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大阪の住宅倒壊



 2021年6月25日午前7時15分ごろ、大阪市西成区天下茶屋東の住宅地で、崖の上に建っていた住宅1棟が、のり面の擁壁の下に倒壊しました。3時間後の10時30分頃にもう1棟が倒壊、さらにもう1棟も倒壊の危険性があり、解体されました。


 崩壊の原因は、擁壁の下で行われていた老人ホーム新築のための基礎工事とも言われていますが、映像を見ると、住宅の建っていた擁壁は、ほとんど角度がなく垂直に作られた石積みの古い擁壁であり、また倒壊した住宅も擁壁のすぐ際まで建てられおり、今の法律では認められない危険な状態にありました。

 崩落した住宅は1960年代後半に建てられ、住宅の西側は高さ6mの急なのり面になっていました。通常石積みの裏面はモルタル等で固めるのが一般的ですが、この擁壁はただ石を積んだだけ、擁壁の裏側の地下水を抜く穴が目詰まりし、水分を含んで重くなった土が擁壁に負担をかけ、擁壁が崩落したと思われます。


 専門家の指摘では、擁壁まで含めて住宅の敷地であった場合は、擁壁の維持管理も含めて住宅の所有者の責任であり、今回は落下した先が工事現場で良かったですが、下にも住宅等があった場合には、その損害賠償も、壊れた住宅所有者の責任になるようです。壊れた住宅の持ち主は被害者ではなく加害者になるおそれもあります。


 また老人ホームの施工者側にも、設計時に建物をもう少し擁壁から離して配置するか?施行者側で、擁壁の補強工事を行ってから、掘方工事を実施する等の配慮があれば、今回の事故は防げたと思います。最終的に、どちらの原因で倒壊したかは、裁判等で争われることになるでしょう。


 古い宅地造成地では、今回のような危険な状態の擁壁は今でも多くあります。広島で大雨の影響で造成地の住宅が流されたのも、そのような危険な土地をむりやり造成したことが原因でした。宅地を購入する場合には、特に盛り土をして造成した宅地は危険です。


 現在の法律では、擁壁の高さが2メートル以上には、工作物の建築確認が必要となります。今回のような石積みの擁壁は認められず、排水状況が悪化し水圧が加わることを防ぐために、水抜き穴の設置が義務付けられています。熱海の土石流の事故でも、盛土の排水不良が事故の原因とされています。

 また自治体によっては崖のある地域で建築に制限をかける「がけ条例」を制定する自治体も増えており、東京都は高さ2mを超す崖周辺で工事をする場合には、新しい擁壁を設けたり、既存の擁壁の安全確認を義務付けたりしています。


 物件を購入する際には、現行の建築基準法を満たした擁壁であるか、水抜き穴が設置されているか確認することが重要です。擁壁の検査済み証の確認は、市役所でも行えます。物件を購入する前にかならず確認することが重要です。また国土交通省が「我が家の擁壁チェックシート」をHPにアップしているので、参考にするのもいいと思います。


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