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偽装免震ゴムを使ったタワマン解体の怪 初の事例に工法や費用に注目

更新日:2021年11月24日



 2021年8月2日付けの夕刊フジに掲載された住宅ジャーナリスト榊淳司さんの記事を紹介します。


2015年に発覚した免震ゴム性能偽装事件を覚えているだろうか。大手タイヤメーカーが製造していた建造物用の免震ゴムが、国土交通省の定めた基準を満たしていなかった事件だ。全国で154棟もの建物に、この性能偽装の免震ゴムが使用されていたので大騒ぎになった。その後、それらの建物では基準を満たした免震ゴムへの取り換え作業が進んでいたはずだった。

 ところが先日、福岡市でこの偽装ゴムを使っていたとされるタワーマンション(タワマン)の解体が決まった、と報道された。06年に建てられた地上30階、全215戸の物件だ。解体理由の詳細は分からないが、このタワマンは賃貸用で、現在のオーナーは1社のようだ。したがって、賃貸居住者には立ち退きを求める形になるらしい。住民の一部は困惑しているが、「建物が危険な状態だから解体する」ということなら、いずれ立ち退かざるを得なくなる。

 私が注目するのは、解体する理由ではなく、その工法や費用だ。現在まで、タワマンと言われる20階建て以上の集合住宅が解体されたケースは皆無と理解している。つまり、この物件は日本で初めて解体されるタワマンとなる。


 どのような工法が採られるのだろう。

 参考となるのは13年に解体された赤坂プリンスホテル。高さ140メートルの威容を誇った「赤プリ」は、大成建設が開発した「テコレップシステム」という手法で、手際よく見事に姿を消した。今回もそのような方法が採られるのだろうか。あるいはそれとは違った新たな方法が採用されるのか。

 マンションは基本的に鉄筋コンクリート造の建物である。鉄筋コンクリートには寿命がある。50年から100年。長めに見積もっても200年である。いつかは解体しなければならないのだ。

 パリには200年以上、ローマには2000年も使われている集合住宅があるが、それらは石造。石には風化があっても劣化はない。鉄筋コンクリートは鉄がさびるから、そう長くは持たないのだ。ということは、今この国で東京や大阪をはじめ、全国津々浦々に建築されているタワマンも、いずれは解体される運命にある。今回の福岡市のタワマン解体はその先駆けとなる。

 おそらく、工法などの技術的な問題を解決するハードルはそれほど高くはない。問題は費用になるはずだ。

 赤プリのような超の付く一等地なら、跡地を開発して生まれる莫大な価値から考え、多少のコストは十分に許容できる。しかし、既存のタワマンの立地はさまざまである。

 現状、通常の板状型マンションを解体する費用も1戸当たり数百万円。タワマンなら、それが1000万円近くとも言われる。今から数十年後、私たちの子孫は湾岸埋め立て地の荒れ地に立つ、打ち捨てられたタワマン群を眺めることになるのかもしれない。


 このマンションは賃貸マンションとは言え、わずか築15年で建替えとなります。現在の入居率が40%強しかなかったことから、オーナーは解体を選択したのでしょう。免震ゴムの交換費用をメーカーから出させることで、解体費用の減額を見込んでいるのかもしれません。

 この記事にもある通り、解体方法に興味があります。記事にあるように解体費が戸当たり1000万もかかるようであれば、入居者がとても負担できるような金額ではありません。解体されずスラム化していくマンションが今後増えてくることも容易に想像できます。

 2018年10月の段階で20階以上のタワーマンションの数は1371棟、今では1500棟近くのタワーマンションがあると思います。それらのタワーマンションの大規模修繕・解体工事が、今後は重要なテーマになってくると思われます。


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