
2024年6月8日の廣田信子さんの表題のブログを紹介します。
「マンション管理士が管理者になることが利益相反の心配がなくていいと言われますが、それも実際はたいへんです。
あるマンション管理士が顧問先の管理組合からの強い要望で、管理者(理事長)になりました。理事会は一応維持したままです。ところが、ある区分所有者Aさんが、「管理者になったマンション管理士が管理会社の言いなりだ」と強いクレームを様々なところで言っています。
それに手を焼いて、マンション管理士は管理者を辞任するので、次の総会で、Aさんに理事に立候補してもらってくれと理事会にいいますが、理事会はそれを嫌がり、Aさんは、理事に立候補しませんでした。
マンション管理士が管理者を辞任するというと、理事会は、「それは困る、理事長になる人がいない」と言います。理事長はAさんの対応をしなければならないので、皆が絶対に嫌なのです。
長い付き合いの管理組合なので、要望を聞かざるを得ず、マンション管理士は管理者を続けていますが、Aさんの存在が、管理組合の負担になっていると言います。
外から激しい文句ばかり言っているAさんのような方がいるマンションはけっこうあります。総会は荒れ、理事はほんとうにいやになります。それが、マンション管理士に管理者を任せたいと考える大きな理由になるのです。
管理会社は悪だ、儲けることばかり考えているという固定概念があると、今の時代、管理組合運営がうまくいきません。管理者は、アンケート調査等で管理組合の方針を踏まえて、管理会社と対応していくことになり、非常にたいへんな仕事です。また、管理会社が管理者になるケースで、マンション管理士等外部者を監事とすることが望ましいと言われています。
最近、管理会社が管理者の管理組合の監事をしているマンション管理士も多くなっています。
先日、話したマンション管理士は10件の投資型マンションで監事をしていると言います。監事は、会計帳簿に問題がないか、総会決議や規約を守っているかを見ますが、管理会社が支出した工事費用が妥当かどうかは見ません。
ちょっと高いなと内心思ってもそれをいうことは役割ではありませんから。
管理会社による管理者管理は、そういった面も含めて容認していくものなのです。」
国土交通省から令和6年6月7日に「マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン」が出されました。今後マンション管理士を管理者(理事長)や顧問にするマンションも増えてくると思います。組合員の中のモンスタークレーマーの相手をしたくない管理組合もあるようです。今後事例が増えてくれば、色々な対策も出てくるように思います。
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