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  • 執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

個人情報保護法の弊害



 先日、香川県マンション管理士会内で市役所の職員による個人情報保護に関する講習会を開催いたしました。マンション管理士は業務上、マンションの管理組合内の情報や、入居者の情報等を扱うために、個人情報に関する内容を理解することは、とても重要です。

 その折に、日頃の管理組合業務においても、個人情報保護法による様々な課題があることが、会員内でも議論されました。


問題1:組合員名簿・居住者名簿を、管理会社が個人情報を楯に、管理組合に配付しない

 標準管理規約第64条には、「理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿およびその他の帳票類を作成して保管し・・・」と定められています。しかしながら、組合運営補助業務として管理会社が作成した、組合員名簿や居住者名簿を、管理会社が個人情報保護法を楯に引き渡してくれないケースが多く発生しています。

 特に、居住者名簿は、大地震等の災害が発生した場合の安否確認や、孤独死等が発生した場合の緊急時の連絡先が書かれており、マンション内に保管されていなければ、緊急時の対応ができなくなります。また、組合員名簿がなければ、理事会が単独で総会を開催したくても、外部所有者に連絡がとれず、外部所有者が多いマンションでは、総会が開催されないケースも考えられます。あまりにも、かたくなにこれらの引渡しを拒む管理会社には、逆に、管理会社変更の臨時総会を勝手に開かさないために、拒んでいるのでは?と勘繰りたくなります。


問題2:個人情報保護を楯に、入居者が室名板や郵便受けに苗字等を記載しない

 古いマンションでは、1階の集合玄関機の前や、郵便受けには、居住者の名前が記載されていますが、新しく建ったマンションには、郵便受けには室名だけで、苗字も記載されていないマンションが多くなっています。郵便局は、マンションの部屋別のデータベースを持っており、苗字の記載がなくても届くようですが、宅配業者の配達物は、宛先不明になって届けれられないケースもあるそうです。マンションのどこの部屋に誰が住んでいるのか?各社が独自にデータベースを作るのはとても大変です。

 自分の住んでいるマンションの郵便受けに名前を出すと、何の不具合があるのか?これらも、個人情報の行き過ぎた運用であると思います。


問題3:防犯カメラの運用方法が管理組合によって対応がバラバラ

 マンションの近くで犯罪がおきた場合に、マンションの防犯カメラの確認依頼が、所轄の警察署からあるケースがあります。個人情報をたてに、防犯カメラの映像閲覧を拒否する管理組合もあるそうです。

 防犯カメラに映った映像も、顔で個人が特定できるのであれば個人情報であり、敷地外の道路等を通行する一般の歩行者から、勝手に個人情報を収集しているとクレームが来るおそれがあるとの話が講師の方からありました。その対策として、通行人の目の届くところに、「防犯カメラ作動中」という表示をすれば良いという話もありました。

 この話を聞いても、どうもピンときません。道路を歩いている画像が防犯カメラに写っていて、何の不具合があるのか?また、「防犯カメラ作動中」の表示が目に入らないと言われたら、どうなるのか?

 中国などの社会主義の国では、街中の防犯カメラがネットワークでつながれ、何かあれば、誰がどこからどこに行ったかも一目瞭然です。逆に、これらが犯罪の抑止力になっているという話も聞きます。私なんかは、逆に日本も中国のように街中の防犯カメラがネットワークでつながってくれればと思ってしまいます。

 これらも個人情報保護法の行き過ぎた運用のように思えて仕方ありません。


 マイナンバーカードにしても、日本ではいまだに普及せず、コロナ過の給付金等にも多大な労力がかかりました。一方外国では、翌日には入金が完了したというような報道もありました。

 個人情報を大事にしすぎると、いろいろな業務効率が悪くなります。結果、不必要な残業が増えるという悪循環に繋がります。

 これだけ個人情報を重要視しながら、パソコンや携帯のメールアドレスは既に流出しており、詐欺メールが1日に何通も届きます。国が言っていることと、実際の社会では、既に大きなギャップが生じています。

 個人情報と利便性の両立をどう図るのか?政治家や役所には、もっと真剣に考えてもらいたいと思います。


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