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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

二重床か直張りか?

更新日:2021年4月2日



 マンションの床仕上げについては、防音フローリングが主流となっていますが、防音フローリングには直貼りフローリングと防音二重床フローリングの2つ工法があります。今回は、その工法の違いと特徴の説明です。


直張りフローリング

 フローリングの裏面にクッション材を入れて、コンクリート床面に直接張って施工するのが、直張り防音フローリングです。床下が不要なため、階高を低くすることが出来、施工費用も二重床よりも安く施工できます。床の防音性能は安定していますが、歩くとフワフワしており、フローリングというよりクッションフロアに近い感じです。また、床下スペースがないため、配管等はコンクリートスラブ内に打ち込むか、天井部分に配管する必要があり、将来的にリフォーム等で水回りを変更しにくい構造になっています。


防音二重床

 防音二重床は、コンクリートスラブの上に、防振ゴムの付いた鋼製脚で床下スペースを確保し、その上に剛性床を作り、さらに上部にフローリングを施工することになります。直貼りフローリングに比べて+100~200mm程度、余分に階高が必要で、工事費も、直張りフローリングよりも高価な工法です。防音性能については、床下の空気が抜けるスペースを確保しないと、タイコ現象と呼ばれる共振現象がおこり、防音性能が悪くなることがあります。防音性能を高めるためには、二重床の剛性床とフローリングの間に、さらに制震シートという、重量のあるアスファルトマット等を設置する必要があります。二重床の床下スペースには給水管等の配管が設置可能なため、将来的なリフォームにも対応可能です。


天井にも注意

 将来のリフォームも考えると、天井も直天井ではなく、二重天井の物件を選びましょう。直天井の物件は照明器具の位置変更もできず、間取り変更する場合には露出配線をする必要があります。二重床・二重天井、これがベストです。新築時のコスト削減だけを考えた直床・直天井の物件は、将来の間取り変更等のリフォーム工事にも対応できず、お勧めしません。


 数は少ないですが、二重床で床上げ寸法が180mm以上だと、排水管も床下に設置できるため、リフォームの自由度が増し、よりお勧めです。

 とにかく売りやすさのために、マンションの販売価格を下げるために、安価な直張りフローリングを採用するのか、将来のリフォームも考慮して、若干コストアップにはなるが、防音二重床を採用するのか?フローリングの施工方法一つとっても、デベロッパーのマンションに対する考え方が良くわかります。


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