先日の相談会で、45戸のマンションの第1回目の大規模修繕工事の金額が1億円を超えたという相談がありました。現状の修繕積立金では足りず、新たに5000万円の借入が必要ということで、総会では大モメになったそうですが、管理会社は議決権行使書で既に過半数を取っており可決になると言ったとのこと、理事長は当日議決を取らず保留にしたという内容でした。
確かに、戸当たり200万円以上は高すぎると思いますし、総会提出までに、理事会としてやることは色々あったと思いますが、管理会社の言うがままに、総会議案にした結果が今回の結果となったということでした。
相談者には、この工事を実施した場合の、今後30年間の長期修繕計画を管理会社に作成してもらって、改めて臨時総会等で決議すればどうですか?とアドバイスしました。
今の修繕積立金は㎡あたり100円程度しか徴収しておらず、年間に修繕積立金は500万程度しか貯まりません。5000万円の借金の返済だけで10年かかります。その5年後には2回目の大規模修繕工事があるので、現在の修繕積立金を倍以上に値上げしないと、長期修繕計画が成り立たないと思います。そのような説明は一切せずに、借入ありきの議案を提出した管理会社に大いに不信感を感じました。
相談者に現状の長期修繕計画を聞くと、1回目の大規模修繕工事で借入が発生するような長期修繕計画には当然なっていないとのこと。
また、1年間の工事仕様の打合せでも、工事金額の話は一切なく、最後に施工会社から提示された高額の工事費のみが提示されたとのことで、管理会社主導方式で進めながら、多くの借入での工事を押し切ろうとした管理会社に、相談者を含め多くの組合員がおおいに不信感を持っています。
相談者には、1年間の打合せ時間と管理会社に支払うコンサル料が無駄にはなりますが、新たに設計監理方式でやり直し、施工会社数社に見積提出をお願いしたらどうですか?とアドバイスしました。
管理会社に不信があるようであれば、管理会社変更も含めて、組合内で議論してください。といいましたが、今回の相談は、理事会が無知だと管理会社にいいようにされるよくわかる事例だと思います。
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