検索
  • 快適マンションパートナーズ 石田

マンション管理費を不当に安く見せる「駐車場使用料」のカラクリ



 2018年6月27日のダイヤモンドオンラインの株式会社シーピーアイ代表取締役須藤桂一さんの表題のブログを紹介します。


マンション購入で“決め手”となる主な条件は、立地条件、間取り、価格などだが、それらとともに考えなければならないことがある。

 それは、入居したら毎月払い続ける管理費や修繕積立金だ。通常この毎月の支払いは、日常の管理や共有部の電気水道代、掃除費用、管理会社に支払われる管理委託費などに使われる「管理費会計」と、大規模修繕工事などのための「積立金会計」の2本立ての会計となっている。


 単純に月々の支払いが高いか安いかだけを見たら失敗する。問題は内容が適切かどうかなのだ。今回は、その良し悪しを、その「バロメーター」の一つとなる、駐車場使用料の扱いを中心にお伝えする。


高い管理費にはムダがある!安い管理費にはウラがある!

 実際のサービスに比べて高い管理費を払い続けるなら、見た目の販売価格より相当高い、「コスパの悪い」買い物をすることになってしまう。

 かといって、安ければいいということでは決してない。


 販売会社は売りやすくするために、とにかく最初の管理費と積立金を安く設定するものだということを肝に銘じておきたい。安い管理費、修繕積立金は決して顧客本位の経営努力の結果などではなく、見せかけにすぎない。それはやがて「現状に合わせて値上げしましょう」という形で正体を現すこととなるだろう。

 新築マンションでは、数年後には値上げ提案が出されることがほとんどだ。購入する側も仕方のないことだと考えている人が多い。しかし、管理委託費の方は逆に必要以上に高く設定されていることが多いので、購入後に、住民が管理組合のイニシアチブをとって、管理会社の変更や長期修繕計画の見直しなどで圧縮すれば、その分を修繕積立金に振り替えられる可能性は大きい。私たちシーアイピーは、そのようなコストダウンのお手伝いを業務としてさせていただいている。

 そこで、「うちのマンションの管理費、修繕積立金は妥当でしょうか?」という質問がよく当社に寄せられる。それは「区分所有者が管理組合に支払っている管理費と修繕積立金は、高過ぎず、安過ぎず、必要十分か?」ということだが、まずここでは「管理費」と「管理委託費」の言葉を分けて考えたい。


 「管理費」は区分所有者が管理組合に支払うコストで、「管理委託費」は管理組合が管理会社に支払うコストだ。結論から言えばほとんどの場合、「管理委託費」が高過ぎる状態で、「管理費」は安く設定されているケースが多く、そして「修繕積立金」が圧倒的に不足している。


修繕積立金値上げ、一時金徴収に見舞われないために既存マンションの修繕積立金はここを見る

 「修繕積立金」のチェックについては、長期修繕計画書を見せてもらうことから始めよう。それに加えて、初期と直近の積立金会計を見れば正しい診断ができる。

 本連載で取り上げてきたように、管理組合が主体的に活動していて管理会社の言いなりにならないマンションなら、当初の設定に問題があっても、既に見直しがなされ、ある程度値上げされているだろう。そうであれば、今後「修繕積立金」の値上げや一時金の徴収などといった事態は起こらない「買い」のマンションだ。

 しかし、管理会社に“丸投げ”の管理組合なら要注意。購入した途端に大幅値上げや一時金徴収などということが起こりかねないからだ。


 競争原理が働かなければ、全ては管理会社のペースで進んでゆく。今は安くても、やがて積立金の値上げや一時金の徴収が必要となるだろう。しかし、本当のところは「修繕積立金」が安過ぎるのではなく、修繕にかかる費用が高過ぎるということだろう。


本当に安いのか、高いのか?既存マンションの管理費会計はここを見る

 それでは「管理費」はどう見るか。

 高過ぎることは問題で、無駄があることは言うまでもないが、安すぎるのも要注意だ。それは必ずしも本当に管理会社が「適切な管理」を良心的に安く提供しているということではない。一見安く見えても、実はそれほどでもない場合が考えられる。


