廣田信子さんのマンションブログに以下の文章がありましたので紹介します。
「「法定後見契約」は、後見人を裁判所が決めるもので、親族が望んでもなかなかなれません。
しかも、法定後見人は、本人が何を望んでいたかを知らないので、本当に本人のためかという不満が親族から聞こえることがあります。
それに対して「任意後見契約」は、認知症などになる前の元気なうちに万が一判断能力がなくなった場合を想定し、自分が望む生活環境やお金の使い道などを「任意後見人」に予め依頼し、契約をする制度です。親族がなるケースも多いのですが、これを司法書士等に依頼する方法もあります。
任意後見人は、契約に基づき、本人に代わってマンションの組合員の議決権の行使ができます。認知症になった後もできるだけマンションに住み続けたい旨を契約に盛り込むことも可能です。
これにプラスして「死後事務委任契約」の活用が考えられます。
子供がいない一人暮らしの方は、自分の死後を誰に頼むかを考える必要があります。定期的に安否確認の電話をもらい、死亡したとき時の葬儀、納骨を依頼します。死亡時に相続人に連絡をする役割も契約で受けることができます。縁が薄く、遺産相続を考えていない場合も、きちんとその旨を伝える必要があります。死亡を管理組合、管理会社に連絡をする役割を決めておくことも可能です。
そして、重要なのは、「遺言」です。「遺言」は、自分の死後「自分の財産を、誰に、どのように残すか」について意思表示をするものです。
法定相続人がいない場合、相続放棄になった場合、最終的には「国」の所有物になりますが、管理組合はその手続きがたいへんです。
死後、マンションを売却し、収入の一部を管理組合やよく通った施設に寄付することを依頼することも可能なのです。」
マンションに高齢者が増えてくるに伴い、身寄りのない区分所有者が亡くなれば、マンション内住戸の清掃や遺品整理、葬儀の準備と膨大な業務が発生します。また管理費・修繕積立金の滞納、住んでいた住戸の処分と、管理組合だけでは対応できない多くの問題が発生します。
孤独死だけでなく、痴ほう症が発症するおそれもあります。身寄りのいない高齢者のお年寄りに対しては、事前に管理組合が「任意後見契約」を行い、後見人になる必要があるのかもしれません。
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