大規模修繕工事の実施時期としては、一般的には春工事(4月~8月)と秋工事(9月~1月)が多いです。工期としては4か月~5か月が一般的ですが、大型のマンションとなると1年以上の工期になることもあります。
先日、コンサルタントをしているマンションの工事説明会で、なんで夏場に工事を実施するのかという質疑がありました。
春工事の場合はどうしてもエアコン等が必要な夏場に工事を実施することへの懸念だったのですが、このマンションはバルコニー床の防水工事は長尺塩ビシートの張替えだったので、室外機を撤去しなくても工事が可能なマンションでした。エアコンのドレーンホースを伸ばして、バルコニー外部に排水することで、夏場の工事中でもエアコンの稼働が可能であることで納得いただきました。工事中は網戸等も取り外すため、窓を開けての換気は難しいですが、エアコンを使用することで、夏場の暑さを乗り切ることが可能です。
工事の品質確保という意味では秋工事である冬場の工事のほうが問題です。塗料や防水材は外気温が低いと充分に乾きません。施工要領書を読むと一般的には外気温が5度以下では施工できないとされており、寒冷地では冬場の施工はほぼ不可能になります。また雪が積もる地域では、屋上の工事ができず、屋上防水のみ雪が解ける春まで工事を延期したケースもあります。また、受験生等がおられるご家庭では、工事の音が煩く、受験勉強が出来ない等のクレームも出るのが冬場の工事になります。
春工事と秋工事以外の1月~4月に工事を依頼するのも、修繕工事会社が比較的工事量が少ない時期であり、安価に発注できるケースもあります。
大規模修繕工事は住みながらの工事であり、いついつの時期までに実施しなければいけないということもありません。値引き条件として、施工会社の都合の良い時期に施工してもらうのも、一つの方法だと思います。
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