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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

修繕積立金の運用にNISAと同じ仕組みを!?

更新日:2023年11月7日



 2023年3月31日の廣田信子さんの表題のブログを紹介します。


「先日、セミナーで強烈な質問(意見表明)がありました。

 今、管理計画認定制度等で、将来の修繕に必要な修繕積立金を積みたてることの重要性が言われています。それに対して、その積み立てたお金をどうするの?普通預金なんてところに置いていたら価値を下げるだけだ。

 今、国も、個人には、NISAのような仕組みをつくって、資産を運用するように言っている。


 修繕積立金も個人の預金替わりなのだから、NISAのようなしくみをつくってくれないと多額のお金を無駄にするようなものだ。大規模修繕工事の費用もものすごく上がっているというのに。

 この目減りするとわかっている多額の修繕積立金をどうしろと言うのか。という強烈な意見で、ちょっと、びっくりしました。


 NISAもやっていない私ですが、NISAのしくみは、通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかります。NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。

 NISAは、成年が利用できる一般NISA、つみたてNISA、未成年が利用できるジュニアNISAの3種類があります。一般NISAは、株式・投資信託等を年間120万円まで購入でき、最大5年間非課税で保有できます。つみたてNISAは、一定の投資信託を年間40万円まで購入でき、最大20年間非課税で保有できます。

 令和5年度税制改正の大綱等において、2024年以降のNISA制度の抜本的拡充・恒久化の方針が示されています。というものですが、言うまでもなく、株式や投資信託は元本が保証されているものではありません。


 修繕積立金をそれで運用するのは、たいへんなことです。思わず、その方に聞きましたが、その管理組合では、総会決議でOKをとって、修繕積立金を株式で運用しているのです。

 運用に自信がある方のようで、安全と思われる株式で運用しているのでしょうが…。

 利益が出るので、20%の税金を払いたくないという発想でNISAのような運用を…ということが出るのでしょう。

 しかし、もしものことがあったらどうするの、ほんとうにそれでいいのか…と思ってしまいます。


 私としては、他の参加者の方に、いつも、すぐ対応できるわけじゃない修繕積立金の運用には、元本が保証されていない運用には慎重になるべきで、すまい・る債も金利上昇には対応するはず。

あまり、今のお話は、他の管理組合にお勧めしないと話しましたが…。


 それから、昔のことが思い出されます。30年程前、たまたま担当することになったマンションのことです。1つのマンションの半分以上を持っている区分所有者の会社が、修繕積立金を払う意識がなく、必要になったら、払うからというだけで、


「大切なお金を、そんな利益もでないものに置いておけない」と言います。


 規約にも定めがなく、これはたいへんだということで、何とか、修繕積立金の規約設定をクリアーしましたが、やはり、支払いはしてくれません。その後、その会社は倒産し、新たな区分所有者に修繕積立金を請求できたと思います。


「そんな、利益も出ないものに、お金を置いておけない…」その強烈さを思い出しました。


 また、ある大型団地のことです。運用にたけた方が理事長で、修繕積立金をファンドで運用していました。それが一気に下がってしまい、管理組合はたいへんな騒ぎになりました。

 その理事長は、自信をもって運用していたのですが、それが裏目に出たのです。その後、その団地は、多くの方が自主的に参加するようになり、今は、きちんと運営されています。


 また、理事の使い込みがあったマンションも、その後、自主的に運営し、今では、何の問題もなくやっています。バブル崩壊で、管理組合の資金運用には元本保証が原則と考えられ、運用にも総会決議が必要になりました。

 いろいろなことを踏まえて、今は、ほんとうに何の運用もせずに、すまい・る債の運用もしないでいるマンションも多いのです。


 そんな中で、自ら株式運用を始めている管理組合があることにびっくりしました。


 歴史は繰り返します。金利が上がり始めると、工事費用の増加分を何とかしたいと考える方が株式や債券で運用を始めたいと思うことは、まだあるのだと思いました。

 それは、私たちとしては、大丈夫かと思いますが、そういうことを容認するマンションもあるのです。でも、それで損をするという目に合った管理組合が、自主性に目覚めて、しっかり運用する事例を見ると、長い目で見れば、それもありかもしれない…と思いました。

 うまく運用して利益が出ればOK。もし損をするようなことがあっても、今後、運用に厳しく臨むという心構えができればそれも長い目で見ればありえる… のかと。これから、金利が動きだすと、いろいろなことがあると思いました。


 工事費の増額を何とかしないとなりませんから。工事費用の増加は、いろいろな影響を管理組合に与えます。

 NISAのような運用は無理でも、今後は、修繕積立金の運用も利益を出さなくちゃということが始まるのかもしれません。」


 このブログにあるように、企業の論理で言えば、大切なお金を塩漬けにしておくということは、ありえないことです。まとまったお金があるのであれば、少しでも利益が出るものに投資しようと思うのが当然かもしれません。マンションの修繕積立金は億単位のお金になります。日本全国で考えるといったいいくらのお金が、貯められているのでしょうか?

 日本の政府も貯蓄から投資へと、考え方を変えてきました。年金の運用にNISAを勧めるのも、その一環です。今後は、修繕積立金も、銀行に預けるだけではない運用等、新たな方法が出てきそうな気もします。

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