 その安く見せかけるために使われる“切り札”が「駐車場使用料」なのだ。カラクリはこうだ。

 管理費会計では水道光熱費や保険料などこまごまとした支出項目があるが、それらは削減しても払い過ぎていても、いずれの場合も桁が小さい。また「管理費」の大部分を占める「管理委託費」すなわち管理会社への報酬は、管理会社としては、そこはしっかりと確保しておきたいのは当然である。そこで区分所有者に安く見せる究極のテクニックとして、「駐車場使用料」を積立金会計ではなく、管理費会計に入れるという手法が使われる。

 特に“金食い虫”である機械式駐車場を設置しているマンションでは、更新工事の際には修繕積立金から多額の支出を余儀なくされてしまう。このような事態を避けるためにも、本来ならば、機械式駐車場を設置したマンションの「駐車場使用料」は積立金会計にプールされるべきなのである。この単純な奇策が多くのマンションで使われているのが実情である。


 あなたのマンションでは「駐車場使用料」はどちらの収入項目になっているだろうか。

「駐車場使用料」を管理費会計の収入とすることによって、管理会社は自社の収入を確保した上で、各戸の「管理費」という徴収金額を抑えることができるわけだ。しかし、それは本来なら「修繕積立金」として積み立てられるべきお金なのである。その一部は「管理委託費」として管理会社に“献上”しているのが実態なのだ。

 こうして管理会社に支払われる「管理委託費」は、ほとんどのマンションにおいて高めに設定されている。


 特に、新築時のデベロッパー系管理会社が管理し続けている場合、その傾向は顕著である。管理会社やその業界から言えば“常識”なのかもしれないが、競争原理の働かない特殊な業界の常識にすぎない。まずは、マンション管理業界は競争原理が働いてない業界だということを強く認識しておく必要がある。競争原理を正しく働かせることができれば「管理委託費」は必ず安くなる。しかし、同時に品質が落ちてしまって、「安かろう悪かろう」という管理になってしまっては意味がない。もし、管理会社を変更するならば、品質を向上させつつ入札をしていくことが強く望まれる。単純な競争原理の導入だけで「管理委託費」は大幅に削減できたものの、その分、管理品質も大きく落ちてしまったマンションを、私は多く見てきたからだ。


国交省のガイドライン通りにやっていれば、機械式駐車場は“金食い虫”にはならない

 本連載でもおなじみの国土交通省のガイドラインはこう謳っている。「駐車場使用料その他の敷地および共用部分に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる」(標準管理規約29条)。

 つまり、修繕積立金会計の収入とすることを求めているのだ。もちろんガイドラインであって、「そうしなければならない」という義務はない。しかし、同じガイドラインに「大規模修繕工事の周期は12年程度」とある記載を、まるで法律であるかのように強調し「12周期工事」を勧める管理会社が、一方で駐車場使用料を管理費会計に入れているのは“ダブルスタンダード”だろう。


 ところでなぜ、国交省は積立金会計に入れることを勧めているのだろう?

 それは、長期的に見て機械式駐車場にかかる経費は多額になるので、しっかりと積み立てておくのが望ましいからだ。しかも駐車場の受益者は区分所有者の一部なので、受益者負担という観点からいっても、駐車場使用料は駐車場関連での出費に優先して払われるべきだ。それを、通常の管理費の一部として他の用途に流用されたあげく、機械式駐車場入れ替えのために、一時金を出しましょう、あるいは積立金を値上げしましょうというのは筋が通らない。

 ちなみに、30年でリニューアルするとして機械式駐車場にかかる費用は、30年間で1パレット当たり100~200万円ほど(年間経費1~2万円×30年+入れ替え費用100万円)だ。つまり月々の1台分の駐車場使用料のうち5000円でも、ちゃんと修繕積立金に回されていれば、入れ替えで慌てる必要は全くないはずなのだ。


 私が知る限りでも、ほとんどマンションが駐車場収入を修繕積立金ではなく、管理費に充当しています。入居者の管理費が高いという苦情を少なくするための処置だと思います。このブログにもあるように、機械式駐車場の使用料が管理費に充当されているのは問題です。機械式の駐車場を設置した管理組合は、駐車場会計だけを別に管理して、修繕に備えることや、収支状況を明らかにするべきだと思います。


5回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示