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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

令和バブルと不動産投資の甘い罠。初心者と富裕層で真逆の相場観、“今さらサラリーマン大家”に出口はあるのか?

更新日:23 時間前



 2024年3月5日のMAG2NEWS(メルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図──政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』より)の表題の記事を紹介します。


サラリーマン大家の独り勝ち。超低金利・マイナス金利時代はいつまで続く?

 今回は、いわゆる「サラリーマン大家さん」のアパート・マンション経営など不動産投資がテーマ。これから老後資金の確保を見据えて投資に乗り出そうと考えている人は、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

 日本で低金利政策が始まったのは、バブル崩壊後の1990年代の後半からです。バブル崩壊の後遺症で金融が目詰まりを起こしてきたからでした。1993年9月に当時の公定歩合2・25%を1・75%とし、さらに95年4月には1・75%から1%に引き下げます。そして同年9月には0・5%にしたのです(当時の公定歩合とは、日銀の市中銀行への貸し出し金利)。次いで、97年の金融危機を迎えたのち、98年9月には政策金利を0・25%に引き下げています。

 ここからが、もはや「超低金利」といってよいレベルなのです(政策金利とは、短期金融市場の「無担保コール翌日物金利で別名オーバーナイト物のことを指しており、これが金融政策の目標値となり現在に至っています)。こののち多少の変動を経て、政策金利は0%台が続きます。

 こうして、2006年からは「ゼロ金利」が常態化して、今日に至るのでした。結局、この超低金利時代は、かれこれ今日まで実質30年にもおよぶ長年月となって続いてきています。


不動産投資の成功でサラリーマンを「卒業」する人が続出

 その結果、何が起こったのでしょうか。

 当時から続く「超低金利」を活かして、不動産に対する「レバレッジ投資」の最大化が試みられるようになったのです。

 日銀の政策金利の低下は、公定歩合と同様に、市中の金融機関の貸し出し金利にも影響して、引き下げに向かわせますから、住宅ローン金利をはじめ、金融機関の貸し出し金利は軒並み低空飛行となったのでした。ちなみに、レバレッジとは「てこの原理」であり、小さな力でも大きな力をもたらすことを意味します。すなわち、少ない自己資金しかなくても、低金利の借金で膨らませた「大きな軍資金」とすることで、不動産投資に活用できることをいいます。つまり、資金の乏しいサラリーマンでも、レバレッジ(借金)の最大化によって不動産投資に乗り出すことで、打ち出の小づちのようにキャッシュフローが生み出せる状況が到来したのでした。

 かつて、80年代後半のバブル期より以前の時代は、サラリーマンが不動産投資を行うには、非常に厳しい制約がありました。マンションやアパートといった不動産にローンを使って、投資を行おうとするにも、年間のローン返済額のほうが家賃収入よりも大きかったからです。

 不動産投資で得られる収益の利回りが2%~3%に対して、不動産投資ローンの金利が7~10%と高く、逆ザヤが生じる状況だったのです。それでも、これが当時の当たり前でした。ゆえに、バブル期以前の高度経済成長期(1955年~73年)に、マイホーム取得のための住宅ローンは別として、不動産投資ローンを活用して不動産投資を行う人は、非常に少なかったという状況がありました。

 では、その頃はどんな人がアパマンに投資できたのか──といえば、土地を保有している人たちが中心でした。つまり、マイホームの敷地以外での土地保有者といえば、その多くが先祖代々からの継承による「地主」に他ならなかったわけです。そうした地主以外の人で、不動産投資を行おうとする人は、毎年の家賃収入よりも投資ローンの返済額のほうが大きかったため、差額を自分で埋める「自腹での持ち出し」を覚悟しなければ、不動産投資など行えなかったのです。これを20年~30年と継続させて、自前の不動産資産を築く以外になかったのです。

 ところが、80年代後半に株や不動産が、2~4倍に値上がりする資産インフレのバブル景気を経たのち、90年代に入ってバブルが崩壊し、株や不動産の価格が半値以下に下落することで様相が変わったのです。前述の通り、「超低金利時代」が到来したからです。

