• 快適マンションパートナーズ 石田

マンション高騰で住宅ローン借り過ぎリスク急増!「変動金利×35年返済」の罠 



 2022年5月26日のダイヤモンドオンラインの表題の記事を紹介します。


マンションの価格高騰で住宅ローンの「借り過ぎリスク」が高まっている。住宅ローンの「変動金利×35年返済」マジックが、お金持ちではない人でも6000万~8000万円の高額マンションを買える気にさせる罠になっているからだ。しかし、住宅ローンを「借りられる」ことと「返せる」ことはイコールではない。そのリスクを十分に認識した上での判断が必須だ。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)


首都圏の新築マンション平均価格は6260万円!

 首都圏のマンションの価格高騰が止まらない。不動産経済研究所の「新築分譲マンション市場動向」によると、2021年の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の平均価格は、6260万円。平均価格が6000万円を突破した20年の6083万円から一段と上がっている。


 特に東京23区の価格高騰は異常ともいえる。21年の平均価格は、なんと8293万円!前年の7712万円から580万円超もアップしている(同じく不動産経済研究所の調査データより)。

 価格高騰で懸念されるのは、住宅ローンの「借り過ぎリスク」である。現在物件探しをしていない人なら最新の価格相場観を持っていないため、6000万~8000万円もする高額物件を買うのはお金持ちの人に限られると考えるだろう。

 ところが、お金持ちではなくても買っているし、実際に売れている。なぜなら、高額な住宅ローンを組めてしまう「マジック」があるからだ。

 初めて住宅ローンを組む人、特に30代など若い世代は、ローンの借入金額はあまり意識せず、「毎月の返済額」だけを見て「買えるか、買えないか」を判断する傾向にある。「家賃並みの返済額」であるかどうかがモノサシとなっている。

 だが、ローンを組むに当たって、これはかなり危険な考え方だ。「借入額」を意識しないと、老後に大きな負担を残すことになりかねない。

 現在金利の低い「変動金利」で最長の「35年返済」で住宅ローンを組むと、毎月の返済額が少なくなるため「買える」と判断してしまいがち。私はこれを「変動金利×35年返済のマジック」と呼んでいる。マジックのカラクリを見てみよう。


「変動金利×35年返済マジック」そのカラクリは?

 住宅ローンの金利は銀行によって異なるが、現在変動金利は0.5%前後が多い。そして、住宅ローンの最長返済期間は原則35年だ。

 毎月の返済額は、「借入金額」「金利」「返済期間」の三つの要素から算出される。借入金額が多いほど毎月の返済額は多くなるが、金利が低く、返済期間を長くすると毎月返済額は少なくなり、「返済できそうな気にさせる額」になる。


 35歳の人が6000万円を借りるケースで、(1)金利と返済期間のリスクを抑えた返済プランと、(2)「変動金利×35年返済マジック」のプランの二つを見てみよう。


(1) 金利と返済期間のリスクを抑えたプラン 金利:1.4%(全期間固定) 返済期間:30年(65歳まで) 毎月返済額:20万4205円


(2)「変動金利×35年返済マジック」を使ったプラン 金利:0.5%(変動金利) 返済期間:35年(70歳まで) 毎月返済額:15万5751円


(1)のリスクを抑えたプランは、今後の金利上昇リスクを避けるために固定金利、65歳までに完済できる返済期間とした。毎月返済額は20万円ちょっと。20万円を超えると、「こんなに返済できない」と二の足を踏む人が多数だろう。

 ところが、目先の金利が低い変動金利で、返済期間を最長35年にすると、毎月返済額は5万円近くも少なくなるため、「返済できそう」と思える。特にフルタイムの共働き夫婦は、職場に近い都心近くに住み、15万円前後の家賃を払っているケースも多いから、「買える!」と購入に踏み切るだろう。

 しかし、「借りられる」ことと「返せる」ことは、イコールではない。前述の現在35歳の人が6000万円を変動金利(0.5%)・返済期間35年で借りた場合の60歳時のローン残高を試算してみると…。

仮に変動金利が10年間動かず、11年目以降は1%になると、金利上昇をかなり低く見積もったとしても、60歳時に約1900万円の住宅ローンが残る。

 不動産販売の現場では「途中で繰り上げ返済すればいいですよ」と言われるようだ。しかし、結構な金額のローン返済を毎月支払い、子どもの教育費を貯めながら、さらに繰り上げ返済をできるほど家計に余裕がある家庭は少ないのが現実だ。繰り上げ返済をすると、その分老後資金を貯められなくなることも忘れてはならない。

