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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

中古購入は賠償請求できず? マンション共用部の欠陥、判例が足かせ

更新日:4月24日



 2023年11月27日の朝日新聞デジタルの表題の記事を紹介します。


「マンションの共用部分に欠陥があるのに中古で購入した所有者は損害賠償を請求できない――。横浜市のマンション住民らが起こした訴訟で、あいまいな法律から生まれた過去の判例を理由にこんな事態が起きている。かねて同様の問題を指摘してきた日本弁護士連合会は法改正を求め、国の諮問機関も見直しの議論を加速させている。


■最初の買い主に権利

 横浜市の総戸数139戸のマンションで昨年1月、敷地内で古い擁壁が見つかった。市は「安全性が確認できず、改善が必要」と指摘。擁壁は分譲前からあったが、販売時に重要事項説明書などで説明はなかった。

 品質確保促進法では、売り主は新築物件の引き渡しから10年は、欠陥が見つかると補償しなければならない「瑕疵(かし)担保責任」を負う。住民らは売り主の事業者側に補修を求めたが応じないため、補償の期限が迫った今年8月に損害賠償請求訴訟を起こした。

 訴状によると、改修などにかかる費用は約1064万円。だが、請求金額は約405万円だ。

 なぜ半分以下の請求にとどまるのか。「過去の判例のせいで、区分所有者の半分以下の分しか請求できない。そもそも、中古購入の人は請求すらできなかった」。マンションの管理組合の理事長はそう語る。

 過去の判例とは、2016年7月の東京地裁判決だ。東京都内のマンションで外壁がはがれ落ちる欠陥が見つかり、売り主に損害賠償を求めた。

 所有権を分けるマンションは、損害賠償などをそれぞれで求めるのは効率が悪い。このため02年に区分所有法が改正され、共用部分の欠陥などについては、管理組合の管理者(理事長)が「原告となることができる」とされた。

 だが判決では、区分所有法などの解釈として、損害賠償請求権は「売り主と最初に契約した買い主」のものとされ、中古で購入した人は元の所有者から譲渡されない限り、損害賠償請求権を持たないと判断した。このケースでは権利の譲渡が得られない中古購入が2戸あり、さらに理事長は区分所有者全員を代理できる場合しか訴訟できないとされ、訴えは却下された。

 横浜市のマンションも中古購入が11戸。最初の所有者と連絡をとるのは難しく、理事長が代理になれない。時効の関係で訴訟までの期間が短く、その間に合意を得られた53人が原告となった。

 また、それぞれの原告は区分所有分しか権利がない。改修費用など約1064万円を全所有者で割り、裁判に参加した53人分の約405万円だけが請求の対象となった。


■法改正の議論活発化

 共用部分の損害賠償請求権の移転問題について、日弁連は5月、立法措置を講じるように求める意見書を国会や法相などに提出した。区分所有の譲渡があった時は、損害賠償請求権も譲渡されたとみなすように区分所有法などを改正すべきだなどと主張している。

 本体の耐震性不足のほか、外壁や非常階段、エレベーターの不備など、マンションの共用部分の欠陥は、すべての所有者に関わる問題だ。事故が起きた場合、問題を放置したとして住民側が損害賠償を請求される可能性もある。

 法相の諮問機関である法制審議会では、見直しの議論が進んでいる。6月にまとめた中間試案では、現在の区分所有法について、理事長が代理できる範囲などが明確でなく、最高裁判例もないため、「様々な解釈が可能になってしまっている」と指摘している。

 このため、区分所有権が転売されても、理事長が損害賠償請求権を代理で行使できる案を提示。さらに、区分所有権と一緒に請求権も次の所有者に移るという規定を法律に明記する考え方も示した。法務省は、早ければ来年の通常国会にも同法改正案を提出する方針だ。」


 各デベロッパーが販売時に顧客に提示しているアフターサービス基準でも、購入したマンションを転売等で取得した場合は、アフターサービス基準は適用されないと書かれていることが一般的です。住宅であれば10年間保証する項目もあり、この記事にもあるように、所有権移転に伴って、損害賠償請求も移転するという考えのほうが納得性があると思います。


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