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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

マンション管理士は「食える資格」なのか?法改正で独占業務ができる!?

更新日:2022年9月26日



 2022年5月13日のダイアモンドオンラインの表題の記事を紹介します。


マンション管理士は「食える資格」なのか?

 マンション管理士は、試験難易度は高いものの、これまで独占業務がないことがネックと言われてきました。いわゆる宅建の「重説」のように、マンション管理士にしか許されていない業務が存在しなかったのです。

 こういう資格のことを名称独占資格といい、マンション管理士と名乗るためだけに試験を受けていたのですが、この度の法改正によって、ついに独占業務ができるのではと言われております。


法律改正! 何が変わるの?

 令和2年6月24日に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律」が公布されました。これは、マンション管理士や管理業務主任者の試験範囲になっている法律です。

 改正マンション管理適正化法では「マンション管理計画認定制度」が創設され、令和4年4月1日から施行されます。

 また、令和3年9月28日に、国交省は、マンション管理適正化法の改正を受けて、「マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針」(基本方針)を定め(マンション管理適正化法3条)、マンション管理計画認定制度の認定基準を示しています。基本方針も令和4年4月1日に施行されます。

 このマンション管理計画認定制度とは、いったいどんな制度なのでしょうか。


国から「お墨付き」をもらえる!

 マンション管理計画認定制度とは、管理適正化推進計画を作成した地域において、マンションの管理計画が一定の基準を満たす場合に、マンション管理組合が地方公共団体から適切な管理計画を持つマンションとしての認定を受けることができる制度です。

 認定には、マンションが所在する地方公共団体がマンション管理適正化推進計画を作成していることが必要となります。

 マンション管理適正化推進計画とは、地方公共団体が、国が定めた基本方針に基づき、管理の適正化の推進を図るために作成することのできる計画です。

 つまり、「維持管理が計画的に行われているマンション」だというお墨付きをもらえる制度のことです。


 では、認定してもらったらどんなメリットがあるんでしょうか。管理計画認定のメリットとしては、次のようなことが期待されています。

・住人の管理への意識が高く保たれ、管理水準を維持・向上しやすくなる ・適正に管理されたマンションであることが市場において評価される ・適正に管理されたマンションがあることで、地域価値の維持・向上に繋がる


 どれも抽象的ですが、「ちゃんとしているマンションだよ」ということを客観的にアピールできます。なぜこんな認定制度ができたのでしょうか?

 以前、限界マンションという言葉がニュースで踊っていました。築年数が古くなってくると、大規模修繕や耐震改修にかなりの費用が掛かるのですが、そのための費用をちゃんと積み立てられておらず、修繕したくてもできないマンションが増加傾向にあるんです。

 こういうマンションの発生を予防するためには、将来を見据えて計画性を持った管理計画をたててそれに沿って運用していくことが急務だったことから、今回の認定制度の開始にいたったと考えられます。


 この制度の目玉は何と言ってもいままで独占業務のなかったマンション管理士です。

 まず主体となるのはマンションの管理組合です。管理組合が公益財団法人マンション管理センターを通して適切な管理が行えているかマンション管理士に確認してもらい、適切な管理が行われていれば、適合通知が届きます。

 その適合通知を全国の市や東京特別区(町村は都道府県)に申請して認定を受けるという流れです。また、適正に管理されていないと判断されるマンションについては、自治体が指導・助言・勧告を行うことになっています。

 ポイントは、この認定制度の中枢をになう判断をマンション管理士が行うという点です。これが独占業務なのではないか、と巷で話題になっているわけです。


しかし、マンション管理は「甘く」ない

 これについて、私の個人的な意見を言わせていただきます。

 まず、このマンション管理計画認定制度自体はすごくいい試みだと思います。マンションの管理組合の多くは素人の集まりで、いわばマンションの町内会です。

 ですから、マンションを適正に運営していくためには、管理会社以外の専門家の判断を受けられるという点はすごくいいと思います。

 また、今後中古マンション市場はどんどん広がっていくと思います。都内はもうそんなに大規模なファミリー分譲マンションを建てる用地は残っていません。ただ、中古マンションを買うときは見た目以上に管理運営体制や修繕積立金が重要になります。

 しかし素人買主はそんなことはわかりませんから、その重要な目安として認定の有無で判断するというのはとてもいいと思います。


 あとは、マンション管理士について触れさせていただきます。

 マンション管理士が重要な役どころに位置づけられるということはとてもうれしいことです。しかし、認定の判断に求められる知識や経験は、ある程度の実務経験や業界経験がないと難しいと思います。

 私自身マンション管理士を持っていますし、管理組合の理事長もやっていましたが、適切かつ計画的に管理していくのは本当に大変です。マンションによって事情が違うので、もちろん認定基準はあるみたいですが、それに当てはめるだけの簡単な業務ではないと個人的には思います。」


 今回のマンション管理適正化法で規定された「マンション計画認定制度」は、評価はマンション管理士しか行うことができず、この記事にあるように初めてマンション管理士に認められた独占業務になります。今回の法改正をきっかけに、マンション管理士という資格を一般の方も広く理解され、管理会社以外の専門家の意見をセカンドオピニオンとして聞く姿勢が管理組合に広く共有されれば、よりよりマンションになると期待しています。


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