2020年10月5日付けの日経新聞に「住宅ローン完済年齢上昇」という記事がありました。
記事の内容は「住宅ローン「フラット35」を提供する住宅金融支援機構のデータを調べたところ、2020年度の利用者がローンの完済を計画する年齢は平均73歳でした。20年間で5歳上がっています。」という内容の記事です。
一般的にマンションを購入するのは35歳が平均といわれていますから、35歳でマンションを買って、それから35年ローンを組むと、平均でも70歳まで、住宅ローンを払い続けることになります。
記事によると、完済年齢が上がった一つ目の理由は、住宅ローン借入時の平均年齢の上昇です。住宅購入年齢の平均は2000年代前半で37~38歳でしたが、晩婚化の影響もあり2020年は40.4歳と高くなっています。
2つ目は住宅価格の上昇です。低金利を背景に頭金を減らして多めに借りる傾向もあり、平均融資額は20年間で1900万円から3100万円に増えました。また、融資額が増えたことで返済期間が長期化したことも完済年齢の上昇につながっています。頭金をためるために、購入時期が遅くなっている理由もあると思います。
生涯現役ともいわれていますが、完済年齢が伸びると、定年後の暮らしや健康への不安も増えてきます。60歳時点のローン平均残高は20年間で約700万円から1300万円超に増えているそうです。
貸し手の金融機関にとって住宅ローンは重要な収益源です。完済時の年齢上限を引き上げる金融機関もあり、ソニー銀行は85歳未満としています。私たち借り手側も無理のない返済計画かどうか、背伸びして借りすぎていないか吟味する必要があります。専門家は「遅くとも70歳までに返済できる計画を立ててほしい」と話しています。
コロナ過の影響で、ボーナスの出ない企業もあり、ボーナスをあてに住宅ローンを組んでいた人は、困っていると思います。オリンピック景気で、住宅価格が上昇していたことも、ローン完済年齢の増加につながったのではないでしょうか。
東京都内のマンションの平均価格は5000万円超。頭金をためて、親から援助してもらって、ローンを借りて、70過ぎまで住宅ローンを支払う。もしくは退職金で残りのローンを完済する。自分の持ち家を持つためだけに、一生涯働いているようにも思えてしまいます。
やはり今の首都圏のマンション価格は高すぎです。かっては無理なく買えるマンションの価格は年収の5倍以内と言われていました、今では7~8倍程度になっているのではないでしょうか。
今後は、コロナの影響もあり、ローンを払えなかった人が手放す中古住宅等、住宅価格の値下がりも考えられます。
先日、話していた「残価設定ローン」等も、利用できれるようになれば、住宅はもっと買いやすい商品になるのではないでしょうか?今後の国の住宅施策に期待したいものです。
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