建築費の高騰から、新築マンションの取得費用の値上がりがはなはだしい状況が続いています。地方でも分譲マンションの建築費は戸当たり2000万程度となり、土地代も含めると、3LDKのファミリーマンションの販売価格は3000万円近くになっています。
そのような状況の中、新築に比べて価格的に割安な中古マンションを購入し、室内をフルリノベーションして、住む人も増えてきています。
東京で会社員勤めをしていた時に出会ったのは、古い社宅を一棟買いし、内外装等リノベーションをし、分譲マンションとして販売した物件でした。その時には、工事を担当したのですが、階段室は建築当時そのままの趣を残し、アール形の手摺や、Pタイルの床等、ヴィンテージ感を大事に改修されました。また外観も古いタイルがそのまま残され、非常に味わいのあるヴィンテージマンションに改装されていました。一方、室内に入ると、元社宅のため間取りは1LDKと狭いですが、壁にガラスが多様され、最新式のキッチンや浴室等のある、住むには全く問題のないマンションに仕上がっていました。むしろ普通のマンションよりもオシャレ感が高まっていました。
また、先日知り合いの不動産屋さんから聞いた話では、総戸数160戸の古い賃貸アパートを、1億円超で落札し、3億超で室内をフルリノベした所、常に満室状態で、その不動産会社のドル箱物件になっているという話も聞きました。4億円の投資で160戸ですから、取得費用は戸当たり250万程度になります。家賃5万円で貸せれば、運用利回りは20%です。
そう思って高松市内を見てみると、古い階段室型のアパートを、内外装ともフルリノベし、1階を貸店舗として、2階以上をアパートとして活用するのを得意とする不動産会社もあります。また、そのような古いアパートの方が、若い人には人気があるようです。また、古い町家を改装して1棟貸のホテルにするのも流行っているそうです。
最近のカフェやショップでも、あえて古臭いイメージに改装したり、ヴィンテージ感やアンティーク感を出したりするインテリアも流行っています。高松でも古い倉庫を改装した、カフェやレストランが大繁盛しています。新しいからいいのではなく、古いのだからいいという、新しい価値観を持った若者が増えているのかもしれません。
古さに価値を求めて、中古物件を再生するのは、今後重要なキーワードになってくるように思います。
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