 これが「変動金利×35年返済マジック」のカラクリである。低い金利で返済期間を長くすることで、多額の借入額を「返済できそうな金額」にすることができるが、そのおかげで「借り過ぎ」てしまう。

さらに、変動金利は金利上昇リスクを、長期の返済期間は老後の生活を脅かすリスクを持つ、危険なプランだと認識しよう。


リスクを抑えた返済プランのポイントはたった2つ

 老後に負担を残さないローンにするには、返済期間を「65歳-ローン返済開始年齢」とするのが最大のポイントだ。現在の定年年齢は60歳の企業が多数であるが、5年後、10年後には65歳になっている可能性は高い。ただし、60歳以降、働ける環境にあったとしても50代の時の収入を確保できるかどうかは不透明だ。

 60歳+5年なら、60歳時のローン残高は、それほど多額にはならないため、仮に60歳以降の収入がダウンしても、老後に大きな負担を残さずに済む。リスクを抑えたローン返済期間は「65歳-ローン返済開始年齢」を最長とすると覚えておこう。

 金利は何を選ぶべきか。お金を借りる際、低金利の局面では「固定金利」を選ぶのがセオリーだ(お金を運用する際は逆)。にもかかわらず、現在90%前後の人が変動金利を選んでいるのが現状だ。

 変動金利は、銀行間の競争激化により、数年前から0.5%前後まで引き下がっている。銀行はこの中から団体信用生命保険の保険料を保険会社に払っているので、まるでもうからないはず。もうからなくてもシェアを落とすわけにいかないから、どの銀行も過当競争から抜け出せないでいるのが現状だ。

 一方、固定金利は、全期間固定が1.4%前後、10年固定が1%前後。今年に入ってから、世界的な金利上昇を受けて、固定金利は徐々に上がり始めている。変動金利と比べると高く見えるが、歴史的に見てもまだまだ低い水準だ。

 金利に先高感があるなら「今こそ固定金利」のはずだが、あるメガバンクに取材をすると、正反対の状況が浮かび上がった。固定金利の上昇以降、一段と変動金利を選択する人が増え、4月は新規借り入れの95%が変動金利だそう。

 変動金利を利用する人は「金利が上がれば、固定金利に切り替えればいい」と考える。ところが、実は「ギリギリまで変動金利で得するプラン」は実現が難しいのだ。


ギリギリまで変動金利で得するプラン実現が難しい理由とは?

 変動金利は、日本銀行が上げたり下げたりする短期の政策金利に連動する。変動金利が上がるときには、その数カ月前から固定金利が上がり始めるという経済の約束事がある。これは、固定金利が長期金利という指標に連動するからだ(長期金利は短期金利に先行して上がる)。

 このため、変動金利が上がってから「さぁ固定金利に切り替えよう」としても、固定金利は先行して上がっている。長期金利が上昇する前に固定金利に切り替えないと「ギリギリまで低い金利で得をする」のは難しいのである。

 ちなみに今は、固定金利は上がり始めたが、日銀の政策に変更はないため変動金利は動いていないという状況だ。物価上昇を受けて、日銀が金利の引き上げを実施すると(当面、可能性は低いが)、連動して変動金利は引き上がる。

 さらに変動金利型の住宅ローンの仕組みは複雑。変動金利で借りて、金利が上がったら固定金利に切り替えることにチャレンジするなら、その把握が必須だ。商品の仕組みと金利のメカニズムをしっかり理解し、日々の経済ニュースにアンテナを張っておかねばならないと肝に銘じておこう。

 そんな日常を送るのが嫌だと考えるなら、10年固定もしくは全期間固定の金利タイプを選び、返済期間を65歳までにするのがいい。この二つの条件で算出された毎月返済額が多額で返せそうにないなら、それは「借り過ぎのシグナル」だ。物件価格の見直しが必至である。

 私は住宅ローンの相談を25年以上受け続けてきて、返済が困難になった人を多数見てきている。読者のみなさんには「変動金利×35年返済マジック」を使わずに、リスクを抑えた「身の丈に合った住宅ローン」を組んでほしいと切に願う。」


 買えるマンション価格は年収の5倍までというのが、住宅業界のセオリーでした。年収500万で2500万円がマンションの上限というのが、私が会社員時代の常識でした。共働きが当たり前となってきた今でも、30代で夫婦の合算した年収は800万程度ではないでしょうか?それから言えば4000万円あたりが上限かなと思います。そうは言いながら東京のマンションは6000万超が平均となっており、とても買えない状況です。新築に拘らず、中古マンションも視野に入れて考えるべきだと思います。これからは金利上昇も予想されます。固定金利を選ぶか変動金利を選ぶかは、悩ましい問題です。


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