2021年10月24日の戸建てリノベinfoに掲載された表題の記事を紹介します。
「住宅金融支援機構が提供する、60歳以上を対象にした住宅融資保険付きリバースモーゲージ型住宅ローン「リ・バース60」の利用が伸びているようです。2021年4~6月分の利用実績の前年同月比では約53%の増加という数字が公表されました。
リ・バース60とは?リ・バース60は60歳以上を対象とした住宅ローンです。
毎月の支払は利息のみで、元金は、借入人が亡くなったときに、相続人のから一括して返済するか、担保物件(住宅および土地)の売却により返済する、という商品です。一般的な住宅ローンとの違いは、返済が利息のみ、という部分です。
一般的な住宅ローンでは、利息と元金を月々返済していき最終的に元金を返し切る、というものですが、リ・バース60の場合は、通常の返済期間中は元金を返済しません。元金の返済は、借入人が亡くなったときに一括、となります。
よりシビアな物件価格の審査
このようにリ・バース60の場合には、相続人が亡くなったときの物件価格だけが金融機関にとっての元金回収の拠り所になります。そのため、本人の年収や勤務先などよりも、物件価値の重要性がより大きくなります。
きちんと売却して現金化できるのか、将来需要があるエリアなのか、建物の維持管理は期待できるか、などが判断根拠になるでしょうか。
不動産承継ではなく、資産価値の最大活用という視点
このリ・バース60を利用する方法は、資産承継よりも、資産価値の最大活用という視点がふさわしいのではないでしょうか。
子供たちにその住まいを引き継ぐつもりがなければ、将来売却したときに得られる資産価値を、ご自身の生活費などに変換して使い切る、という風にも考えられます。
実際には、注文住宅の建築や、借り換え、リフォームなどにもリ・バース60は利用されているようです。このように、不動産をただの住まいとしてではなく、価値ある資産として活用する手法も生まれています。
今後は他にも、こうした不動産の資産価値に着目した方法が生まれるかもしれません。今まで以上に、不動産を終の棲家選びではなく、目減りしない資産として選別するという視点が大切になるのではないでしょうか。」
人口減の中、空き家問題も発生してきている日本では、家を子供に残すよりも、自分達の世代で使いきってしまうという発想も増えてきているのかもしれません。高齢化が進み、親が亡くなった時の子供の年齢は60歳越えというケースも少なくありません。子供世帯も既に家を持っており、親から家をもらっても処分に困るのが実情ではないでしょうか。
このような新しいサービスが提供されると、高齢化してからも、新築やリフォームを検討される方も増えてくるように思います。
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