今回はマンションで守らなければいけない法律のお話です。マンションで必ず守らなければいけない法律は区分所有法、「マンション購入者全員で管理組合を構成し、管理規約と総会でマンションを運営していくこと」が基本となっています。
管理規約とは
区分所有法を基に、各マンションの実情にあわせて制定されたルールがマンション管理規約です。管理規約については国土交通省がモデル規約である標準管理規約を作成し、多くの組合が標準管理規約を元に規約を作成していますが、各組合の事情により、強行規定以外は内容を変更することは可能です。
必ず守らなければならない項目は強行規定と言われていますが、特別決議の必要な項目および招集された議題以外は決議できない等、項目はあまり多くはありません。
標準管理規約は昭和58年、平成9年、平成16年、平成23年、平成28年、平成29年に改正されています。皆さんのお住まいのマンションの管理規約をご確認いただき、改定日が平成29年8月よりも前であれば、最新版の標準管理規約と内容を比較し、改定の必要があるかどうかを確認することをお勧めします。
使用細則とは
マンションの管理や使用に関する基本事項は、管理規約に定め、手続きや使用方法等の細部の規定は使用細則に定めます。標準管理規約では、駐車場使用細則、専有部分修繕細則、ペット飼育が可能なマンションではペット飼育細則が定められます。その他、総会運営細則、理事会運営細則、会計処理細則、管理組合への届出事項細則、役員選出方法細則、文書保管細則、組合員名簿細則、防犯カメラ映像管理細則等の細則の制定が考えられます。
それでは何故、管理規約と細則に分けて運用するのでしょうか?理由は改定する場合の難易度の違いです。管理規約の改正は特別決議が必要ですが、使用細則であれば普通決議で可能です。
特別決議とは、マンション全体の区分所有者数および議決権の4分の3以上の賛成が必要です。一方、普通決議は半数以上の出席で出席組合員の過半数の賛成で可決します。
100戸のマンションで考えてみると特別決議には75戸以上の住戸の賛成が必要ですが、普通決議は半数以上の出席(50戸)で過半数の賛成(26戸)で可決できます。75戸と26戸。改正の難易度でいうと3倍近い違いがあります。
まとめ
マンション生活をしていく上でルールを決めることは確かに重要です。ルールを知らなかった、ルールがなかった為に起こるトラブルも数多くあります。しかし、何でもかんでもルール化して縛ってしまうと、日頃の生活が窮屈になり、苦痛になってしまいます。むやみにルール化するのではなく、お互いの思いやりと、気遣いを大事にして、マンション生活を送りたいですね。
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