
塗装工事は、下塗り(シーラー処理)・中塗り・上塗りの3回塗りで仕上げるのが一般的です。今日の朝日新聞の記事でも、戸建ての塗装会社の宣伝で、中塗りの色変えの話が出ていました。中塗りの色変えを行わない会社は注意しましょう。というような趣旨の広告記事でした。
中塗りと上塗りを同じ色で施工すると、見てもわかないため、手抜きで2回塗らず、1回で済ます業者がいるために、採用されていると説明があります。中塗りの色変えは、公共工事では結構当たり前にやっている方法ですが、戸建て住宅でも他社との差別化の中で中塗りの色変えをアピールする会社が出てきたということでしょうか。
ところがネットで見てみると、色変えはお勧めしませという、塗装会社の記事が目につきます。理由は、中塗りと上塗りを違う塗料にすると材料が余る、中塗りと上塗りを違う色にすると、経年変化で上塗りの塗料がはがれた時に、中塗りの塗料の色が出てくるという内容です。その中身では、決まって中塗りの色が黒とか黄色とか極端な色になっています。私も大規模修繕工事を施工監理する場合には、中塗りと上塗りの色変えを指定しますが、極端に違う色は指定せず、中塗りは上塗り塗料より少し淡い同系色等と指定します。
会社員時代に中塗りと上塗りを違う色にすると、中塗りの色が透けて見えると主張する施工会社もありましたが、塗料メーカーに確認したところ、中塗りの色が透けて見えるのは、上塗りの塗膜が薄いからだと指摘されたことがありました。
塗装の耐久性は塗膜厚さで決まります。実際に必要な塗膜厚さが確保されているのか?一般的には塗料の使用量を確認して、間違いなく塗膜厚さが確保されていることを確認します。中塗りを実施しないと、その分塗料も少なくなり、材料代も安くなります。公共工事では、使用量の証として、使用後の塗料の空き缶にナンバーリングをし、写真に撮って、所定量の塗料が使用されていることを確認する空缶検査が実施されています。
皆さんも、大規模修繕工事の施工監理では、確実に3回塗りが実施されていることと、実際に使用された塗料の量を確認して、塗膜厚さが確保されていることの確認を行ってください。
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