マンションの収納率は8パーセント以上が理想です。収納率とは専有床面積に占める収納部分の割合です。一般的な3LDKのマンションの床面積は72㎡なので、その8パーセントというと、5.76㎡となります。奥行き900mmの押入れで考えると3.5間。奥行き600mmのクローゼットで考えると5.3間必要ということになります。マンションの収納は、下駄箱・廊下収納・各部屋のクローゼット・押入れ・洗面所収納・トイレ収納・キッチン収納と、各部屋に用途に合わせて設置することが重要です。また、限られたスペースのため、天井まで有効に利用できるように工夫する必要があります。
最近のマンションでは、玄関にシューズインクローゼットを設置し、靴以外のベビーカーやゴルフバック等の室内に置きたくないものの収納に利用したり、主寝室にはウォークインクローゼットを設置したりして、多目的に利用できる収納を設置するケースも増えています。また、和室がない間取りも増えてきましたが、布団を収納するためには、奥行き900mm以上の収納が最低1間は必要です。
各部屋のクローゼットは洋服の収納がメインになります。コート等の長物と普通の衣装にわけて収納し、普通服収納の下部には引き出し式の収納等を設置します。また奥行き寸法が900mm以上あるのであれば、ハンガーパープを前後2か所に設置すれば、収納量が2倍になりますし、季節によって前後の洋服を入れ替え、夏物と冬物の入れ替えを行います。
台所の収納では、巾木部分も含めて収納になった引き出し式のキッチンが、最近のマンションでは標準になっています。背面のカップボードには、炊飯器や電子レンジ等も収納できるように、細かい配慮が必要です。鍋等の重たいものは、キッチンの下部へ、吊り戸には、セイロ等軽いものを収納しましょう。重たいものは下部へ、軽いものは上部へ、これは収納の基本です。
洗面所には、タオル等が収納できるように棚を設けたり、洗濯物をすぐに干せるように、ハンガーが吊るせるバーを設置するのも有効です。最近のマンションでは洗面化粧台の鏡の裏面が全面収納になっているものもあります。
廊下に収納があれば、掃除機や扇風機等の季節家電の収納にも便利に使えます。個室の収納より多目的に使えるため、家族共用の物入としても重宝します。
トイレには吊戸を設置して、トイレットペーパーや生理用品を収納をします。その他、便器の清掃用具等の収納も考えましょう。
各部屋の使用目的に併せて、持ち物の収納場所を決めてあげると、機能的に生活することができます。理想の収納とは、どこに何が入っているかが分かり、使いたいものがすぐ取り出せることがベストです。
また天井部分まで無駄なく使えるように、クローゼットドアは天井までの高さを確保し、押入れには天袋を付けることで、収納量を確保することが重要です。
収納は多ければ多いほど良いという訳でもありません。使わなくなった洋室の1室が物置になってしまっているお宅も、よくあります。実際収納されたものの中味を見てみると、使わないものを大事にしまっている場合も多くあります。定期的に、収納物を見直して、使わなくなったものは、リサイクルや処分することで、お部屋もスッキリと片付きます。
最近は断捨離がブームにもなっています。断捨離を行うことで、自分の生活も定期手にリセットして、機能的な生活を実践してください。
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