2023年12月13日の朝日新聞デジタルの表題の記事を紹介します。
「空き家の管理強化などを盛り込んだ改正空き家対策特別措置法が13日施行される。窓や屋根が壊れるなどした空き家を市区町村が「管理不全空き家」に認定し、改善されなければ固定資産税の軽減が受けられなくなる。危険な空き家を減らすことができるか、各自治体の取り組みがカギを握る。
住宅用地の固定資産税は面積に応じて6分の1か3分の1に軽減される。これまでの制度では、倒壊の危険がある空き家は「特定空き家」に認定され、市区町村から改善の勧告を受けると軽減の対象から外れる。
今回、新たに定められる管理不全空き家は、放置すれば特定空き家になるおそれのある状態と規定。「特定」と同じく、改善を勧告されれば税の軽減が受けられなくなる。放置されて倒壊の危険が高まらないよう、事実上の増税によって早めの手入れを促す。
国土交通省は、どのような状態の家が管理不全にあたるかの基準を作成。安全や衛生、景観面から、損傷や腐食といった家屋や塀の状態などを示している。ただ、国交省の担当者は「同じ状態でも住宅街なのか、山間部なのかで優先度が異なる。市区町村が周辺環境を踏まえて総合的に判断することになる」と話す。
固定資産税は毎年1月1日時点で算定される。多くの市区町村は来年、空き家の調査や改善の指導をするとみられる。勧告されて軽減措置が受けられなくなるのは、2025年1月の算定となりそうだ。
総務省の18年の調査では、居住の目的がない空き家は349万戸あり20年前の約1・9倍に増えた。うち管理状態の悪い空き家は約23万5千戸ある。解体して更地にするより固定資産税が少なくて済むため、放置される一因とされる。
改正法では、空き家の活用も後押しする。市区町村が中心市街地や観光地などを「活用促進区域」として定め、建て替えなどをしやすくする。空き家対策を手がけるNPO法人などを新たに「管理活用支援法人」に指定し、持ち主や活用を希望する人への情報提供を強化する。
■独自に認定、先行自治体は
茨城県ひたちなか市は、2016年度から独自に「管理不全空き家」を認定し、持ち主に補修などを促し、放置を防いできた。
空き家に市職員が出向き、調査票をもとに状態をチェックする。屋根・外壁の脱落▽門・塀・擁壁の腐朽・破損▽ごみの放置・不法投棄▽立ち木の繁茂――など、約40項目を点数化。基準の点数に達すると、管理不全とみなす。住宅街にあったり道路に面していたりする空き家はさらに加点される。
16~22年度に管理不全と認定したのは計39戸。認定すると、持ち主に手入れを指導する。家の状態がわかる写真を送ったり、管理業者の連絡先を提供したり、あの手この手で改善を促し、家の補修や立ち木の伐採につなげた。
遠方に住んでいる人も多く、職員が説得のために長崎県の五島列島まで出向いたこともある。費用は市の負担だ。
空家等対策推進室の住谷真志室長は「管理不全の状態でも『まだ大丈夫』と、そのままにしてしまう人もいた。法改正で固定資産税が上がるかもしれないとなれば、早めの改善が期待できる」と話している。」
都会に住んでいる人の地方の実家等に対して、有効な方法だと思います。解体して更地にしたり、賃貸にしたり、売却したりと、遊休不動産を有効に活用する意味でも、良い制度だと思います。
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