• 快適マンションパートナーズ 石田

ワンルームより狭い「半ルーム」にしか住めない若者たち



 2022年3月9日のニューズウィーク日本版の表題の記事を紹介します。


<月収15万円以下の若者の場合、東京23区のどの区でもワンルームを借りるのは経済的に難しい>

 春は引越しのシーズンだが、最近若者の間で「半ルーム」の賃貸が人気だという。ワンルーム(6畳)の半分、すなわちたったの3畳だ。その理由について、職住近接志向が強まっていること、モノをあまり持たないシンプル志向が強まっていることが挙げられている(日本経済新聞電子版、2020年2月2日)。

 コロナ禍のなか「密」の通勤地獄は避けたいし、先行きが不透明なのでなるべく身を軽くしておきたい、というのは分かる。だが経済的事情もあるだろう。身も蓋もない言い方をすれば、こういう部屋しか借りられないのではないか。

 上記の日経の記事では東京都世田谷区の3畳物件が取り上げられているが、2018年の統計によると同区の最も狭い借家(5.9畳以下)の平均家賃は5.4万円だ。ワンルームの最低家賃がこうだが、月収15万の若者がこの家賃の部屋を借りるのは容易ではない。最近は「連帯保証人は立てなくていいので、家賃保証会社を使ってくれ」と言われる。筆者が言われたところによると、保証会社の審査パスの目安は「家賃/月収」比が25%までだ。

 これに基づけば、月収15万では家賃3.8万までの部屋しか借りられない。拝み倒しても4万くらいまでで、5万以上の部屋は難しいだろう。悲しいかな、月収15万では都内23区のどこにおいてもワンルームを借りるのは難しいようだ<表1>。



遠距離の通勤地獄は御免と23区内でワンルームを借りようにも、収入の少ない若者の場合、それはなかなか容易ではない。それなら「半ルーム」でいい、どうせ寝るだけだし...。こう考える人が出てきてもおかしくない。

 「月収14万」がSNSでトレンド入りするほど、若者の貧困化が進んでいる。賃貸の主な顧客は若者だが、独り立ちする年齢層(15~24歳)の年間所得分布を示すと<表2>のようになる。



 全国の519万人、都内23区の43万人の所得分布だが、双方とも200万円に満たない人が多い。中央値を算出すると全国が182万円、都内23区が203万円だ。これは税引き前なので、手取りにするともっと低い数値となる。おそらくは月収14~15万の世界だろう。

 ワンルームならぬ「半ルーム」への需要が増すのも道理だ。貧困問題に関する多くの著書がある藤田孝典氏の言い回しを借りると「ウサギ小屋を通り越して鳥かご」だ。これから半ルームの物件が続々と作られ、お金のない若者に供されるのか。「鳥かごに住む若者」という見出しが海外のメディアに踊るかもしれない。

 人口減少や高齢化でモノが売れないのに、消費意欲旺盛な(稀少な)若者を鳥かごに押し込んでいるのだから始末に負えない。先月の北京冬季五輪では日本代表選手の勇姿が見られたが、寝具と生活必需品で埋まった3畳ではスキー板など置けるはずもない。よく言われる「若者の〇〇離れ」には、住の貧困も寄与しているのではないか。

真っ当な「住」を保障することが、若者の離家・婚姻を促し、少子化の歯止めにもつながる。新たな世帯を構えるのに必要な家電等の消費も増え、景気も刺激される。山田昌弘教授の『パラサイト・シングルの時代』(1999年)で言われていることだが、20年を経た今も状況は変わらず悪化の兆しすらある。

 日本に行くと、鳥かごに押し込められる。こんな評価が定着してしまうと、海外からの労働力も来なくなってしまうだろう。」


 この記事を読むと、15歳から24歳の有職者の年収の中央値は首都圏で200万程度、月収で手取り14~15万となっています。私がかつて単身赴任していた時も、住居費を除く生活費として月10万円は必要でしたから、それから考えると住居費は4~5万円が上限ということになります。中国や韓国の若者の貧困が良く話題になりますが、この内容を見ると、日本も同じような現状です。中央値がこの金額ですから、半数以上の若者はこの金額よりも少ない金額で都会で生活していることを、日本の政治家はわかって欲しいと思います。


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