 不動産価格が下落しても、家賃収入は値下がりすることなく、ほぼ今まで通りの価格水準で推移していたのですから、不動産投資での「逆ザヤ」が解消したどころか、新たな収益(キャッシュフロー)をもたらしてくれるようにさえなったわけです。


バブル崩壊で財テクに走った企業は大きな痛手を被った。しかし…

 この頃は、バブル景気で「財テク」に走った企業は、大慌てとなっていました。借金して購入した株式や不動産の価格が、半値以下に下落してしまっては、売却して出口に到達しようにも、売却価格よりも借金額のほうが大きいと、売るに売れなくなります。「損切り」するより「出口」がなかったのです。このためこれは、「バランスシート不況」の到来ともいわれました。

 バランスシート(貸借対照表)の右側の負債を圧縮する行動が一斉に起こったために、資金需要は枯れて、日銀が低金利政策に転じても、不況が広がったままだったのです。つまり、企業の「バランスシートの健全化=資金需要の縮小」となり、こうした企業は資産縮小と借金返済に励む以外になかったのでした。これが当時の経済状況でした。

 バブル期に借金をして不動産投資を行い、その値上がりを期待してキャピタルゲイン(値上がり益)を得ようと「財テク」に走った企業は、バブル崩壊の結果、物件価格の下落で軒並み「担保割れ」となり、四苦八苦の資金状況を迎えたのでした。生き残りをかけたこうした企業の多くが、値下がりした不動産資産を損切りで売却し、借金を返すことに専念したことにより不況が広がっていきました。


平凡サラリーマンが「富裕層」に成り上がる大チャンス

 しかし、サラリーマンは、「財テク」に走った企業や個人投資家とは違っていました。大チャンスが到来したからです。金融機関は低金利でも、利ザヤを稼がねばなりません。そこで、サラリーマンたちによる担保のある投資用不動産への貸し出しは、住宅ローンよりも金利が高く、悪くない貸出先となっていったのでした。こうして2000年代に入り、今まで大きな借金をしていなかったサラリーマンたちが続々と借金をして、不動産投資に乗り出す契機となったのです。サラリーマン不動産投資家が次々と生まれた背景には、こんな事情があったのです。

 属性の低い(勤務先が脆弱で年収が低い)サラリーマンであっても、金融機関から低金利の融資を受けて、地方のアパマン投資に乗り出せば、「(家賃収入)-(ローン返済)=キャッシュフロー」という構図が成り立ちました(都内では土地価格が高く、利回りが低いので、地方都市近郊の収益利回りが10%以上のアパマン物件が投資対象となった)。

 ゆえに、借金を増やしてアパマン物件を買えば買うほどに、サラリーマンとしての年収が400万円しかなくても、不動産投資でのキャッシュフローのほうは500万円、1千万円という人たちが続々と生まれていったのです。そして、街の書店に行けば「不動産投資本コーナー」が大いに賑わい、「家賃年収5千万円」「家賃年収1億円」といった惹句で目を惹く書籍が続々と出版されるようにもなったのです。もちろん、家賃年収5千万円とか1億円といったところで、ローンの返済額を除くと、差額の実収入はその2割~3割でしかありません。しかし、そうであっても、サラリーマンとしての収入の他に、こうした不動産収入が、給与以外にいとも簡単にもたらされるという時代は、サラリーマンにとっては夢のような話だったのです。

 不動産投資は、時間を味方につける投資ですから、アパマンの賃貸入居がうまく回っていれば、15年~20年と入居者の家賃収入で自分の借金返済が進むのですから、非常に魅力的な投資法と言えたでしょう。「無から有を生む」がごとく、サラリーマンにもお金持ち・資産家になれる道が開けたのでした。

