2020年度のマンション管理士試験の申込者は1万4, 486人。前年より525人増加しました。平成13年の第1回の試験(申込者10万9,520人)から、毎年減り続けた申込者数が、ようやく下げ止まり、プラスに転じた結果です。
合格率は、8パーセント程度ですので、1200名程度が新しくマンション管理士になられるのだと思います。
今年は、マンション管理士試験に限らず、資格試験は、受験者数が増えているようです。
一番の理由は、まさに「コロナ禍」。外出自粛で家にいる時間が多かったことから、仕事に関連する資格試験の勉強でもしようと思った人が多かったようです。 また今後、仕事が今まで通り続けられるか不安があり、何か資格を取っておこうという気持になったものだと思います。
受験の理由
マンション管理センターのアンケート調査によると、マンション管理士試験を受験しようと思った理由で、一番多いのが、「現在又は将来の仕事に生かすため」で65.8%です。
例えば、管理会社等に勤めている人が、知識取得はもちろんですが、社内評価項目のひとつとしてマンション管理士資格を取っておこうと思うようなケースです。
ですから、すでに、「管理業務主任者」や「宅建士」の資格を持っている人の受験が7~8割台に達しています。
二番目にに多い理由が、「居住するマンションの役員等の職務に生かすため」で20.8%です。
ごく普通に、役員として必要な知識を持っていたいという気持ちで受験される方もいるでしょうが、知識があると主張する組合員に負けないようにしたいと勉強されるケースもけっこう多いです。
受験する理由が、「マンション管理士として就職するため」というのは19.2%で3番目となっています。直接、その資格で、業として「マンション管理士」をしようという人は、実際まだ多くはありません。
活動状況
マンション管理士としての実際の活動状況はというと、
「本業として活動している」は5.4%で、「副業として活動している」は7.7%。不動産業や保険代理店、行政書士事務所と兼業で行っているケースが多いようです。
両方を併せても13.1%。先ほどの合格者予想者数1200名にこの13.1%をかけると、マンション管理士として仕事をしようという人は160人程度ということになります。
一番規模の大きい東京都マンション管理士会でも会員数は500名に達していません。まだまだ職業としてはマイナーな存在です。
また、マンション管理士専業では食べていけず、行政書士や不動産業等の他の資格とあわせて業務を行っている人のほうが多いという結果になっています。
資格をとったけれど「活動を行ったことがない」が、実に75.8%に達しています。
本業として活動している人の1年間の売上高は、「100万円以上、400万円未満」が最多で30.4%。 「100万円未満」と「収入を得たことはない」を合わせると47.9%に上ります。
個人事務所として活動している人で年間の売上高が700万円以上は5.6%です。
この結果を見ると、マンション管理士を専業として行うには、まだまだ難しい職業だと思います。
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