多くの自治体で運用が開始された管理計画認定制度ですが、取得にあたっては何点か注意点があります。今回はその注意点について説明します。
① 管理規約は平成28年以降の標準管理規約に準拠しているか
特に、認定の条件として緊急時の専有部への立ち入りが管理規約に認められている必要があります。
「第23条 前2項により管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専有使用部分への立入りを請求することができる。
2 前項により立入りを請求されたものは、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。
3 前項の場合において、正当な理由なく立入りを拒否したものは、その結果生じた損害を賠償しなければならない。
4 前3項の規定にかかわらず、理事長は、災害、事故等が発生した場合であって、緊急に立ち入らないと共用部分等又は他の専有部分に対して物理的に又は機能上重大な影響を与えるおそれがあるときは、専有部分又は専有使用部分に自ら立ち入り、又は委任した者に立ち入らせることができる。
5 立入りをした者は、速やかに立入りをした箇所を現状に復さなければならない。」
この規定は、専有部の上階からの漏水や、共用部の排水立管の更新工事等をスムーズに実施するために定められた規定で、平成28年の標準管理規約にて正式に定められています。従って、平成28年以降に管理規約を改正していないマンションは、この規約が入っているか確認が必要です。
② 長期修繕計画の内容が、長期修繕計画様式4-1に準拠しているか
推定修繕工事項目が19工事項目に準拠しているかが、特に確認されます。特に、ガス設備・長期修繕計画作成費用の項目がない長期修繕計画が数多くあるようです。私の住んでいるマンションでは、空調・換気設備と長期修繕計画作成費用の項目がなく、認定を取得するために、上記様式4-1に準じた形で長期修繕計画を今期作成する予定です。
③ 修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと
判定の基準は「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」です。特に地上20階未満で建築延床面積5000㎡未満の235(円/専床㎡・月)と5000㎡~10000㎡の170(円/専床㎡・月)は、良く検討する必要があります。また機械式駐車場がある場合には駐車台数毎に別途修繕積立金の増額が必要です。また、この基準は30年間の修繕積立金の平均であることも注意する必要があります。
④ 組合員名簿、居住者名簿を備えているとともに、一年に一回以上な内容の確認を行っていること
組合員名簿、居住者名簿がある管理組合は多いですが、一年に一回の内容確認は行われていないケースがほとんでです。
上記4点は、該当していないマンションも多くあります。管理計画認定制度の取得を目指しているマンションは、最低上記4点はクリアーしているか、事前に組合内で確認しておくことをお勧めします。
Comments