 つまり、日銀の「超低金利政策」は、サラリーマンにこそ非常に有効な「資産構築」ができる時代を提供したわけだったのです。


サラリーマンを辞めて富裕層に仲間入りする7つの手段

 世の中では、サラリーマンの子供に生まれてきた人が大人に成長すると、やはり親と同じサラリーマンになるのが一般的です。何かの新事業を立ち上げて成功し億万長者になるような、成功者と呼べる人は、本当に稀な存在でしかありません。

 つまりサラリーマンは、昔の言葉でいう「水呑み百姓」に近い存在とも言えるのです。ふつうは、一生サラリーマンを続けても、まずはお金持ち・富裕層にはなれないわけです。江戸時代のいわゆる「生かさず殺さず」の農民のような存在にすぎないのがサラリーマンであり、哀しいことですが、これが現実だったのでした。

 現在でも、サラリーマンのような一般庶民が金持ちになれるのは、次のような稀なケースでしか考えられないでしょう。

1. 金持ちの親か親戚から高額の遺産を受け継ぐ

2. 金持ちと結婚してファミリーを形成する

3. 外資系金融などの超高給取りになって蓄財する

4. 株式や不動産に投資して蓄財する

5.  起業してビジネスで成功し資産形成する

6.  スポーツや芸能・特殊技能で稼ぎ蓄財する

7.  画期的な発明での特許収入などで蓄財する

 いろいろありますが、どれも一筋縄ではいかないでしょう。しかし、4の「株式や不動産に投資して蓄財する」というのは、サラリーマンにとっても実現可能性がありそうです。その不動産投資を、サラリーマンにとって身近なものにした大きな要因が、前述した通り日銀の「超低金利政策」に他ならなかったわけなのです。


ボーナスステージは間もなく終了?近づく「時代の大転換点」

 さて、日経平均が34年の時を経て、ようやくバブル期の最高値を更新した──というニュースがありました。34年もかかって、ようやくという「バブルもどき」の株式状況なのです。

 また、コロナ禍が終わり、円安なのでインバウンド需要も復活してきた──という明るいニュースもあるでしょう。しかし、そろそろアベノミクスの本当の「化けの皮」がはがされる時期も近づいているはずです。

 デフレから脱却させてインフレにしようとして、日銀は日本国債を際限なく買い入れすぎて、もはや身動き取れなくなっている状況だからです。過度の円安で国民が悲鳴を上げても、それへの対抗措置(金利アップ)すら施しようがないのです。

 日銀は膨大な国債を抱え、政策金利を上げれば利払いや含み損で、大変な事態(債務超過)に追い込まれかねません。ゆえに、まだまだ超低金利は続くはずです。

 しかし、金利を上げられない状態というのは、日本国家そのものの運営が、すでに手詰まりとなっていることの証左なのです。そこで、前述してきたサラリーマン不動産投資家の行く末についても危惧される状況があるのです。大きなお世話かと思いますが、莫大なレバレッジを利かせてきたサラリーマン投資家は、非常に危なくなってきたといえるのです。

 だからでしょうか。

 ここへきて「ギガ大家さん」だの「メガ大家さん」などと呼ばれる、10億円以上の大借金を抱えた不動産投資家の人たちの中にも、そろそろ手仕舞いする時期を迎えた──と判断する人が増えているのです。

 なぜかといえば、未知なるカタストロフ(破滅的大惨事)の到来を怖れるからに他なりません。


本物の富裕層は、すでに不動産投資から逃げ始めている

 目立ち始めたのは、いつまでも栄華は続かない──とばかりに、すでに危険を察知した賢明な不動産投資家であり、資産縮小に乗り出す人が続々と出てきているという事実なのです。

 これは、不動産だけではありません。株式市場においても、危険を察知する人達が続出していることをご存じでしょうか。世の中の「はしゃぎまくり」の喧噪に、冷静に背を向ける人たちの存在を忘れてはいけないのです。新NISAの登場で、株や投信を買う人が増えていますが、日米の株高は、いったいいつまで続くのでしょうか。

