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執筆者の写真快適マンションパートナーズ 石田

大規模修繕工事の実施時期は?

更新日:2022年5月12日

 


 今回は大規模修繕工事の実施時期についてのお話です。大規模修繕工事は一般的には12年~15年毎に実施するとされていますが、法的に決められたものではなく、マンションの構造、立地場所等で実施時期は様々です。私が住んでいたマンションも築15年を過ぎてから大規模修繕工事の検討を始め、実際に工事を実施したのは築18年目でした。さすがに18年目は少し遅かったかなと思います。海沿いに建つマンションで屋外階段が鉄骨造の場合には、もっと早く実施する必要があるケースも考えられます。

 まずはマンションの長期修繕計画を見てみましょう。そこに築何年目に何をするか、実施時期と実施する工事内容が書かれていると思います。

 一般的には築12年目に大規模修繕工事が計画されているケースが多いです。その理由は、建築基準法で定められた「特殊建築物の定期報告制度」において、政令で定める特殊建築物は3年毎に点検を実施し報告する必要があり、タイル張りの建物については築10年を超えてから最初の調査では全面打診調査を行う必要があります。(ただし、3年以内に外壁改修または全面打診が実施される場合は除外)また、屋上防水は一般的に漏水保障を10年としているケースが多く、極力保障を切らせたくない場合には12年周期で大規模修繕工事を実施する必要があります。

 しかしマンションが特殊建築物に指定されていない市町村では、上記の法律は適用されず、何年目に大規模修繕工事を実施しても良いことになっています。

 大規模修繕工事はマンションの修繕積立金を取り崩して行う工事であり、実施するためには管理組合の総会決議が必要となります。そのために、実施する必要性の客観的なデータが必要です。

多くの管理組合では、大規模修繕工事の前に建物診断を実施し、建物の劣化状況等を把握します。その結果を理事会で討議し、大規模修繕工事実施に向けての総会決議を取ることが一般的です。

 その結果として、築15年前後で大規模修繕工事を行うのが一般的だと思います。マンションの寿命を60年と仮定して、12年毎の大規模修繕工事だと5回、15年毎の大規模修繕工事だと4回の工事が必要となります。1回の工事費は戸当たり100~150万円。1回工事が多いか少ないかだけでも月々の修繕積立金にも大きな影響を与えます。

 大規模修繕工事の実施時期については、管理会社からの提案だけを鵜呑みにせず、第三者としてのマンション管理士や大規模修繕コンサルタントにぜひ相談してみてください。

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