国土交通省が公表している「マンション大規模修繕工事に関する実態調査」によると、1回目の大規模修繕工事は中央値で築14年目(13~16年前後)、2回目の大規模修繕工事は中央値で築28年(26~33年)、3回目の大規模修繕工事は中央値で40年(27~45年)で実施されている。とあります。私の実感でも、長期修繕計画上は12年周期でも、実際には15年周期前後で実施されている例が多いと感じています。
大規模修繕工事を築12年目に行う理由は、建築基準法第12条の定期報告制度で「特定建築物の所有者は、建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者にその状況の調査をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。」(定期報告を怠ったり、ウソの検査結果を報告したりすると、以下の法律により100万円以下の罰金が課せられる可能性があります。)
「平成20年の建築基準法改正で特定建築物定期調査が厳格化されました。10年を超えている場合3年以内に外壁改修や全面打診調査を行っていないのであれば、外壁改修工事を行うか、指定部位全面打診調査が必要になりました。」
外壁がタイル貼りのマンションでは、上記内容をクリアーする目的で、12年目に大規模修繕工事を行うマンションが増えています。(特に大都市圏)
ところが、高松市は、定期報告を行う特定建築物に、共同住宅(マンション)は含まれておらず、13年超で大規模修繕工事を実施しても、法令違反にはなりません。
管理組合から、「それでは何年目で工事をしたらいいですか?」と聞かれますが、私の経験では長くても築18年あたりが限度かなと思っています。タイル貼りの部分は見た目は綺麗ですが、浮きが発生している可能性は高いですし、塗料の劣化が激しく、コンクリートの下地が見えているような状況が増えてきます。また、シール材の硬化やひび割れも多く発生しており、漏水の恐れが高くなっています。また、屋上の防水がシート防水だと、耐用年数は20年程度ですので、全面改修が望ましいと思います。
大規模修繕工事の実施周期は平均で15年、遅くても18年というのが、今まで経験してきた私の見解です。
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