらできない」と佐藤さんは話す。この仕事に就いたのをきっかけに、ランニングも始めたという。

 「多くの人が相手なので、一人ひとりの要望をつかむ難しさはある」と佐藤さん。一方で、「やりたいことをやれて充実感はある。体力が続く限り、続けたい」。」


 以前のブログでも書きましたが、管理員不足から、収益性の良くないマンションや、モンスタークレーマーのいるマンションでは、管理会社から契約辞退されるケースもあるようです。管理組合も意識を変える必要があるように思います。

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