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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

住宅ローン、低金利時代の団信 金利では差つかず、死亡時以外の特約も充実



 2024年6月8日の朝日新聞デジタルの表題の記事を紹介します。


「大手銀行が今月、住宅ローンの固定型金利を引き上げた。ただ、契約者の7割が選ぶ変動型の基準金利は約15年間にわたって変わらず、歴史的な低水準が続く。金利では差がでないため、各行がしのぎを削るのが団体信用生命保険(団信)の充実だ。がんになった場合など特約の範囲を広げる。関係者からは「もはや団信競争」との声もあがる。


■契約の決め手2位、補償魅力

 団信は住宅ローンの返済中に契約者が死亡したり、重い病気になったりした場合に、残高の返済を肩代わりしてくれる保険商品だ。住宅ローンを借りる人は、契約時に団信に入る必要がある。

 「他の銀行と悩んでいて、団信も決め手になった」。5月のある日、りそな銀行の東京都内の支店で、会社員の男性(37)はこう語った。中古の戸建て住宅の購入とリフォームのため、夫婦で借りる「ペアローン」を契約。変動型金利で1億円超を35年間で返す。

 金利自体は、他行の方が低かった。ただ、がんと診断されたら全額免除の補償をつけた際の金利水準や、妻が入る女性向け団信の内容の充実度を考えると、「全体でメリットがあると感じた」。

 住宅ローンを選ぶ上で団信への関心は高い。住宅金融支援機構の2023年の調査では、住宅ローンを選ぶ理由を「団信の充実」と答えた人は「金利」に次ぐ2位。17年度調査までは、選択肢にもなかった。

 各行も団信を競い合う。背景にあるのは長引く低金利だ。

 16年には日本銀行がマイナス金利政策を導入したことで、金利全体は一段と低下した。住宅ローンではネット銀行が先行する形で低金利競争が進み、優遇を適用した変動金利は0・3%前後まで下がった。金利の引き下げ余地が少なくなる中、数年前から各行が始めたのが団信の充実だった。

 従来は、金利の上乗せなしで死亡時や重度の障害を負った際に債務がなくなる「一般団信」が主流だった。これに各行は、金利を上乗せすれば補償する範囲が広がる特約を充実させた。その範囲は、がんなどの3大疾病から、高血圧なども含む8大疾病、11疾病まで広がってきた。金利の上乗せ分は銀行側には収益源となる。


■がん診断、配偶者も返済ゼロ

 変動金利で業界最低水準のauじぶん銀行は15年から、がんと診断されたら全額免除する「がん団信」を上乗せ金利0・2%で始めた。22年には上乗せ分を0・1%に下げ、23年にさらに半分の0・05%にした。広報担当者は「当初はがん団信(を扱う銀行)が少なかったが、似た商品が増えてきた。差別化を図る狙いだ」と話す。

 新たな補償の開発も進む。りそな銀は10月、ペアローンの団信について、夫婦どちらかが亡くなるか、がんと診断された場合、配偶者の返済もゼロとする特約を始める。これまではどちらかに不測の事態があっても、配偶者のローンは残る課題があり、そのニーズに対応する。

 利用者はどのように団信を選べばよいのか。ニッセイ基礎研究所の福本勇樹氏は「団信の充実や特約の上乗せ金利幅縮小もかなり進み、違いが見えにくくなっている。世帯全体の収入構造やもしものことを想像し、本当に必要な団信を選ぶ姿勢が大切だ」と話す。(杉山歩、山本恭介)


■人生100年時代、40年・50年ローンも 地銀が先行、ネット銀も追随

 住宅価格の高騰が続くなか、住宅ローンの返済期間が長期化している。従来は最長35年間が一般的だったが、月々の返済額を抑えたいという需要に応え、40年や50年のローンが登場。銀行間に新たな競争を生んでいる。

 ローンの長期化で先行したのは、地方銀行だった。西日本シティ銀行(福岡市)は、2018年に50年ローンを始めた。広報担当者は「人生100年時代を踏まえ、働いている期間を通じて返済を続けたいというニーズが顕在化してきている」と狙いを話す。

 低金利で先行してきたネット銀行も、長期化を打ち出している。昨年8月には住信SBIネット銀行がネット銀行としては初めて50年ローンを始めたと発表。楽天銀行も今年3月に追随した。

 ただ、注意も必要だ。返済期間が延びると元本が減りにくく、利息を払う期間が長くなる。月々の支払いは少なくなるが、支払総額は増えることになる。(杉山歩)


■住宅ローンを選んだ決め手トップ10

 (1)金利が低い

 (2)団体信用生命保険(団信)の充実

 (3)住宅・販売事業者の勧め

 (4)繰り上げ返済のしやすさ

 (5)安心できる相談サポート体制

 (6)諸費用(手数料、保険料など)の低さ

 (6)将来、金利が上昇する可能性があるので、返済額をあらかじめ確定しておきたかった

 (8)住宅ローン関連以外の付随サービス充実

 (9)借り入れの可否(審査結果)が早くわかった

(10)日頃からなじみがあった

 (住宅金融支援機構の住宅ローン利用者調査より。複数回答可)」


 住宅ローン加入時に入る団信(団体信用生命保険)は昔から生命保険の代わりに活用されていた面もあります。万が一世帯主が返済中に死亡しても、残りのローンは免除されるので、購入したマンションを売るか?賃貸で貸し出せば、保険の代わりに金銭を受け取ることができますし、住宅ローンが無くなれば、奥さんだけの稼ぎでもなんとか生活していくこともできます。

 今回の記事を読むと、その団信がいよいよ生命保険としての側面も大きくしているようです。ガンと診断されるだけで支払いが免除されたり、ペアローンの場合の、配偶者の支払いも免除されるなど、これだけ制度が充実してくれば、別に死亡保険に入る必要はないようにも思います。住宅ローンの返済期間が長くなるにつれ、団信はお得な制度になってきているように思います。


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