 はっきりいって、株高の根拠は薄弱です。株を保有する人は、日本では8人に1人程度しかいないのです。不況なのに株高という不気味な状況です。外国人が、円安でしこたま日本株で儲けようと期待し、買い漁っているにすぎないのが現状でしょう。中国から引き揚げた資金も日本株に投じられていると言います。

 そして、このところの日本の都心部の不動産価格の高騰も根拠は薄弱です。少子高齢化の日本で、空き家だらけなのが日本なのです。地方ではアパマンの空室率も上がる一方です。そろそろ、これまで繁栄を謳歌できたサラリーマン投資家も、限界点に近いのではないでしょうか。

 世界中のカネ余り相場で、浮かれている人が増えるほどに危機感を覚えざるをえない状況なのです。これから借金を増やして、アパマンの規模拡大を狙い、キャッシュフローの増大を目指すのは危険極まりないことでしょう。出口がなくなる可能性が高まってくるからです。


サラリーマンが不動産投資に失敗するとどうなるか

 すでに、サラリーマン不動産投資家で破綻する人も続々と現れています。サラリーマンの不動産投資ブームに便乗して、詐欺まがいの商法も頻発し、その被害に遭うサラリーマンが少なくないからです。不動産投資は、数千万円、数億円といった巨額の取引です。

 騙された──と思った時には、救済される道はほとんどないという現実を知らなければなりません。「世の中が浮かれすぎた時はピークを過ぎている」という教訓を忘れてはいけないのです。すでに、不動産投資市場では、優良物件が枯渇気味となっています。そして収益利回りも下降傾向なのです。そのため、優良物件に偽装してサラリーマンを騙す業者もあちこちで跋扈しています。

 カタストロフ(破滅的大惨事)はいずれ間もなく、確実に到来することでしょう。

 筆者も、かつて聞いたバブル崩壊の足音が、またぞろ、再び聞こえ始めてきた──と思えてならないわけなのです。あの「暗黒の木曜日」といわれた1929年10月24日のウォール街の大暴落は、その後の3年近くで9割もの株価下落をもたらし、元の価格に戻るまでに25年もの歳月を要したのです。

 目下のところ、生成AIブームもあって、日米の株式市場はまだまだホットな状態ですが、こうした多くの人が、ほとんど同じに見ている「共同幻想」の時こそ、必ずや相場が弾ける時は近いのです。

 ましてや、日本の株式市場が大暴落すれば、不動産投資にも大打撃が及びます。株価下落とともに、不動産物件価格の大暴落です。

 元旦に起きた「能登半島地震」を見ると明らかなように、天変地異が起これば、不動産投資物件も吹っ飛びます。


今のうちに「祭りのあと」のサバイバルを考えよ

 南海トラフ大地震や関東大地震、富士山噴火……こうした時に借金の多い人は破綻を免れなくなるのです。来たるべき「大転換」に備えて、借金の額を極力減らしておくことこそがサバイバルへの道となるはずです。

 すでに、米国の著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは、2月24日に恒例の「株主への手紙」を公表し、米国内外の株式相場の高騰を「カジノ的」と表現し警鐘を鳴らしています。そして、魅力的な新規投資機会は乏しいため、バークシャーの投資待機資金は過去最高水準に積み上がっていることを表明しているのです。

 バフェット氏いわく「有意な変化をもたらしうる投資先企業は、米国にごくわずかしか残っていない」と狂奔する株式市場への冷静な見解を披露し、次の収益機会は「危機の再来」と見越して待ち構える態度を示しているのです。

 間近に迫るカタストロフを予測しているかのような不気味な物言いなのです。すなわち、超低金利だからといって、これから借金を膨らませて、不動産投資の規模の拡大を図る──などというのは、もう遅いでしょう。堅実な範囲のレバレッジでなければ、人生を棒に振るような事態にすら追い込まれかねません。

 かつてのバブル崩壊過程での阿鼻叫喚の地獄絵図の再来という予感がしている筆者──というわけなのです。」


 最近の株高をバブルとして警鐘を鳴らす記事も増えてきています。どちらの意見が正しいかは、私もわかりませんが、注意して見ていく必要がありそうです。


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